【逼迫】と【切迫】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文
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似た意味を持つ「逼迫」(読み方:ひっぱく)と「切迫」(読み方:せっぱく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分けを参考にしてみてください。

「逼迫」と「切迫」という言葉は、どちらも状況の悪さ表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



逼迫と切迫の違い

逼迫と切迫の意味の違い

逼迫と切迫の違いを分かりやすく言うと、逼迫というのは、惨事と呼べるほど状況が悪いことを意味していて、切迫というのは、状況が予断を許さないことを意味しているという違いです。二つには違いがありますが、どちらも「切羽詰まった」(読み方:せっぱつまった)ことです。

逼迫と切迫の使い方の違い

一つ目の逼迫を使った分かりやすい例としては、「患者数増加により医療機関の病床が逼迫している」「需給が逼迫して人手不足になる業界が増えている」「業務が逼迫していて働く人の疲弊感が強まっている」「天然資源の逼迫により経済状況がどうなるか分からない」などがあります。

二つ目の切迫を使った分かりやすい例としては、「切迫する巨大地震に備えよ」「切迫する地球温暖化に対して私たちにできることは何か」「切迫流産は適切な処置で助かる可能性がある」「トイレに行く直前の尿意切迫感が昔よりも強い」などがあります。

逼迫よりも切迫の方がよく使われる

逼迫と切迫はどちらも状況が悪いことを意味する言葉ですが、その悪さには上に記したような違いがあります。しかし、逼の字は常用外の漢字なので、「逼迫」が使われることは今日では極端に少なくなりました。

その結果、現在では、状況が悪いことを表すのに総じて「切迫」が使われるようになっています。逼迫と切迫の違いは元からそれほど明確なものではなかったので、「切迫」という言葉だけで用が足りることも、「切迫」の頻度が高くなることを後押ししました。

しかし、意味の違いを知ることで表現の幅が広がってきますので、違いをきちんとおさえておきましょう。

逼迫と切迫の英語表記の違い

逼迫を英語表記で表すと「tightness」「stringency」「impending」となり、例えば上記の「病床が逼迫している」を英語にすると「The bed is tight」となります。

一方、切迫を英語表記で表すと「urgency」「imminence」「pressure」となり、例えば上記の「切迫する巨大地震」を英語にすると「Imminent huge earthquake」となります。

逼迫の意味

逼迫とは

逼迫とは、状況が悪い、困窮している、混迷を極めているということを意味しています。「〇〇が逼迫する」という形で使われることが多いですが、「逼迫が目に見えるようだ」という使い方もあります。

逼迫の読み方

逼迫の読み方は「ひっぱく」が正しい読み方です。

逼迫は「ひっ迫」と使うことが多い

逼迫という漢字の中の「逼」の字は常用外漢字であるため、新聞やニュースなどの公用文では基本的に使うことができません。

そのため、逼迫は漢字で書くのではなく「ひっ迫」とひらがな表記されることが多いです。

逼迫の語源

逼迫の逼という字は、「さしせまる」という意味です。だから、逼迫に含まれる漢字の意味は両方とも、何かが「せまる」ことです。迫ると逼るの違いは意味にはなく、常用漢字かそうでないかの違いです。

迫るも逼るも同じ意味ですが、しかし「逼迫」という言葉を使った時には、「迫ってくるものが圧迫したり詰まらせたりしているようだ」という意味合いが含まれていることが多いです。「圧迫感、閉塞感がある」と覚えておくと、逼迫の意味が分かりやすくなります。

表現方法は「逼迫する」「逼迫した」「逼迫しており」

「逼迫する」「逼迫した」「逼迫しており」などが、逼迫を使った一般的な言い回しです。

逼迫の使い方

逼迫を使った分かりやすい例としては、「世界情勢が逼迫する予兆は1年前からあった」「逼迫する情勢に対しては各国が協力して対処する必要がある」「ネット通販を利用する人が急激に増えたことにより物流が逼迫している」などがあります。

「感情が逼迫する」の意味

例えば「感情が逼迫する」というのは、心中穏やかではないこと、胸が詰まることを意味しています。ただし、これら表現だけでは、どう逼迫しているかは分かりません。焦燥感かもしれませんし、孤独感かもしれませんし、不満感が募っているのかもしれません。

「お金に逼迫している」の意味

「お金に逼迫している」は、金欠で困っていることを表現しています。この場合は、どう逼迫しているかは明白ですが、それは逼迫という言葉の意味によるのではなく、お金というものの性質から明らかだということです。

逼迫の類語

逼迫の逼という字を使った別の言葉としては、追い詰められた状況を意味する「逼塞」(読み方:ひっそく)があります。また、芸術に感銘を受けてそれを褒め称えることを意味する「咄咄人に逼る」(読み方:とつとつひとにせまる)もあります。

逼迫の迫という字を使った別の言葉としては、強い力で押し付けること、押さえつけることを意味する「圧迫」、力強く迫る様子を意味する「迫力」、芸術などの表現が事実のように迫ることを意味する「迫真」、強い立場を利用して相手を苦しめることを意味する「迫害」などがあります。

切迫の意味

切迫とは

切迫とは、何かが押し迫っていて予断をゆるさないことを意味しています。例えば「期限が切迫する」というのは、時間的な余裕がないということを表現しています。締め切りが迫っていても、余裕をもっている場合ならば切迫しているとは言いません。

切迫の語源

切迫の切というのは、「切実な」「切に」という言葉から分かるように、程度が重いという意味です。つまり切迫というのは、甚だしく迫っていることを意味する言葉です。

切迫は「何かが尋常ではない仕方で迫っている」という意味合いの強い言葉です。状況が悪いという点では逼迫と同じですが、何かが時間・空間的に迫っているという意味は切迫の方が強いです。なので、「期限が切迫する」の方が据わりの良い表現になります。

とはいえ、逼迫と切迫の意味の違いは境界線のはっきりしたものではなく、使う人によっても異なっており、意識されないことの方が多いです。その上、逼という字は常用漢字外になっているので、状況が悪いことを総じて切迫と表現する傾向があります。

表現方法は「切迫した状況」「切迫した雰囲気」「切迫した事態」

「切迫した状況」「切迫した雰囲気」「切迫した事態」「切迫しており」などが、切迫を使った一般的な言い回しです。

切迫の使い方

切迫を使った分かりやすい例としては、「災害が起こると必然的に切迫した状況となるため事前準備が必要となる」「出社すると切迫した雰囲気を感じて緊張感が走った」「切迫した事態ではあるが一旦落ち着いて考えよう」などがあります。

切迫の類語

切迫の類語・類義語としては、「急迫」「窮迫」「緊迫」などがあります。また切迫の切という字を使った別の言葉としては、とても痛ましく感じることを意味する「痛切」、とても親切で細かい気配りがあることを意味する「懇切」などがあります。

逼迫の例文

1.彼の表情からは、心持ちの逼迫が見て取ることができる。
2.生活に余裕はないが、不思議と気持ちにはさほど逼迫を感じてはいない。
3.精神面での緊張が高まるとともに、肉体面では呼吸の逼迫を感じた。
4.逼迫した事態になんとか収拾をつけるため、話し合いの場が再三再四設けられた。
5.報道によると、某国では、経済的な逼迫に国民の不満が爆発寸前だという。
6.その時船は逼迫した状況にあり、船長は直ちに遭難信号を送った。
7.穴に落ち逼迫した様子の子犬を、私達は急いで助け出した。
8.病状が逼迫しているというのに、彼はとても落ち着いているように見えた。
9.日々増え続ける患者数・慢性的な医師不足・院内感染の恐怖など、現在全国の病院で逼迫した状況が続いている。

この言葉がよく使われる場面としては、状況が混迷していることや、圧迫感があることを表現したい時などが挙げられます。

例文3のように、「呼吸が逼迫する」という言葉もあります。息が詰まって胸が苦しくなるという状態であるため、切迫ではなく逼迫になります。呼吸不全に関係する病名に、逼迫が含まれている場合も多いです。

逼迫は、常用漢字ではないため、普段はあまり見ることも使うこともない言葉ですが、本などで見かけたら、圧迫感や閉塞感を想像してみてください。また、文章を書いていて、切迫よりも逼迫がいいと感じたら、ふりがなを振って使うのも一つの方法です。

切迫の例文

1.彼は今、締め切り間際の切迫した状況だから、そっとしておくことにした。
2.試験期間が切迫してきたことをみんな感じているのが、教室のムードが変わってきた。
3.その冒険家は、死んでもおかしくない切迫した状況を、いくつもくぐり抜けてきた。
4.切迫した事態になんとか収拾をつけるために、話し合いの場が再三再四設けられた。
5.次第に切迫しつつあった状況に、見て向ぬふりを続けた結果、取返しのつかないことになった。
6.この動物は絶滅の危機に瀕しているので、世界規模での保護を、と代表者は切迫した面持ちで訴えている。
7.予選に通過できるかは次の記録で決定するため、大丈夫、と繰り返し呟く彼の声はとても切迫していた。
8.妻は切迫早産の危機を逃れ、無事に元気な男の子を出産しました。

この言葉がよく使われる場面としては、何かが差し迫った危機的な状況を表現したい時などが挙げられます。何が差し迫っているのかを意識するようになると、文章の理解力も表現力も上がります。

例文4は、逼迫の例文4とまったく同じです。切迫と逼迫の区別が現在はほとんどないことが分かります。

ふつうは切迫を使えばすべて事足りてしまいますが、今度から、この言葉を使う時には何が迫っているかを考えるようにしましょう。そうすれば、使いたくはありませんが、「期限が切迫する」と「お金に逼迫する」の使い分けが出来るようになります。

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