似た意味を持つ「別添」(読み方:べってん)と「別紙」(読み方:べっし)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「別添」と「別紙」という言葉は、どちらも書類などに添付する資料を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
別添と別紙の違い
別添と別紙の意味の違い
別添と別紙の違いを分かりやすく言うと、別添は紙媒体にも紙媒体以外にも使え、別紙は紙媒体のみに使うという違いです。
別添と別紙の使い方の違い
一つ目の別添を使った分かりやすい例としては、「別添をご覧ください」「別添のとおり関係書類をお送りします」「本メールにファイルを別添いたします」「別添資料リストを作成する」などがあります。
二つ目の別紙を使った分かりやすい例としては、「別紙をご参照ください」「別紙のとおり回答いたします」「契約書と別紙を一緒に綴じる」「これまでの職歴は別紙記載にしております」などがあります。
別添と別紙の使い分け方
別添と別紙という言葉は、書類などに添付する資料を意味し、主にビジネスシーンで使われる言葉です。二つの言葉は同じ意味を持ちますが、添付するものにより使い分けが必要です。別添は、紙だけでなく電子ファイルを添付する時にも使えますが、別紙は紙を添付する時のみに使えます。
上記の例文の「別添をご覧ください」は、口頭や書面だけでなく、メールでも使える表現です。口頭や書面の場合は紙媒体の資料が添えられ、メールの場合は電子ファイルが添えられます。一方、「別紙をご参照ください」は、口頭や書面で使える表現で、紙媒体の資料が添えられています。
紙媒体を添付する場合には、別添と別紙のどちらも使えますが注意が必要です。別添は、主となる文書と関連する別の書類を付ける時に使われます。別紙は、主となる文書に直接関係するもので、別の用紙に記載した方が見やすかったり分かりやすかった時に使われます。
このように、別添と別紙という言葉は、媒体の種類や、添付する資料の内容によって使い分けられている言葉です。
別添と別紙の英語表記の違い
別添を英語にすると「attachment」「appendix」となり、例えば上記の「別添をご覧ください」を英語にすると「Please see the attachment」となります。
一方、別紙を英語にすると「another paper」「separate sheet」となり、例えば上記の「別紙をご参照ください」を英語にすると「Please refer to the separate sheet」となります。
別添の意味
別添とは
別添とは、参考資料を添付することや、添付される資料のことを意味しています。
表現方法は「別添にてお送りいたします」「別添のとおり送付いたします」
「別添にてお送りいたします」「別添のとおり送付いたします」などが、別添を使った一般的な表現方法です。
別添の使い方
別添を使った分かりやすい例としては、「別添の資料をご参照ください」「別添の申請書に記入する」「別添資料ありの文書だった」「別添様式を確認する」「別添ファイルにてお送りします」などがあります。
その他にも、「詳細は別添にてご確認ください」「業務委託の内容は、別添の仕様書に定めるとおり」「資料を別添し同封しております」「別添の同意書に押印のうえご返送ください」などがあります。
別添の読み方
別添とは、「べってん」と読みます。「べつぞえ」ではないので、注意しましょう。
別添はメールにも使える表現
別添という言葉は、参考資料を添付することや添付される資料のことを意味し、文書に対する資料的なものや参考になるものを添付する時に使われます。別添は、紙媒体以外にも使えるので、メールにも使える表現です。別の言い方をすれば、添付ファイルがあるメール本文では別添を使います。
別添の類語
別添の類語・類義語としては、書類などに付け添えることを意味する「添付」などがあります。
別添の添の字を使った別の言葉としては、別の物を加えることを意味する「添加」、書き加えたり削ったりして直すことを意味する「添削」などがあります。
別紙の意味
別紙とは
別紙とは、書類などで、主となる文書に添えた別の紙を意味しています。
その他にも、ほかの紙の意味も持っています。
表現方法は「別紙のとおり」「別紙にて」「別紙に定める」
「別紙のとおり」「別紙にて」「別紙に定める」などが、別紙を使った一般的な表現方法です。
別紙の使い方
「別紙参照のうえお申込みください」「契約書に別紙を添付する」「詳細内容は別紙として作るのが基本だ」「別紙の綴じ方にもルールがある」などの文中で使われている別紙は、「本書に添えた別の紙」の意味で使われています。
一方、「配布した紙ではなく別紙に書いてください」「試験紙は、見やすい色の別紙に貼り付けること」「予備のために別紙を用意する」などの文中で使われている別紙は、「ほかの紙」の意味で使われています。
別紙という言葉は、上記の例のように二つの意味を持つ言葉ですが、一般的に使われるのは「主となる文書に添えた別の紙」の意味です。「主となる文書に添えた別の紙」の意味では、ビジネスシーンなどで使われています。
「別紙参照」の意味
上記の例の「別紙参照」とは、文書に添えられた別紙を照らし合わせて参考にすることを意味します。公的な書類から会議資料まで、文書のなかで多用される表現です。
別紙の類語
別紙の類語・類義語としては、書籍などの本体に添えられたものを意味する「付録」などがあります。
別紙の紙の字を使った別の言葉としては、定められた原稿などの枚数を意味する「紙幅」、文書の裏を意味する「紙背」などがあります。
別添の例文
この言葉がよく使われる場面としては、参考資料を添付することを表現したい時などが挙げられます。
例文1の「別添にてお送りいたします」とは、メールや郵送で使われる表現で、本文とは別に資料を添付して送付することを表します。例文4にある「別添付」という表現はありません。例文5にある「別添え」は「べつぞえ」と読み、一緒にしないで横に添えることを意味する別添とは異なる言葉です。
別紙の例文
この言葉がよく使われる場面としては、本書に添えた別の紙や、ほかの紙を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4で使われている別紙は、本書に添えた別の紙を意味します。例文3にある「別紙添付」とは、書類などに付け添えることを意味する「添付」と組み合わさり、本書に別の紙を付け添えることを表します。例文5で使われている別紙は、ほかの紙を意味します。
別添と別紙という言葉は、書類などに添付する資料を表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合は、電子ファイルまたは文書の参考として紙媒体を添付する時は「別添」を、文書に直接関係する紙媒体を添付する時は「別紙」を使うようにしましょう。