似た意味を持つ「ありがたいお言葉」(読み方:ありがたいおことば)と「身に余るお言葉」(読み方:みにあまるおことば)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ありがたいお言葉」と「身に余るお言葉」という言葉は、どちらも相手の言葉に感謝する気持ちを伝えることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ありがたいお言葉」と「身に余るお言葉」の違い
「ありがたいお言葉」と「身に余るお言葉」の意味の違い
「ありがたいお言葉」と「身に余るお言葉」の違いを分かりやすく言うと、「ありがたいお言葉」は謙遜の意味は含まれていない、「身に余るお言葉」は謙遜の意味も含まれているという違いです。
「ありがたいお言葉」と「身に余るお言葉」の使い方の違い
一つ目の「ありがたいお言葉」を使った分かりやすい例としては、「社長からのありがたいお言葉感謝申し上げます」「お客様からのクレームも今後に向けてのありがたいお言葉だと認識しています」「ありがたいお言葉に感銘を受けました」などがあります。
二つ目の「身に余るお言葉」を使った分かりやすい例としては、「身に余るお言葉をいただき恐縮でございます」「身に余るお言葉をいただき大変嬉しく存じます」「身に余るお言葉をいただき光栄でございます」などがあります。
「ありがたいお言葉」と「身に余るお言葉」の使い分け方
「ありがたいお言葉」と「身に余るお言葉」はどちらも相手の言葉に感謝する気持ちを伝えることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ありがたいお言葉」はただ単純に感謝の言葉を述べているので、謙遜の意味は含まれていません。一方、「身に余るお言葉」は自分には不相応であると謙遜しながら感謝する言葉なので、謙遜の意味が含まれているという違いです。
ただし、どちらも意味は同じ言葉なので、「ありがたいお言葉」に謙遜語の表現を付け食われば、「身に余るお言葉」に言い換えることができると覚えておきましょう。
「ありがたいお言葉」と「身に余るお言葉」の英語表記の違い
「ありがたいお言葉」も「身に余るお言葉」も日本語特有の表現なので直訳した英語はありませんが、近い表現として「undeserved compliment」「The honor is more than I deserve」などがあります。
「ありがたいお言葉」の意味
「ありがたいお言葉」とは
「ありがたいお言葉」とは、相手の言葉に感謝する気持ちを伝えることを意味しています。
表現方法は「ありがたいお言葉をいただきありがとうございます」「ありがたいお言葉痛み入ります」
「ありがたいお言葉をいただきありがとうございます」「ありがたいお言葉痛み入ります」などが、「ありがたいお言葉」を使った一般的な言い回しになります。
「ありがたいお言葉」の使い方
「ありがたいお言葉」を使った分かりやすい例としては、「ありがたいお言葉をいただきまして大変感謝しております」「ありがたいお言葉に感謝の気持ちでいっぱいでございます」「ありがたいお言葉をいただきとても励みになっております」などがあります。
「ありがたいお言葉」は人の好意などに感謝することを意味する「ありがたい」に、接頭語の「お」、人が声に出して言ったり文字に書いて表したりする意味のある表現のことを意味する「言葉」が合わさり、相手の言葉に感謝する気持ちを伝えることの意味で使われている言葉です。
「ありがたいお言葉」は目上の人に使える
「ありがたいお言葉」はビジネスシーンにおいて、相手からお褒めの言葉をいただいた時やお礼の言葉を伝える際に使うのが一般的になります。また、とても丁寧な表現なので、目上の人に対しても使うことができると覚えておきましょう。
ただし、「ありがたいお言葉」自体には謙遜の表現が含まれていないので、目上の人に使う場合には前後に敬語表現を入れる必要があります。
「ありがたいお言葉」の類語
「ありがたいお言葉」の類語・類義語としては、我が身にはありがたくもったいないことを意味する「恐れ多い」、身に受けた恩恵などに対して感謝の念でいっぱいであることを意味する「かたじけない」などがあります。
「身に余るお言葉」の意味
「身に余るお言葉」とは
「身に余るお言葉」とは、自分には不相応であると謙遜することを意味しています。
表現方法は「身に余るお言葉をいただきありがとうございます」「身に余るお言葉恐れ入ります」
「身に余るお言葉をいただきありがとうございます」「身に余るお言葉恐れ入ります」などが、「身に余るお言葉」を使った一般的な言い回しになります。
「身に余るお言葉」の使い方
「身に余るお言葉」を使った分かりやすい例としては、「身に余るお言葉をいただき感謝申し上げます」「ありがとうございます、私にとっては身に余るお言葉です」「身に余るお言葉をいただき恐悦至極に存じます」などがあります。
「身に余るお言葉」は、身に過ぎることを意味する「身に余る」に、頭語の「お」、人が声に出して言ったり文字に書いて表したりする意味のある表現のことを意味する「言葉」が合わさり、自分には不相応であると謙遜することの意味で使われている言葉です。
「身に余るお言葉」はビジネスシーンにおいて目上の人から褒められた際の返事として使うのが一般的になります。例えば、目上の人から自分の立場や実績以上に評価された際に、謙遜の意味を込めて使うと覚えておきましょう。
また、「身に余るお言葉ありがとうございます」「身に余るお言葉感謝申し上げます」「身に余る言葉恐縮です」などのように、感謝や謙遜の言葉とセットで使うのが一般的です。
「身に余るお言葉」の由来
「身に余るお言葉」の由来は江戸時代の身分制度です。江戸時では士農工商という制度があり、自分の身分がはっきりと決められていました。士農工商は基本的に支配階級である士と被支配階級である農、工、商を区別していたと言われています。
江戸時代では身分制度があっため、身分が高い者が身分が低い者を見下すのは当たり前のように行われていました。そのため、身分が低い者が身分が高い者に褒められることはほとんどなかったのです。
しかし、時には何らかの事情で身分が低い者が身分が高い者に褒められる場面もありました。この時に身分が低い者は「身分に余るお言葉をいただきありがとうございます」などと言ったそうです。
この「身分に余るお言葉」というのが転じて、「身に余るお言葉」になったと言われています。
「身に余るお言葉」の類語
「身に余るお言葉」の類語・類義語としては、身に過ぎて恐れ多い言葉のことを意味する「もったいないお言葉」、功績などを褒めたたえる言葉のことを意味する「お褒めの言葉」などがあります。
「ありがたいお言葉」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の言葉に感謝する気持ちを伝えることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ありがたいお言葉」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。
「身に余るお言葉」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分には不相応であると謙遜することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「身に余るお言葉」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。
「ありがたいお言葉」と「身に余るお言葉」はどちらもを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、謙遜の意味は含まれていないのが「ありがたいお言葉」、謙遜の意味も含まれているのが「身に余るお言葉」と覚えておきましょう。