【お手を煩わせる】と【お手数をおかけする】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「お手を煩わせる」(読み方:おてをわずらわせる)と「お手数をおかけする」(読み方:おてすうをおかけする)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「お手を煩わせる」と「お手数をおかけする」という言葉は、どちらも相手に面倒をかけることを申し訳なく思うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「お手を煩わせる」と「お手数をおかけする」の違い

「お手を煩わせる」と「お手数をおかけする」の意味の違い

「お手を煩わせる」と「お手数をおかけする」の違いを分かりやすく言うと、「お手を煩わせる」とは相手に迷惑をかけて申し訳ないと思うこと、「お手数をおかけする」とは相手に労力をかけさせて申し訳ないと思うことという違いです。

「お手を煩わせる」と「お手数をおかけする」の使い方の違い

一つ目の「お手を煩わせる」を使った分かりやすい例としては、「無理なお願いでお手を煩らわせてしまい大変申し訳ございません」「お手を煩わせることになるかもしれませんがよろしくお願いいたします」などがあります。

二つ目の「お手数をおかけする」を使った分かりやすい例としては、「お手数をおかけすると思いますが何卒よろしくお願いいたします」「お手数をおかけすると思いますが下記の番後までご連絡ください」などがあります。

「お手を煩わせる」と「お手数をおかけする」の使い分け方

「お手を煩わせる」と「お手数をおかけする」は、どちらも相手に面倒をかけることを申し訳なく思うこと意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「お手を煩わせる」は相手に迷惑かけたり悩ませたりなど、面倒を大きくかけたというニュアンスが強い表現になります。一方、「お手数をおかけする」は迷惑や面倒というよりかは、手間や労力をかけさたというニュアンスで使うことが多いというのが違いです。

つまり、簡単な頼み事などであれば「お手数をおかけする」で問題ないのですが、予定外の大きな出来事で相手に負担をかけたのであれば「お手を煩わせる」の方を使うと覚えておきましょう。

「お手を煩わせる」と「お手数をおかけする」の英語表記の違い

「お手を煩わせる」も「お手数をおかけする」も直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「I’m sorry for your inconvenience」「I’m sorry to trouble you」「I know it’s a big ask」などがあります。

「お手を煩わせる」の意味

「お手を煩わせる」とは

「お手を煩わせる」とは、相手に迷惑をかけて申し訳ないと思うことを意味しています。

「お手を煩わせる」の使い方

「お手を煩わせる」を使った分かりやすい例としては、「大変ありがたいのですが部長のお手を煩わせるわけにはいきません」「私どもの不手際によりお手を煩わせて申し訳ございませんでした」「皆様のお手を煩わせることはないのでご安心ください」などがあります。

「お手を煩わせる」は面倒をかけることを意味する「煩わせる」に、作業や仕事を行うことを意味する「手」と敬語の接頭語の「お」が合わさり、相手に面倒や迷惑をかけて申し訳ないと思うことの意味で使われている言葉です。

また、「お手を煩わせる」だけでも十分に丁寧な表現ですが、「お手を煩わせて申し訳ございません」「お手を煩わせることになりまして」などのように、他の敬語表現とセットで使うことでより良い印象を与えることができます。

「お手を煩わせる」は目上の人にも使える

そのため、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対しても使用することができると覚えておきましょう。

「お手を煩わせる」は謝罪の言葉としても使える

「お手を煩わせる」は「お手を煩わせることとなり申し訳ございません」のように、自分の落ち度によって相手に迷惑をかけた場合にも、謝罪の言い回しとしても使うことができます。

「お手を煩わせる」の類語

「お手を煩わせる」の類語・類義語としては、面倒をかけることを意味する「面倒をおかけします」、迷惑をかけたことを謝罪することを意味する「ご迷惑をおかけしました」などがあります。

「お手数をおかけする」の意味

「お手数をおかけする」とは

「お手数をおかけする」とは、相手に労力をかけさせて申し訳ないと思うこを意味しています。

「お手数をおかけする」の読み方

「お手数をおかけする」の読み方は「おてすうをおかけする」です。誤って「おてかずをおかけする」と読まないようにしましょう。

「お手数をおかけする」の使い方

「お手数をおかけする」を使った分かりやすい例としては、「お手数をおかけすると思いますが何卒よろしくお願いいたします」「お手数をおかけすると思いますが今週中にご返信お願いします」「お手数をおかけすることとなり申し訳ございません」などがあります。

「お手数をおかけする」はクッション言葉

「お手数をおかけする」は相手に労力をかけさせて申し訳ないと思うことを意味しており、他人に対して依頼やお願いをする時に使うクッション言葉になります。

クッション言葉とは、「大変恐れ入りますが」「大変申し訳ございませんが」「大変ありがたいお話なのですが」「不本意ではございますが」などのように、伝えたい本題に入る前に一言添えて気遣いを示す言葉のことです。

「お手数をおかけする」は目上の人にも使える

「お手数をおかけする」はビジネスシーンにおいて頻繁に使われている言葉で、正しい敬語表現なので上司や取引先などの目上の人に対して使っても問題ないと覚えておきましょう。

「お手数をおかけする」の注意点

「お手数をおかけする」を使う上で注意しなければならないのは、「お手数をおかけすると思いますが資料を作成次第送付いたします」のように、自分の行動に対しては使えないという点です。

もし、送った資料を確認して欲しいのであれば、「お手数をおかけすると思いますが、送付した資料をご確認ください」などとするようにしましょう。

「お手数をおかけする」の使い方

「お手数をおかけする」の類語・類義語としては、相手に時間を取らせてしまったことを意味する「お手間を取らせてしまい」、相手にお願いする際恐縮することを意味する「大変恐れ入りますが」などがあります。

「お手を煩わせる」の例文

1.お心遣いは大変ありがたいのですが、あなたのお手を煩わせるわけにはいきません。
2.未経験のため皆様のお手を煩わせることがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
3.私の不注意からお手を煩わせることとなり、大変申し訳ございませんでした。
4.お手を煩わせることもあるかと思いますが、ご協力のほどお願いいたします。
5.お客様のお手を煩わせることがないように、接客してください。
6.先生のお手を煩わせることになってしまい大変申し訳ございませんが、次の試合まで子どもたちの特訓を引き受けていただけるとありがたいです。
7.この度のプロジェクトで、私たちの不手際によってお手を煩わせてしまい、本当に申し訳ございませんでした。
8.お手を煩わせることになるかもしれませんが、弊社の新製品のアンケートにご協力いただけませんか?
9.どんなに忙しくても、クライアント様にお手を煩わせることのないように釘を差されていますから、従業員は皆緊張感を持って働いています。
10.いつもお忙しい山田様のお手を煩わせるわけにはいかないので、私達がそちらに伺います。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に迷惑をかけて申し訳ないと思うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「お手を煩わせる」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「お手数をおかけする」の例文

1.お手数をおかけるすると思いますが、明日までご連絡いただけると幸いです。
2.お手数をおかけすると思いますが、入店時にはマスクのご着用をお願いいたします。
3.お手数をおかけすると思いますが、こちらの用紙にお名前とご住所をご記入ください。
4.この度はお手数をおかけすると思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
5.お手数をおかけすると思いますが、こちらの資料をご確認ください。
6.何度もお手数をおかけするのは恐縮ですが、こちらの手続きは対面でないとできないので必要なものを持参していらしてください。
7.お手数をおかけするとは思いますが、プレゼンテーションの資料を事前にお送りいただけますでしょうか?
8.急を要することがあるわけじゃないので、わざわざ電話でお手数をおかけするのも気が引けてね。
9.お客様にはお手数をおかけすることとなり申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。
10.お手数をおかけするとは承知しておりますが、新しい製品のデモンストレーションをご覧いただけますと幸いです。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に労力をかけさせて申し訳ないと思うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「お手数をおかけする」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「お手を煩わせる」と「お手数をおかけする」はどちらも相手に面倒をかけることを申し訳なく思うことを表します。

どちらの言葉を使うか迷った場合、相手に迷惑をかけて申し訳ないと思うことを表現したい時は「お手を煩わせる」、相手に労力をかけさせて申し訳ないと思うことを表現したい時は「お手数をおかけする」を使うと覚えておきましょう。

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