【ロードマップ】と【マイルストーン】と【スケジュール】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ロードマップ」と「マイルストーン」と「スケジュール」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ロードマップ」と「マイルストーン」と「スケジュール」という言葉は、作業の行程表に関する用語という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




ロードマップとマイルストーンとスケジュールの違い

ロードマップとマイルストーンとスケジュールの意味の違い

ロードマップとマイルストーンとスケジュールの違いを分かりやすく言うと、ロードマップは目標達成のための行程を表現する時に使い、マイルストーンは中間目標を表現する時に使い、スケジュールは目標を持たない日程を表現する時に使うという違いです。

ロードマップとマイルストーンとスケジュールの使い方の違い

ロードマップという言葉は、「ロードマップが公開されたことでより関心を集めることとなった」「新しいプロジェクトのロードマップが共有された」などの使い方で、目標を達成するための行程表を意味します。

マイルストーンという言葉は、「マイルストーンの設定は負荷が軽減するような気がする」「マイルストーンのおかげでとりあえずここまで頑張ればいいと思える」などの使い方で、スケジュール上で特に重要な節目を意味します。

スケジュールという言葉は、「納品までのスケジュールを確認しておく」「スケジュールが延びたため細部にもう少しこだわる」などの使い方で、予定や日程を意味します。

ロードマップとマイルストーンとスケジュールの使い分け方

ロードマップは大きな目標のための戦略や必要な行程、目標を達成するまでにやらなければならないことなどが書き記されたもので、そこに書かれる中間目標をマイルストーンと言います。

また、ロードマップ内の具体的な行動計画を実行するための予定を示したものをスケジュールと言います。スケジュールはロードマップとは異なり、前者は目標を持たない予定を表し、後者は目標を持つ計画に対して使われる言葉です。

これが、ロードマップ、マイルストーン、スケジュールの明確な違いです。

ロードマップの意味

ロードマップとは

ロードマップとは、ある作業をする時の手順表を意味しています。

アメリカの半導体業界がロードマップを作成し始めた1993年頃から徐々に関心が高まり始め、目標やその目標を達成するための戦略、そしてその戦略に関するスケジュールが作成されるようになり、ロードマップが目標管理ツールとして使われるようになります。

表現方法は「コンテンツロードマップ」「ビジネスロードマップ」「政策ロードマップ」

ロードマップを使った表現として、「コンテンツロードマップ」「ビジネスロードマップ」「政策ロードマップ」「学習教育ロードマップ」などがあります。様々な分野にて、問題点や目的を明確にする際に使われています。

しかし、「科学技術ロードマップ」などのような研究や開発が伴う分野では、試行錯誤を重ねる事でその先で予定されていた研究などに影響を与える場合もあり、予想や仮定は意味がないと考えられることもあるようです。

ロードマップの類語

ロードマップの類語・類義語としては、ある目標に達するまでの過程を意味する「行程」、ある地点に着くまでの距離を意味する「道程」、物事が変化して進行し結果に達するまでの道筋を意味する「過程」などがあります。

マイルストーンの意味

マイルストーンとは

マイルストーンとは、スケジュール上で特に重要な節目を意味しています。また、開発などでプロジェクトの工程が完了した時の成果物も表します。

その他にも、画期的な出来事を表したり、世界的なイベントなどが完成したり成功した場合に比喩として使われることもあります。

マイルストーンの由来

マイルストーンはもともと鉄道や道路などで起点からの距離を表した標識のことで、紀元前120年頃のローマ帝国において、主要な街道に1000歩ごとに設置したことに由来しています。

その1000歩を1ローマ・マイルと呼んでいたことから、設置された標識はマイルストーンと名付けられました。

「IEEEマイルストーン」の意味

マイルストーンを使った言葉として、「IEEEマイルストーン」があります。これは、電気や情報技術など、その関連分野の歴史的な偉業を世間に明らかにして表彰をする活動の一つで、「アイトリプルイーマイルストーン」という読み方がなされます。

日本では1994年に自動車部品メーカーであるデンソーによって開発された「QRコード」が、2020年にIEEEマイルストーンを受賞しました。

表現方法は「マイルストーンを置く」「マイルストーンを敷く」「マイルストーンを設定する」

「マイルストーンを置く」「マイルストーンを敷く」「マイルストーンを設定する」などが、マイルストーンを使った一般的な言い回しです。

マイルストーンの類語

マイルストーンの類語・類義語としては、目印となる石を意味する「標石」(読み方:ひょうせき)、目印として設けられたものを意味する「標識」、物事を判断したり評価したりするための目印となるものを意味する「指標」などがあります。

スケジュールの意味

スケジュールとは

スケジュールとは、予定や日程を意味しています。

表現方法は「スケジュールを引く」「スケジュールを立てる」「スケジュールを押さえる」

「スケジュールを引く」「スケジュールを立てる」「スケジュールを押さえる」などが、スケジュールを使った一般的な言い回しです。

スケジュールを使った言葉として、「ハードスケジュール」「リスケジュール」があります。

「ハードスケジュール」の意味

一つ目の「ハードスケジュール」とは、他の予定が詰まっていて消化が困難な状態を表す言葉です。「過密スケジュール」「タイトスケジュール」「無謀なスケジュール」などとも言い換えられます。

「リスケジュール」の意味

二つ目の「リスケジュール」とは、スケジュールを立て直すことや、日程の再調整をすることを意味する言葉です。

本来は、金融機関などで使われていた言葉で、その場合は借りたお金の返済期限を先に延ばすことを意味する言葉として使われています。

スケジュールの類語

スケジュールの類語・類義語としては、事を行うことを決めた日を意味する「日取り」、乗り物の発着する時刻を記した表を意味する「時刻表」、検討課題や行動計画を意味する「アジェンダ」などがあります。

ロードマップの例文

1.新システム導入に向けたロードマップを検討するための会議が開かれることとなった。
2.消費者に向けて新商品開発のロードマップを公開した時、SNSではその話題で持ち切りとなった。
3.新作ゲームを発売した後のコンテンツロードマップが先んじて発表されたことで、より多くの人が購入を決めたのではないかと感じる。
4.語学を学習するときに、どれぐらい勉強すればどのレベルまで行けるかという大まかなロードマップがあれば、モチベーションのキープにつながると思う。
5.副業で月収10万円を稼ぐまでのロードマップを作っているが、月3万円の仕事を4つほど持てば実現出来るはずだ。
6.政府は低炭素経済のためのロードマップを作ると言っていたが、日本のものづくり産業への打撃にならないか心配している。
7.人気オンラインゲームの最新作が発売されてからすぐに、今後の展開となるコンテンツロードマップも公開された。
8.仕事では契約に沿ったスケジュールが進んでいた一方で、ロードマップの修正を求められた。

この言葉がよく使われる場面としては、ある作業をする時の手順表を意味する時などが挙げられます。

どの例文のロードマップも達成するべき目標が設定された行程表であるため、スケジュールという言葉に置き換えて使うことはできません。

マイルストーンの例文

1.そのプロジェクトにおけるマイルストーンにまでようやく漕ぎつけることができたが、一息つくには早いと喝を入れられた。
2.進捗を管理するためにマイルストーンを設定することで、小さくてもできることの積み重ねが大切なのだと思わせてくれる。
3.今回はマイルストーン払いであるため、報連相を欠かさないようにしなければならない。
4.サッカーのフィールドプレイヤーとして、選手キャリアのマイルストーンをどこに置くかとなると、日本代表の通算出場試合数400試合というのは一つあるかもしれない。
5.自分の人生のマイルストーンがどこだったかなんて、死んだあとでしかわからない。とりわけ現在進行中の人生であれば、人生の大きな転機だったなあと思えることも、現在の立ち位置とか、どの角度から見るかとかで、評価は変わるはずだ。
6.勉強をするときはやみくもにやるのではなく、あらかじめマイルストーンを決めておくことが大事だろう。
7.彼は優秀なのでこういう目標設定をすれば達成できるというマイルストーンを設定することがうまい。
8.組織の掲げる目標がわたしにとっては高すぎるのでマイルストーンまでたどり着くまでに気力を使い果たしてしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、スケジュール上で特に重要な節目を意味する時などが挙げられます。

例文3の「マイルストーン払い」とは、一つのプロジェクトに設定されたマイルストーンまでの作業を終えた際に報酬が支払われる制度を指す言葉です。

スケジュールの例文

1.あらかじめ伝えられていたスケジュールとは大幅に異なるため、それぞれの作業に遅れが出ていることになってしまった。
2.舞台公演のスケジュールが発表されたらすぐに予定を確認してチケットを取る準備をしておきたい。
3.上映スケジュールを見てどの映画を見るか一緒に決めようと思っていたが、前後の予定に合う時間に映画がやっていなかった。
4.とりいそぎ全体会議のスケジュールを作成しました。調整が必要な場合は、遠慮なくお申し付けください。
5.突然ドラマの撮影日程が変更になったことで、マネージャーがスケジュール調整に追われているところだ。
6.首相動静の新聞記事を見ると、分刻みのスケジュールだったりするので、一国の首相でいるのも大変だと思いますね。
7.仕事を辞めてフリーランスになったものの、スケジュール帖は真っ白でこれから仕事を取りに行かなくてはならない。
8.在宅勤務で大切なのはスケジュールの管理だけではなく体調管理と食生活の管理なのだとわかった。

この言葉がよく使われる場面としては、予定や日程を意味する時などが挙げられます。

例文2や例文3のスケジュールは、定められた目標がないためロードマップという言葉に置き換えて使うことはできません。

ロードマップとマイルストーンとスケジュールどれを使うか迷った場合は、目標達成のための行程を表す時は「ロードマップ」を、中間目標を表す時は「マイルストーン」を、作業日程を表す時は「スケジュール」を使うと覚えておけば間違いありません。

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