同じ「かけはし」という読み方の「架け橋」と「懸け橋」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「架け橋」と「懸け橋」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「架け橋」と「懸け橋」の違い
「架け橋」と「懸け橋」の意味の違い
「架け橋」と「懸け橋」の違いを分かりやすく言うと、「架け橋」は具体的なものに使う、「懸け橋」は抽象的や比喩的なものに使うという違いです。
「架け橋」と「懸け橋」の使い方の違い
一つ目の「架け橋」を使った分かりやすい例としては、「架け橋を渡って向こう岸に行く」「架け橋が出来たおかげで島の外に行きやすくなりました」「架け橋が完成するまでもう少しらしいです」などがあります。
二つ目の「懸け橋」を使った分かりやすい例としては、「日本とフランスの懸け橋になりたい」「私は両国親善の懸け橋となる」「子供たちのためにも未来への懸け橋を作りたい」「我が国が両国の懸け橋になることを願っています」などがあります。
「架け橋」と「懸け橋」の使い分け方
「架け橋」と「懸け橋」は同音の言葉で大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「架け橋」は具体的なものに使うのが多いのに対して、「懸け橋」は抽象的や比喩的なもの使うことが多いという点です。
また、一般的には特に使い分けを意識せずに使わることが多いですが、新聞社では具体的なものに使うのは「架け橋」、抽象的や比喩的なもの使うのが「懸け橋」ときちんと決められていると覚えておきましょう。
「架け橋」と「懸け橋」の英語表記の違い
「架け橋」も「懸け橋」も英語にすると「bridge」「go-between」「intermediary」となり、例えば上記の「我が国が両国の懸け橋になることを願っています」を英語にすると「I hope our nation will act as a go-between for those two countries」となります。
「架け橋」の意味
「架け橋」とは
「架け橋」とは、谷や川など水の上にかけ渡した橋のことを意味しています。
「架け橋」は別の漢字で、「掛け橋」「桟」「梯」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、「架け橋」を使うようにしましょう。
「架け橋」の使い方
「架け橋」を使った分かりやすい例としては、「架け橋のおかげで移動が楽になりました」「架け橋を渡って隣りの島へ行く」「日本最長の架け橋がついに完成しました」「架け橋の完成を心待ちにしています」などがあります。
「架け橋」は谷や川など水の上にかけ渡した橋のことを意味しており、物体として存在していて人や物が通れるようなものを指す場合に使います。つまり、具体的に表現できるものに対して使うと覚えておきましょう。
日本にも様々な「架け橋」が存在しており、神戸市と淡路市を結ぶ明石海峡大橋、香川県にある南備讃瀬戸大橋、愛媛県にある来島海峡第三大橋、岡山県と香川県を結ぶ津井瀬戸大橋、広島県にある因島大橋などがあります。
「架け橋」の類語
「架け橋」の類語・類義語としては、道路や鉄道線路などの上にかけた橋のことを意味する「陸橋」、河川や運河などの上に架け渡し道路や鉄道などを通す構築物のことを意味する「橋梁」(読み方:きょうりょう)などがあります。
「懸け橋」の意味
「懸け橋」とは
「懸け橋」とは、何かと何かを繋ぐ働きをすることを意味しています。
「懸け橋」は別の漢字で、「掛け橋」「桟」「梯」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、「懸け橋」を使うようにしましょう。
表現方法は「懸け橋になる」「懸け橋のような存在」
「懸け橋になる」「懸け橋のような存在」などが、「懸け橋」を使った一般的な言い回しになります。
「懸け橋」の使い方
「懸け橋」を使った分かりやすい例としては、「日本とフィリピンの懸け橋になりたいです」「友人の出会いの懸け橋となる」「南米文化を日本に紹介する懸け橋となる」「医者と患者の懸け橋になる存在になりたいです」などがあります。
「懸け橋」は、何かと何かを繋ぐ働きをすることを意味しており、人と人や、国と国など、実際の目には見えない抽象的や比喩的なものを繋ぐ場合に使う言葉です。
また、一般的には谷や川など水の上にかけ渡した橋のことも「懸け橋」と言ったりしますが、新聞社では場面に応じて使い分けるように求められているため、「懸け橋」は実際の目には見えない抽象的や比喩的なものに対して使うと覚えておきましょう。
「懸け橋」の類語
「懸け橋」の類語・類義語としては、 間に立って紹介や世話をすることを意味する「口利き」、当事者双方の間に立って便宜を図り事をまとめることを意味する「仲介」、 両者の間に立って仲を取り持つことを意味する「取り持ち」などがあります。
「架け橋」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、谷や川など水の上にかけ渡した橋のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「架け橋」は具体的なものに対して使うことが多い言葉です。
「懸け橋」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かと何かを繋ぐ働きをすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「懸け橋」は抽象的や比喩的なもの対して使うことが多い言葉です。
「架け橋」と「懸け橋」は同音の言葉ですが使い方が少し異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、具体的なものに使うのが「架け橋」、抽象的や比喩的なもの使うのが「懸け橋」と覚えておきましょう。