似た意味を持つ「小説家」(読み方:しょうせつか)と「作家」(読み方:さっか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「小説家」と「作家」という言葉は、どちらも「小説を書く人」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
小説家と作家の違い
小説家と作家の意味の違い
小説家と作家の違いを分かりやすく言うと、小説家とは小説を書く人のみを表し、作家とは小説を書く人だけでなく芸術作品を作る人も表すという違いです。
小説家と作家の使い方の違い
一つ目の小説家を使った分かりやすい例としては、「私の叔父は有名な小説家です」「ゆくゆくは小説家になろうと思います」「英語教師を辞めて小説家になります」「小説家とイラストレーターを兼業しています」などがあります。
二つ目の作家を使った分かりやすい例としては、「女流作家の美の世界に浸る」「有名作家の訃報をニュースで聞く」「自分と同じ誕生日の作家を探す」「ハンドメイド作家になろうと決心した」「叔母は日本を代表する人形作家です」などがあります。
小説家と作家の使い分け方
小説家と作家という言葉は、どちらも職業として小説を書いている人を意味します。そのため、上記例文にある「小説家」は、「作家」という言葉に置き換えることができます。
ただし、作家という言葉は、小説だけでなく詩歌や陶芸など芸術作品全般を作る人たちのことを意味します。そのため、「ハンドメイド作家になろう」「日本を代表する人形作家」の「作家」は、「小説家」に置き換えることはできません。
つまり、小説家よりも作家の方が幅広いの意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えます。二つの言葉はとても似ていますが、意味が異なるので区別して使い分けるようにしましょう。
小説家と作家の英語表記の違い
小説家を英語にすると「novelist」「story writer」「fiction writer」となり、例えば上記の「有名な小説家」を英語にすると「a famous novelist」となります。
一方、作家を英語にすると「writer」「author」「artist」となり、例えば上記の「女流作家」を英語にすると「a woman writer」となります。
小説家の意味
小説家とは
小説家とは、小説を書くことを職業としている人を意味しています。
その他にも「中国古代の諸子百家の一つ、小さな巷説 (こうせつ) を拾い集め、伝えたもの」の意味も持っています。
小説家の使い方
「有名な小説家のサインを大事にしています」「小説家になるにはどうしたらよいですか」「小説家や記者は秘密が多いらしい」「会社を辞めて小説家になろうと思います」などの文中で使われている小説家は、「小説を書くことを職業としている人」の意味で使われています。
一方、「小説家の思想に共感します」「古代中国の小説家を読み解く」などの文中で使われている小説家は、「中国古代の諸子百家の一つ、巷説を拾い集めたもの」の意味で使われています。
小説家とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「小説を書くことを職業としている人」の意味で用いられています。「中国古代の諸子百家の一つ、巷説を拾い集めたもの」の意味で用いられることはほとんどありません。
小説家になるには、特別な試験や資格はありません。文学新人賞をきっかけに小説家デビューをすることが王道とされていますが、出版社への持ち込みや自費出版などでデビューする場合もあります。また、ネット上の小説投稿サイト「小説家になろう」などで自作小説を公開するケースも増えています。
小説家の対義語
小説家の対義語・反対語としては、新聞・雑誌・書物などを購読する人を意味する「読者」などがあります。
小説家の類語
小説家の類語・類義語としては、文筆を職業とする人を意味する「文士」、文学作品を作る人や詩人などを意味する「文学者」、文筆の大家や大作家を意味する「文豪」、エッセーを書く人や随筆家を意味する「エッセイスト」などがあります。
作家の意味
作家とは
作家とは、芸術作品の制作をする人、また、それを職業とする人、特に小説家を意味しています。
作家の使い方
作家を使った分かりやすい例としては、「本気で作家になりたいと考えています」「有名ミステリー作家が不慮の事故で死亡した」「直木賞作家の伊集院静の本が大好きです」「作家の平均年収はいくらぐらいですか」などがあります。
その他にも、「有名作家のカメオブローチを手に入れました」「当社では作家のためのレジンを開発中です」「日本の劇作家一覧を作成しています」「日本人作家の英語絵本を探しています」「作家の仕事部屋に興味があります」などがあります。
作家とは、詩歌や小説あるいは絵画などの芸術作品の制作者を意味しますが、多くは小説家の意味で用いられる言葉です。小説家以外に用いられる例としては、「映像作家」「音楽作家」「アニメーション作家」「ぬいぐるみ作家」「ハンドメイド作家」などがあります。
「覆面作家」の意味
作家を用いた日本語には「覆面作家」(読み方:ふくめんさっか)があります。覆面作家とは、素性を明らかにしない作家を意味します。私生活に支障が出ないよう本名や経歴を公表しなかったり、著名な作家が別のペンネームで作品を発表する場合などがあります。
作家の対義語
作家の対義語・反対語としては、文章を読む人を意味する「読み手」などがあります。
作家の類語
作家の類語・類義語としては、文筆を職業とする人や文章家を意味する「文士」、文芸的な著作を専門の仕事とする人を意味する「文芸家」、随筆を書くことを職業にしている人を意味する「随筆家」、創造的な仕事をしている人を意味する「クリエイター」などがあります。
小説家の例文
この言葉がよく使われる場面としては、小説を創作することを業とする人を表現したい時などが挙げられます。
例文1に関して、小説家の年収は150万円~300万円くらいと言われていますが、年収数億円という人気作家もいて、個人によって大きな開きがあります。
作家の例文
この言葉がよく使われる場面としては、詩文や書画などの作者を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「ハンドメイド作家」とは、手作りの小物やアクセサリーを制作し、その作品を販売する人を言います。
小説家と作家という言葉は、どちらも「小説を書く人」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、小説を書く人のみを表現したい時は「小説家」を、小説を書く人だけでなく芸術作品をつくる人も表現したい時は「作家」を使うようにしましょう。