似た意味を持つ「クオリティ」と「クオリティー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「クオリティ」と「クオリティー」という言葉は、「物事の質」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
クオリティとクオリティーの違い
クオリティとクオリティーの意味の違い
クオリティとクオリティーの違いを分かりやすく言うと、クオリティはより一般的に使われ、クオリティーは放送用語としてメディアで使われるという違いです。
クオリティとクオリティーの使い方の違い
一つ目のクオリティを使った分かりやすい例としては、「クオリティを維持するには毎日少しでも取り組む時間を確保するしかない」「これが自社クオリティと上司が自慢げに新商品のテスターを見せてくれた」などがあります。
二つ目のクオリティーを使った分かりやすい例としては、「今後クオリティーが重要視されるためダブルチェックを行うことになった」「自分で使うものであればクオリティーなんか気にしない」「料理のクオリティーは見た目より味だと思っている」などがあります。
クオリティとクオリティーの使い分け方
クオリティとクオリティーはどちらも、英語の「quality」をカタカナ語として使っており、「品質」「特質」「特性」を表す言葉です。同じように使われ、意味や使い方に違いはありませんが、クオリティーは新聞やテレビなどで用いられるという違いがあります。
インターネット上ではクオリティという表記が用いられることが多く、検索エンジンにおけるヒット数はクオリティーの約8倍ものヒット数となり、大きく差をつけています。
つまり、クオリティは慣用的に用いられ、クオリティーは新聞などのメディアにて用いられるという違いがありますが、どちらを使っても間違いではありません。
また、クオリティはメディアで使われる場合もあり、その場合は発音が異なり末尾の「ティ」を「ティー」と伸ばすことはできないというルールがありますが、日常生活において使う場合にはどちらを用いても問題はありません。
クオリティとクオリティーの英語表記の違い
クオリティとクオリティーを英語にすると「quality」となり、例えば上記の「クオリティを維持する」を英語にすると「maintain the quality」となります。
クオリティの意味
クオリティとは
クオリティとは、品質や質の良いことを意味しています。
表現方法は「クオリティの高い人」「クオリティがすごい」
「クオリティの高い人」「クオリティがすごい」などが、クオリティを使った一般的な言い回しです。
クオリティの使い方
クオリティを使った分かりやすい例としては、「仕事のクオリティを落とさずにスピードを上げていきたいものだ」「クオリティを高めるために何をすればいいのか分析をする」「ブラッシュアップをしてよりクオリティの高いものを納品したい」などがあります。
その他にも、「木曜洋画劇場の予告はテレ東クオリティを代表するものとして評価されていた」「初めてiPhoneを手にした時はこれがappleクオリティかと感動したものだ」「企業名にクオリティを付けると批判的に思われることもある」などがあります。
クオリティは英語で「quality」と表記され、「資質」「特色」「上質の」といった意味を持つ言葉で、日本語でも同じように使われています。
「クオリティ・オブ・ライフ」の意味
上記例文の「クオリティ・オブ・ライフ」とは、生活の質や人生の質を意味し、「QOL」と省略して使われることもあります。本来は身体的、精神的、社会的に満足のいく状態と定義されていましたが、日本では文化的を加えた四つに満足できる生活と定義しています。
「テレ東クオリティ」の意味
また、上記例文の「テレ東クオリティ」などのように、固有名詞を伴って用いられる場合もありますが、2004年頃に話題となった東急グループのキャッチコピーである「それが、東急クオリティ。」が由来のネットスラングです。
クオリティの対義語
クオリティの対義語・反対語としては、重量や大小などの程度を意味する「量」、物資の多さを意味する「物量」があります。
クオリティの類語
クオリティの類語・類義語としては、品物の性質を意味する「品柄」、質に関する面を意味する「質的」、人や物の性質や状態を意味する「性状」、本来持っている性質を意味する「素質」などがあります。
クオリティーの意味
クオリティーとは
クオリティーとは、性質や質の高いことを意味しています。
クオリティーの使い方
クオリティーを使った分かりやすい例としては、「作業段階によってクオリティーの基準は異なるだろう」「仕事のクオリティーが高いと評判の社員が残業している姿をよく見る」「クオリティーのために自身の健康を犠牲にするべきではない」などがあります。
その他にも、「クオリティー重視も大切だが時間は有限だ」「クオリティーをある程度捨ててもいいのであれば無茶な納期でも間に合うだろう」「細部の描き込みではない別の箇所からクオリティーの高さが伺える」などがあります。
クオリティーは「クオリティ」と表記が異なるのみで、起源や意味などは全く同じです。「クォリティー」といった表記がされる場合もあります。
放送用語では、英単語の末尾に「y」が付いている語は長音符号を付けるのが原則とされるため、「クオリティー」と伸ばして表記および発音されていましたが、長音の有無はルールを定めず、どちらでも問題ないと変更されました。
この変更によって、地名を表す「ジャージー」と運動着を表す「ジャージ」とに区別して使われる例もありますが、「クオリティー」は長音の有無に関係なく、「品質」「質の高いこと」を表す言葉として使われています。
そのため、メディアでもクオリティとクオリティーのどちらの表記も用いられていますが、読み上げられる場合には発音が表記に合わせなければならないというルールが放送用語委員会によって定められています。
クオリティーの対義語
クオリティーの対義語・反対語としては、個数と分量を意味する「数量」、物の大きさや体積を意味する「嵩」(読み方:かさ)があります。
クオリティーの類語
クオリティーの類語・類義語としては、物や人などの質を意味する「物柄」(読み方:ものがら)、物を品質によって分けた等級を意味する「品等」、そのもの特有の性質を意味する「特性」などがあります。
クオリティの例文
この言葉がよく使われる場面としては、品質や質の良いことを意味する時などが挙げられます。
例文5の「クオリティペーパー」とは、信頼のおける質の高い新聞や、エリート層に読まれるような新聞を表す言葉です。
クオリティーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、性質や質の高いことを意味する時などが挙げられます。
例文1の「ハイクオリティー」とは、質が高いことや、その物事の中身が吟味されているものを意味する言葉です。
クオリティとクオリティーは、どちらも「物事の質」を表します。どちらを使うか迷った場合は、より一般的に使われている表現は「クオリティ」、放送用語としてメディアで使われている表現は「クオリティー」であると覚えておけば間違いありません。