似た意味を持つ「届く」(読み方:とどく)と「届ける」(読み方:とどける)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「届く」と「届ける」という言葉は、どちらも送った品物や郵便物が相手の所に着くことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「届く」と「届ける」の違い
「届く」と「届ける」の意味の違い
「届く」と「届ける」の違いを分かりやすく言うと、「届く」は自動詞、「届ける」は他動詞という違いです。
「届く」と「届ける」の使い方の違い
一つ目の「届く」を使った分かりやすい例としては、「5月15日付の手紙が届く」「彼は天井まで手が届くほど背が高い男性です」「彼は次の誕生日で40歳に手が届く」「彼女が出掛けたあとに伝言が届く」などがあります。
二つ目の「届ける」を使った分かりやすい例としては、「住所変更を郵便局に届ける」「都内であれば無料で届けることが可能です」「拾ったお財布を交番に届ける」「誕生日プレゼントに花束を届ける」「盗難を警察に届ける」などがあります。
「届く」と「届ける」の使い分け方
「届く」と「届ける」はどちらも送った品物や郵便物が相手の所に着くことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「届く」は「手紙が届く」のように、自分の意思とは関係ないところで何かが継続している場合に使う自動詞です。
自動詞とは動作主体の動作や作用が他に及ばないで、それ自身の働きとして述べられる動詞として使います。そのため、「を」格の目的語をとることがありません。
一方、「届ける」は「手紙を相手に届ける」のように、自分の意思で何かを継続させる場合に使う他動詞です。
他動詞とはその動詞の表す動作や作用が直接他に働きかけたり、他をつくり出したりする働きとして成り立つ場合に使います。そのため、「を届く」の形で使うことが多いです。
つまり、「届く」が自動詞なのに対して、「届ける」が他動詞というのが違いになります。
「届く」と「届ける」の英語表記の違い
「届く」を英語にすると「arrive 」「reach」「get here」となり、例えば上記の「彼女が出掛けたあとに伝言が届く」を英語にすると「The message arrive after he had lef」となります。
一方、「届ける」を英語にすると「report」「notify」「send」「deliver」となり、例えば上記の「盗難を警察に届ける」を英語にすると「report a theft to the police」となります。
「届く」の意味
「届く」とは
「届く」とは、送った品物や郵便物が相手の所に着くことを意味しています。その他にも、ある所にまで至りつくこと、注意などが十分に行きわたること、気持ちが通じることの意味も持っています。
「届く」の使い方
「両親から手紙が届く」「もう少しで50歳に手が届く」などの文中で使われている「届く」は、「送った品物や郵便物が相手の所に着くことやある所にまで至りつくこと」の意味で使われています。
一方、「細かいところまで神経が届く」「神様への祈りが届く」などの文中で使われている「届く」は、「注意などが十分に行きわたることや気持ちが通じること」の意味で使われています。
「届く」は複数の意味を持つ動詞です。
「届く」の特徴
「届く」は発送した物が目的地に達するという物理的な場合だけではなく、「願いが届く」「思いが届く」などのように、抽象的なものが相手に受け入れられた場合にも使うことができます。
「届く」は自動詞なので、「○○を届く」のように、目的語をとることがなく、「○○が届く」の形で使うのが一般的になっています。
「届く」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使うことができると覚えておきましょう。
「届く」の類語
「届く」の類語・類義語としては、あるものが他のものや他の所まで達することを意味する「着く」、ある目的地や場所に行き着くことを意味する「至る」などがあります。
「届ける」の意味
「届ける」とは
「届ける」とは、物を持っていき先方へ渡すことを意味しています。その他にも、学校や役所や会社の上役などに申し出ることの意味も持っています。
「届ける」の使い方
「今年はお歳暮を届ける」「同棲するので彼の家に荷物を届ける」などの文中で使われている「届ける」は、「物を持っていき先方へ渡すこと」の意味で使われています。
一方、「子供が忘れた書類を学校に届ける」「落とし物を拾ったので交番に届ける」などの文中で使われている「届ける」は、「学校や役所や会社の上役などに申し出ること」の意味で使われています。
「届ける」は物を持っていき先方へ渡すことと、学校や役所や会社の上役などに申し出ることの二つの意味を持つ動詞です。
「届ける」の特徴
「届ける」は他動詞なので、「○○を届ける」のような形で、目的語をとって使うのが一般的になっています。
「届ける」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使うことができると覚えておきましょう。
「届ける」の類語
「届ける」の類語・類義語としては、物や情報などを先方に届くようにすることを意味する「送る」、先方へ送り届けることを意味する「送りつける」、送って目的の所へ届けることを意味する「送り届ける」などがあります。
「届く」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、送った品物や郵便物が相手の所に着くことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ある所にまで至りつくこと、注意などが十分に行きわたること、気持ちが通じることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2は送った品物や郵便物が相手の所に着くこと、例文3はある所にまで至りつくこと、例文4は注意などが十分に行きわたること、例文5は気持ちが通じることの意味で使っています。
「届ける」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物を持っていき先方へ渡すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、学校や役所や会社の上役などに申し出ることを表現したい時にも使います。
例文1から例文3は物を持っていき先方へ渡すこと、例文4と例文5は学校や役所や会社の上役などに申し出ることの意味で使っています。
「届く」と「届ける」はどちらも送った品物や郵便物が相手の所に着くことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自動詞として使うのが「届く」、他動詞として使うのが「届ける」と覚えておきましょう。