似た意味を持つ「お知りおきください」(読み方:おしりおきください)と「お見知りおきください」(読み方:おみしりおきください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お知りおきください」と「お見知りおきください」という言葉は、どちらも覚えておいてほしいことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「お知りおきください」と「お見知りおきください」の違い
「お知りおきください」と「お見知りおきください」の意味の違い
「お知りおきください」と「お見知りおきください」の違いを分かりやすく言うと、「お知りおきください」は知って覚えてほしいこと、「お見知りおきください」は見て覚えてほしいことという違いです。
「お知りおきください」と「お見知りおきください」の使い方の違い
一つ目の「お知りおきください」を使った分かりやすい例としては、「日曜日と祝日は電話に出られないことをお知りおきください」「メンテンス中は利用不可であることをお知りおきください」「今後ご連絡させていただくこともあるかもしれないのでお知りおきください」などがあります。
二つ目の「お見知りおきください」を使った分かりやすい例としては、「営業部の大谷と申します以後お見知りおきください」「4月に異動してきた前田と申します以後お見知りおきください」「こちらが後任の藤浪ですお見知りおきください」などがあります。
「お知りおきください」と「お見知りおきください」の使い分け方
「お知りおきください」と「お見知りおきください」はどちらも覚えておいてほしいことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「お知りおきください」は知って覚えてほしいことを意味しており、上記の「メンテンス中は利用不可であることをお知りおきください」のように、ある物事について知っておいてほしい場合に使う言葉になります。
一方、「お見知りおきください」は見て覚えてほしいことを意味しており、上記の「営業部の大谷と申します以後お見知りおきください」のように自己紹介をする場合や、人を紹介する場合に使うことが多い言葉です。
そのため、「お見知りおきください」は見て覚えてくださいというニュアンスで使うので、初対面の人に対してよく使われています。
つまり、知って覚えてほしいと時は「お知りおきください」を使い、見て覚えてほしい時には「お見知りおきください」を使うと覚えておきましょう。
「お知りおきください」と「お見知りおきください」の英語表記の違い
「お知りおきください」も「お見知りおきください」も英語にすると「Keep it in mind」「Please note that」「Please be advised」となります。
「お知りおきください」の意味
「お知りおきください」とは
「お知りおきください」とは、知って覚えてほしいことを意味しています。
表現方法は「どうかお知りおきください」「何卒お知りおきください」
「どうかお知りおきください」「何卒お知りおきください」などが、「お知りおきください」を使った一般的な言い回しになります。
「お知りおきください」の使い方
「お知りおきください」を使った分かりやすい例としては、「書類の締め切りは今月末までとなりますのでお知りおきください」「深夜1時から4時まではご利用不可能ですのでお知りおきください」「説明書が付属されていますのでお知りおきください」などがあります。
「お知りおきください」は知って覚えておくことを意味する「知り置く」に、接頭語の「お」と相手に何かを要望や懇願することを意味する「ください」が合わさり、知って覚えてほしいことの意味で使われている言葉です。
「お知りおきください」は、ビジネスシーンにおいて相手に事前に知っておいてほしいことやこれからも知っておいてほしいことを伝える場合に使います。
「お知りおきください」は目上の人に使うのはあまり適していない
ただし、「お知りおきください」は丁寧な表現ではあるものの、位の離れた上司や社外の人に対して使うのはあまり適していません。なぜなら、知って覚えてほしいという命令形のニュアンスが伴っているので、上から目線と感じる人もいるからです。
したがって、「お知りおきください」は目上の人に使わない方が無難と覚えておきましょう。
「お知りおきください」の類語
「お知りおきください」の類語・類義語としては、心に留めておいてくださいということを意味する「お含みおきください」、予め理解してくださいとお願いすることを意味する「ご承知おきください」などがあります。
「お見知りおきください」の意味
「お見知りおきください」とは
「お見知りおきください」とは、見て覚えてほしいことを意味しています。
表現方法は「以後お見知りおきください」「どうかお見知りおきください」
「以後お見知りおきください」「どうかお見知りおきください」などが、「お見知りおきください」を使った一般的な言い回しになります。
「お見知りおきください」の使い方
「お見知りおきください」を使った分かりやすい例としては、「4月に入社した菊池です、お見知りおきください」「初めまして新庄と申します、どうかお見知りおきください」「お噂はかねがねうかがっております、どうかお見知りおきください」などがあります。
「お見知りおきください」は、見て覚えておくことを意味する「見知り置く」に、接頭語の「お」と相手に何かを要望や懇願することを意味する「ください」が合わさり、見て覚えてほしいことの意味で使われている言葉です。
「お見知りおきください」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉で、初対面の人に対して自己紹介をする場合や、第三者に人を紹介する場合に使うのが一般的になっています。
「お見知りおきください」の注意点
「お見知りおきください」を使う上で注意しなければならないのは、丁寧な表現ではあるものの、受けて側が上から目線と感じる場合があるという点です。そのため、初対面の目上の人に対して使うのはあまり適していません。
もし、目上の人に対して使いたいのであれば、「よろしくお願いいたします」などを使うのが無難です。
また、第三者に紹介する場合にも、目上の人を紹介する場合は「お見知りおきください」を使うのは適していません。そのため、同僚や部下を紹介する場合に使う言葉と覚えておきましょう。
「お見知りおきください」の類語
「お見知りおきください」の類語・類義語としては、納得することをお願いすることを意味する「ご了承願います」、会えて嬉しいことを意味する「お会いできて光栄です」などがあります。
「お知りおきください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、知って覚えてほしいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お知りおきください」はビジネスシーンでも使うことができる言葉です。
「お見知りおきください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、見て覚えてほしいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お見知りおきください」はビジネスシーンでも使うことができる言葉です。
「お知りおきください」と「お見知りおきください」はどちらも覚えておいてほしいことを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、知って覚えてほしいことを表現したい時は「お知りおきください」、見て覚えてほしいことを表現したい時は「お見知りおきください」を使うと覚えておきましょう。