似た意味を持つ「垣根」(読み方:かきね)と「生垣」(読み方:いけがき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「垣根」と「生垣」という言葉は、どちらも「敷地を区切るための囲い」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
垣根と生垣の違い
垣根と生垣の意味の違い
垣根と生垣の違いを分かりやすく言うと、垣根とは材質に関わらず敷地を仕切る囲い全般を表し、生垣とは樹木を用いた敷地を仕切る囲いという違いです。
垣根と生垣の使い方の違い
一つ目の垣根を使った分かりやすい例としては、「フェンスから竹を編んだ垣根に変えました」「植物で垣根を作りたい」「健常者と障害者の垣根をなくす」「さまざまな垣根を越えた多様性を大切にする」などがあります。
二つ目の生垣を使った分かりやすい例としては、「生垣におすすめの樹種は何ですか」「生垣は植物なのでお手入れが必要です」「毎年3月頃に生垣の剪定を行っています」「緑化助成金が交付される生垣の定義を確認する」などがあります。
垣根と生垣の使い分け方
垣根と生垣という言葉は、どちらも敷地を限るために設置した囲いや仕切りを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
垣根とは、家や庭などの敷地を区切るために設ける囲いや仕切りを意味します。竹や植木などで作るものがほとんどですが、金網や石材などで作られることもあります。また、垣根という言葉は「垣根を越える」の使い方で、物事の隔たりや心理的な距離感を表します。
生垣とは、樹木を並べ植えて作る垣根を意味します。外から家の中が見られないように植えられた植栽や樹木のことで、コンクリートの人工的な塀とは異なり、自然な佇まいがあります。近年では、生垣を緑化助成金の対象とする自治体が増えています。
つまり、垣根と生垣の違いは材質にあります。垣根は樹木だけでなく石材や金網など多種多様なもので作られたものですが、生垣は樹木で敷地を仕切ったものを意味します。
垣根と生垣の英語表記の違い
垣根も生垣も英語にすると「fence」「hedge」となり、例えば上記の「竹を編んだ垣根」を英語にすると「a bamboo fence」となります。
垣根の意味
垣根とは
垣根とは、敷地を限るために設ける囲いや仕切りを意味しています。
その他にも、「垣の根元」「間を隔てるもの」の意味も持っています。
表現方法は「垣根を超える」「垣根がない」「垣根をなくす」
「垣根を超える」「垣根がない」「垣根をなくす」などが、垣根を使った一般的な言い回しです。
垣根の使い方
「自慢の垣根の画像をインスタにアップする」「垣根の木の種類はたくさんあります」「垣根結びでしっかりと固定する」「家の目隠しにフェンスか垣根を設置したい」などの文中で使われている垣根は、「敷地を限るための囲いや仕切り」の意味で使われています。
一方、「垣根に雑草が生えている」「垣根にゴミが捨てられている」などの文中で使われている垣根は「垣の根元」の意味で、「部署の垣根を越えて事業を達成する」「学年の垣根を越える学びの楽しさを実感して欲しい」などの文中で使われている垣根は「間を隔てるもの」の意味で使われています。
垣根とは、敷地や庭などの区画として設ける囲いを意味します。竹で編んだものや木を植えたものなどが一般的ですが、金網を利用した金網垣もあります。また、垣の根元も意味し、垣と地面の接するあたりを意味する言葉です。
垣根は比喩的用法でも使える
また、垣根という言葉は、比喩的用法で「間を隔てるもの」の意味で用いられています。人と人との間に心理的な隔たりがあること、理解し合えない様子などを「心の垣根」と表現します。
垣根の類語
垣根の類語・類義語としては、木を立て並べてつくった小規模の防壁を意味する「柵」、石を積み上げてつくった垣を意味する「石垣」、神社などの周囲に設けた垣根を意味する「瑞垣」、グラウンドを囲む仕切り塀を意味する「フェンス」などがあります。
生垣の意味
生垣とは
生垣とは、丈の低い樹木を植え並べてつくった垣根を意味しています。
生垣の読み方
生垣の読み方は「いけがき」です。誤って「なまがき」「せいえん」などと読まないようにしましょう。
生垣の漢字表記
生垣は「生け垣」「生け籬」とも書きますが、一般的には「生垣」と表記されています。
表現方法は「生垣を切る」「生垣を作る」「生垣の木」
「生垣を切る」「生垣を作る」「生垣の木」などが、生垣を使った一般的な言い回しです。
生垣の使い方
生垣を使った分かりやすい例としては、「外から室内を目隠しするために生垣を設置する」「生垣に適した木はどれですか」「最新の生垣バリカンを購入しました」「生垣に向いている木の種類を教えてください」などがあります。
その他にも、「自宅の生垣をおしゃれにしたいです」「生垣としてマサキを育てています」「英語の先生のお宅には生垣があります」「生垣の剪定時期はいつ頃がよいでしょうか」「生垣に緑化助成金は適用されますか」などがあります。
生垣の「生」は生きることや草木がはえることを表し、「垣」は区画を限るための囲いや仕切りを表す漢字です。生垣とは、庭木などの低木類を植えてつくった垣根を意味し、多くは常緑樹の低木を並べたり、樹木を列植して刈り込んで形を整えたものです。
「総刈生垣」「玉刈生垣」「波状生垣」の意味
生垣を用いた日本語には「総刈生垣」「玉刈生垣」「波状生垣」があります。これらは生垣の仕立て方による呼び名で、総刈生垣とは全体を一様に刈り込み連続的に仕立てたもの、玉刈生垣は植物それぞれを丸く刈り込んで仕立てたもの、この二つの中間形を「波状生垣」と言います。
生垣の類語
生垣の類語・類義語としては、家や庭の区画を限るための囲いや仕切りを意味する「垣」、目隠しのため家や敷地の境界に建てた板などの障壁を意味する「塀」、竹を組んだり編んだりして作った垣を意味する「竹垣」、柴を編んでつくった垣を意味する「柴垣」などがあります。
垣根の例文
この言葉がよく使われる場面としては、屋敷や庭などの区画として設ける囲い、垣の根元、間を隔てるものを表現したい時などが挙げられます。
例文4や例文5にある「垣根を越える」とは、物事の間の隔たりや境界などを取り払うことや克服することを意味します。「垣根を超える」と書くことは誤字になるので注意しましょう。
生垣の例文
この言葉がよく使われる場面としては、庭木などの低木類を植えてつくった垣根を表現したい時などが挙げられます。
例文1に関して、生垣は他の垣根や塀に比べると、物理的な強さが劣り維持管理に手間がかかるものです。そのため、手入れが容易で病虫害に強い常緑樹が選ばれることが多くあります。
垣根と生垣という言葉は、どちらも「敷地を仕切る囲い」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、材質に関わらず敷地を仕切る囲い全般を表現したい時は「垣根」を、樹木を用いた敷地を仕切る囲いを表現したい時は「生垣」を使うようにしましょう。