似た意味を持つ「勤勉」(読み方:きんべん)と「真面目」(読み方:まじめ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「勤勉」と「真面目」という言葉は、どちら「物事に真剣に取り組むさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
勤勉と真面目の違い
勤勉と真面目の意味の違い
勤勉と真面目の違いを分かりやすく言うと、勤勉とは仕事や勉強に真剣に取り組む様子を表し、真面目とは物事に真剣に取り組む様子だけでなく誠実な性格も表すという違いです。
勤勉と真面目の使い方の違い
一つ目の勤勉を使った分かりやすい例としては、「結婚するなら勤勉家の人がいいです」「売上目標に向かって勤勉に取り組む」「職員の成績率は勤勉手当に反映されます」「勤勉な生徒は家庭学習を毎日しています」などがあります。
二つ目の真面目を使った分かりやすい例としては、「姉はとても真面目な人と結婚しました」「真面目すぎる人はつまらないと感じます」「明日から真面目に英語の勉強します」「真面目に働くのがバカバカしくなった」などがあります。
勤勉と真面目の使い分け方
勤勉と真面目という言葉は、どちらも物事に対して真剣に取り組み、いい加減なところがない様子を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
勤勉とは、一生懸命に励むことを意味し、主に仕事や勉学に対する真剣な姿勢を表現する言葉です。上記の例文にある「勤勉家」とは、勉強や仕事を一生懸命コツコツと頑張る人のことです。勤勉という言葉は、一生懸命に仕事に打ち込んでいる印象があり、プラスイメージを伴います。
真面目とは、「真面目に働く」「真面目な顔をする」のような使い方で、いい加減なところがなく真剣であることを意味します。また、「真面目な人」のような使い方で、真心があって誠実な性格も表す言葉です。
つまり、勤勉とは主に仕事や勉強に取り組む姿勢を表しますが、真面目とは真剣に物事に取り組む姿勢や誠実な性格を表現する言葉です。二つの言葉を比べると、勤勉より真面目の方が、広い意味を持ち汎用性のある言葉だと言えるでしょう。
勤勉と真面目の英語表記の違い
勤勉を英語にすると「hard work」「industry」「diligence」となり、例えば上記の「勤勉家」を英語にすると「a hard worker」となります。
一方、真面目を英語にすると「serious」「honest」「steady」となり、例えば上記の「真面目な人」を英語にすると「a serious person」となります。
勤勉の意味
勤勉とは
勤勉とは、仕事や勉強などに、一生懸命に励むことを意味しています。
表現方法は「勤勉に取り組む」「勤勉な人」「勤勉になる」
「勤勉に取り組む」「勤勉な人」「勤勉になる」などが、勤勉を使った一般的な言い回しです。
勤勉の使い方
勤勉を使った分かりやすい例としては、「怠惰な僕が勤勉になるにはどうしたらよいですか」「シニア社員の勤勉さに脱帽です」「勤勉な国民性を誇りに思う」「特に英語は勤勉に取り組んできました」「わが校の校訓は勤勉彊直です」などがあります。
その他にも、「年に二回の勤勉手当が楽しみです」「勤勉手当の計算方法を教えてください」「親のしつけは子どもの勤勉さに影響するだろうか」「勤勉性は児童期に獲得すべきものです」「職務に忠実で勤勉に働く」などがあります。
勤勉の「勤」は訓読みで「つとめる」「いそしむ」と読み、力を尽くしてつとめ励むことを表し、「勉」は無理に力を出してはげむことを表します。勤勉とは、仕事や学業などに対して一生懸命に励むことを意味する言葉です。
「勤勉手当」の意味
上記の例文にある「勤勉手当」とは、公務員が半年に一度支給されるボーナスのようなものであり、6月と12月の年に2回支給されます。仕事の頑張りを評価されて支給される手当です。
ことわざ「勤勉は成功の母」の意味
勤勉を用いたことわざには「勤勉は成功の母」があります。勤勉は成功の母とはイギリスのことわざであり、人生における成功は、その人の勤勉さが生み出すものであることを意味します。
勤勉の対義語
勤勉の対義語・反対語としては、怠けてだらしないことを意味する「怠惰」、当然しなければならないことをしないことを意味する「怠慢」などがあります。
勤勉の類語
勤勉の類語・類義語としては、仕事や学業などにまじめに励むことを意味する「精勤」、一生懸命に努力することを意味する「精進」、物事を成し遂げようと苦労することを意味する「苦心」などがあります。
真面目の意味
真面目とは
真面目とは、噓やいい加減なところがなく真剣であること、本気であることを意味しています。
その他にも、「真心のあること、誠実であること」の意味も持っています。
真面目の読み方
真面目の読み方は、「まじめ」の他に「しんめんぼく」「しんめんもく」とも読みます。「しんめんぼく」「しんめんもく」と読む場合、「人や物事の本来のありさま」という違う意味になることに注意しましょう。
表現方法は「真面目な人」「真面目に生きる」「真面目が馬鹿を見る」
「真面目な人」「真面目に生きる」「真面目が馬鹿を見る」などが、真面目を使った一般的な言い回しです。
真面目の使い方
「急に真面目な顔つきになった」「真面目にイラストレーターになりたいのです」「息子が真面目に話を聞いてくれない」「兄が真面目にシュークリームを作っていて驚いた」などの文中で使われている真面目は、「真剣であること、本気であること」の意味で使われています。
一方、「責任感が強いのは真面目な人の特徴です」「生真面目な人と一緒にいると疲れる」「彼は真面目系クズだった」「真面目は長所でもあり短所でもある」「真面目な人ほど報われないと思うことがある」などの文中で使われている真面目は、「真心のあること」の意味で使われています。
真面目とは、真剣に物事に取り組む姿勢や、真心があり誠実である性格を意味する言葉です。基本的には良い意味で用いられますが、使い方によっては堅苦しく面倒くさいといったマイナスな意味で使用されることがあります。
真面目の由来
真面目という言葉の由来は、しきりに瞬きするさまを表す「まじろぐ」「まじまじ」の「まじ」が語源となっています。まじめは、緊張して目をしばたかせるほどの真剣な顔つきから、本気であることや誠実な様子を意味するようになりました。「真面目」の漢字表記は当て字です。
「真面目腐る」の意味
真面目を用いた日本語には「真面目腐る」(読み方:まじめくさる)があります。「真面目腐る」とは、大まじめな様子をすること、いかにもまじめな態度を取ることを意味します。
真面目の対義語
真面目の対義語・反対語としては、真面目でないことを意味する「不真面目」、軽々しくて誠実さが感じられないことを意味する「軽薄」などがあります。
真面目の類語
真面目の類語・類義語としては、大層まじめなさまを意味する「大真面目」、細かいところまで物事をきちんと行うさまを意味する「几帳面」、真心を込めてよくつとめることを意味する「忠実」、ひどく真面目で堅苦しいことを意味する「四角四面」などがあります。
勤勉の例文
この言葉がよく使われる場面としては、仕事や勉強などに精を出して励むことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、勤勉という言葉は、仕事や学業に対する姿勢を表します。例文5の「勤勉家」は、勉強や仕事をコツコツと懸命に取り組む人を意味します。
真面目の例文
この言葉がよく使われる場面としては、真剣な顔つきであること、本気であること、誠意があること、真心がこもっていることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3の「真面目な人」とは、いい加減なところがなく、何事にも誠実に取り組もうとする人を意味します。例文3の「不真面目」とは、怠けていたり誠実ではない様子を表します。
勤勉と真面目という言葉は、どちらも「物事に真剣に取り組むさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、仕事や勉強に真剣に取り組む様子を表現したい時は「勤勉」を、真剣な態度や誠実な性格を表現したい時は「真面目」を使うようにしましょう。