【待ちわびる】と【待ち望む】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「待ちわびる」(読み方:まちわびる)と「待ち望む」(読み方:まちのぞむ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「待ちわびる」と「待ち望む」という言葉は、どちらもその時や事態が来ることを非常に期待して時を過ごすことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「待ちわびる」と「待ち望む」の違い

「待ちわびる」と「待ち望む」の違いを分かりやすく言うと、「待ちわびる」よりも「待ち望む」の方がプラスのイメージを伴っているという違いです。

一つ目の「待ちわびる」を使った分かりやすい例としては、「両親の帰宅を待ちわびる」「私たちは今日という日を待ちわびる」「春が来るのを待ちわびる」「花が咲くのを待ちわびる」「愛犬が玄関で父の帰りを待ちわびる」などがあります。

二つ目の「待ち望む」を使った分かりやすい例としては、「私たちは朗報を待ち望む」「私は祖母の回復を待ち望む」「今年こそ昇進を待ち望む」「サッカー日本代表に選ばれることを待ち望む」「待ち望んだお便りが届きました」などがあります。

「待ちわびる」と「待ち望む」はどちらもその時や事態が来ることを非常に期待して時を過ごすことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「待ちわびる」よりも「待ち望む」の方がプラスのイメージを伴っているという点です。

また、「待ち望む」の方が広く一般的に使われているというのも違いの一つになります。

「待ちわびる」も「待ち望む」も英語にすると「eagerly await」「look forward to」となり、例えば上記の「待ち望んだお便りが届きました」を英語にすると「I received an eagerly-awaited letter」となります。

「待ちわびる」の意味

「待ちわびる」とは、気をもみながら待ち続けて心が疲れることを意味しています。

「待ちわびる」を漢字にすると、「待ち侘びる」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「待ちわびる」を使うようにしましょう。

「今か今かと待ちわびる」「クリスマスを待ちわびる」などが、「待ちわびる」を使った一般的な言い回しになります。

「待ちわびる」を使った分かりやすい例としては、「息子の帰りをいまかいまかと待ちわびる」「夏が訪れるのを待ちわびる」「チームが勝利する瞬間を待ちわびる」「年老いた母が娘の実家帰りを待ちわびる」「彼氏が帰国するのを待ちわびる」などがあります。

「待ちわびる」は気をもみながら待ち続けて心が疲れることの意味で使われている動詞です。

「待ちわびる」は気をもみながら待ち続けて心が疲れる場合に使います。そのため、プラスのイメージではあるものの、プラスの度合いはやや低い言葉となっています。

「待ちわびる」は日常生活とビジネスシーンのどちらでも使うことができる言葉です。

「待ちわびる」の類語・類義語としては、待っていてもなかなか来ず早く来るようにと願っていることを意味する「待ち遠しい」、欲するものを熱心に待ち設けることを意味する「舌なめずり」などがあります。

「待ち望む」の意味

「待ち望む」とは、今か今かと心待ちにすることを意味しています。

「待ち望んでいる」「待ち望んでいた」などが、「待ち望む」を使った一般的な言い回しになります。

「待ち望む」を使った分かりやすい例としては、「メジャーリーグへの昇格を待ち望む」「娘の回復を待ち望む」「もう一度彼と一緒に仕事をすることを待ち望む」「あなたと再会できる日を待ち望んでおります」「お年玉を待ち望む子供は多いです」などがあります。

「待ち望む」は今か今かと心待ちにすることを意味する動詞です。基本的に現することを期待して待つ場合に使うので、プラスのイメージを伴っています。

また、「待ち望む」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面において使われていると覚えておきましょう。

「待ち望む」は対象が人だけではなく、「実現を待ち望む」のように、抽象的なものに対しても使うことができるというのが特徴です。

「待ち望む」の類語・類義語としては、今か今かと一心に待つことを意味する「待ち焦がれる」、あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けることを意味する「期待」、物事の実現や出現を待ち望むことを意味する「待望」などがあります。

「待ちわびる」の例文

1.夫が長期出張で海外へ行っているので、帰国を待ちわびる。
2.愛犬が家の玄関の前で祖父の帰りを待ちわびる姿は、ハチ公に似ているものを感じます。
3.最終節で優勝のチャンスが残されているので、応援しているチームの初優勝を待ちわびる。
4.私は北国に住んでいるので、春が訪れるのを待ちわびる。
5.私たちは今回の敗北をリベンジする日を待ちわびています。

この言葉がよく使われる場面としては、気をもみながら待ち続けて心が疲れることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「待ちわびる」はプラスのイメージを伴っている言葉です。

「待ち望む」の例文

1.最近同僚と仲良くなっている気がするので、クリスマスデートのお誘いを待ち望む。
2.今シーズンは、優勝を待ち望むファンに応えるよう頑張ります。
3.新しい政党が躍進中なので、若者向けの政策が実現することを待ち望む。
4.私たちは被爆国として、世界から戦争がなくなるなように平和を待ち望む。
5.祖母が入院してしまったが、回復することを心から待ち望んでいます。

この言葉がよく使われる場面としては、今か今かと心待ちにすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「待ち望む」はプラスのイメージを伴っている言葉です。

「待ちわびる」と「待ち望む」はどちらもその時や事態が来ることを非常に期待して時を過ごすことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「待ちわびる」よりも「待ち望む」の方がプラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

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