似た意味を持つ「発想力」(読み方:はっそうりょく)と「想像力」(読み方:そうぞうりょく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「発想力」と「想像力」という言葉は、どちらも「考える力」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
発想力と想像力の違い
発想力と想像力の意味の違い
発想力と想像力の違いを分かりやすく言うと、発想力とはアイデアを生み出す力、想像力とはイメージする力という違いです。
発想力と想像力の使い方の違い
一つ目の発想力を使った分かりやすい例としては、「新規ビジネスの企画には発想力が必要です」「子どもの発想力には敵わないと思う」「発想力を鍛えるトレーニング方法を試してみる」「発想力豊かに育って欲しい」などがあります。
二つ目の想像力を使った分かりやすい例としては、「想像力を高める方法はありますか」「仕事における想像力の必要性を説く」「想像力の欠如がはなはだしい」「想像力のスイッチを入れよう」「あの子は想像力が足りないようだ」などがあります。
発想力と想像力の使い分け方
発想力と想像力という言葉は、どちらも意識して考える力や思い浮かべる能力を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
発想力とは、物事を考え出す力や、これまでになかった方法を考えつく能力を意味する言葉です。アイデアを生み出す力であり、固定観念にとらわれずに独創的な考えや手だてを思いつくことを表します。
想像力とは、目には見えないものを思い浮かべる力や、実際には経験していない事柄などを推し量る能力を意味します。自分の持っている知識から物事をイメージする力のことであり、頭の中で物事の展開や結末を思い描くことです。
つまり、発想力とはアイデアを生み出す能力であることに対して、想像力とは物事の展開などをイメージする能力を表す言葉なのです。
発想力と想像力の英語表記の違い
発想力も想像力も英語にすると「creativity」「imagination」「innovation」となり、例えば上記の「発想力が必要です」を英語にすると「require imagination」となります。
発想力の意味
発想力とは
発想力とは、物事を考え出す力、新しい考えを思いつく能力を意味しています。
表現方法は「発想力を鍛える」「発想力がある」「発想力が豊か」
「発想力を鍛える」「発想力がある」「発想力が豊か」などが、発想力を使った一般的な言い回しです。
発想力の使い方
発想力を使った分かりやすい例としては、「発想力がある人はピンチに強い」「英語の先生の発想力に驚いた」「雑誌に載っていた発想力テストをやってみた」「発想力が豊かな人はユーモアのセンスがあります」などがあります。
その他にも、「私の発想力を活かせる仕事に就きたい」「発想力があることを自己PRで訴えました」「発想力を鍛える方法を教えましょう」「発想力を鍛えるゲームがあります」「今から発想力クイズを出します」などがあります。
発想力の「発想」とは、物事を考え出すことや新しい考えや思いつきを得ることです。物事を成し遂げる働きを表す「力」と組み合わさり、発想力とは、何かを思いつき、新しいものを生み出す力を意味します。つまり、模倣ではない、独自のアイデアを考え出す時に必要な力だと言えます。
発想力は、日常生活だけでなくビジネスシーンにおいても役立つ能力です。クリエイティブな仕事に必要なだけでなく、新しいビジネスモデルやサービスの企画、問題解決や業務改善の提案などでは固定観念にとらわれないアイデアが有用になります。
発想力の類語
発想力の類語・類義語としては、思いつきや新奇な工夫を意味する「アイデア」、考えや思いが瞬間的に思い浮かぶことを意味する「ひらめく」、案を考え出すことを意味する「発案」、 ある考えがふと心に浮かぶことを意味する「思いつく」などがあります。
想像力の意味
想像力とは
想像力とは、想像する能力や心の働きを意味しています。
その他にも「カント哲学で、感性と悟性という二つの異質な能力を媒介する能力、構想力」の意味も持っています。
表現方法は「想像力がある」「想像力が豊か」「想像力を掻き立てる」
「想像力がある」「想像力が豊か」「想像力を掻き立てる」などが、想像力を使った一般的な言い回しです。
想像力の使い方
「SF小説は想像力を搔き立てる」「遊びながら想像力を働かせる」「想像力を鍛える方法を教えてください」「英語のテストは想像力で切り抜けました」「想像力がない人は段取りが悪い」などの文中で使われている想像力は、「想像する能力や心の働き」の意味で使われています。
一方、「想像力は共有世界の感覚認識に由来する」「想像力は感性と悟性を媒介するものです」「カントの想像力論を読み解く」などの文中で使われている想像力は、「感性と悟性という二つの異質な能力を媒介する能力」の意味で使われています。
想像力の「想像」は、実際には経験していない事柄などを推し量ること、現実には存在しない事柄を心の中に思い描くことを意味します。想像力とは、目には見えないものを思い浮かべる能力のことです。また、カント哲学では構想力とも言い、感性と悟性を媒介する能力と定義されている言葉です。
「想像力を働かせる」の意味
上記の例文にある「想像力を働かせる」とは、経験していないことや目の前にないことを頭の中に思い描く力を、発揮させることです。ビジネスの世界でも想像力を働かせることは重要であり、一歩先のことをイメージすることにより、トラブルに対処でき着実に業務を遂行することが可能になります。
想像力の対義語
想像力の対義語・反対語としては、目的のために積極的に行動する力を意味する「行動力」などがあります。
想像力の類語
想像力の類語・類義語としては、想像や想像力を意味する「イマジネーション」、現実にはあり得ないような事柄を想像することを意味する「空想」、夢のようにあてもないことを想像することを意味する「夢想」などがあります。
発想力の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かを思いつき、新しいものを生み出す力を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、発想力とは、これまでになかった方法や考えをひらめく能力のことであり、プラスイメージを伴う言葉です。
想像力の例文
この言葉がよく使われる場面としては、目には見えないものを思い浮かべる能力を表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「想像力」と「創造力」はどちらも「そうぞうりょく」と読みますが、意味は異なる同音異義語です。想像力は自分の持ってる知識から思い描くことを表しますが、創造力は現存しないものを作り出すことや、考えたことを具現化することを意味します。
発想力と想像力という言葉は、どちらも「考える能力」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、アイデアを生み出す力を表現したい時は「発想力」を、物事の展開などをイメージする力を表現したい時は「想像力」を使うようにしましょう。