似た意味を持つ「先駆けて」(読み方:さきがけて)と「先行して」(読み方:せんこうして)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「先駆けて」と「先行して」という言葉は、どちらも他のものよりも先になることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「先駆けて」と「先行して」の違い
「先駆けて」と「先行して」の意味の違い
「先駆けて」と「先行して」の違いを分かりやすく言うと、「先駆けて」はプラスのイメージで使う、「先行して」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使うという違いです。
「先駆けて」と「先行して」の使い方の違い
一つ目の「先駆けて」を使った分かりやすい例としては、「他国に先駆けて日本で上映されるらしいです」「他社より先駆けて新しい事業に取り組むことが大切だ」「新年度に先駆けて割引セールを行うことにしました」などがあります。
二つ目の「先行して」を使った分かりやすい例としては、「1日限りのチケット先行販売を行う予定です」「大人気ゲームが日本で先行して発売されるらしいです」「ボールが先行しているのでこのままだとまずいだろう」などがあります。
「先駆けて」と「先行して」の使い分け方
「先駆けて」と「先行して」はどちらも他のものよりも先になることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「先駆けて」は他のものよりも先になっていることで、利益に繋がるというプラスのイメージで使うのが一般的になります。
一方、「先行して」は他のものよりも先になっていることで、利益に繋がるというプラスのイメージだけではなく、「野球の試合でボールが先行して窮地に追い込まれた」「好きの気持ちが先行して相手に嫌な思いをさせた」などのようにマイナスのイメージで使うことがあるというのが違いです。
ただし、プラスのイメージで使う場合は置き換えても問題ないことが多いと覚えておきましょう。
「先駆けて」と「先行して」の英語表記の違い
「先駆けて」も「先行して」も英語にすると「precede」「pioneer」「ahead of」「in advance」となります。
「先駆けて」の意味
「先駆けて」とは
「先駆けて」とは、他のものよりも先になることを意味しています。
「先駆けて」の読み方
「先駆けて」の読み方は「さきがけて」です。誤って「せんがけて」「せんかけて」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「全国に先駆けて」「発売に先駆けて」「他社に先駆けて」
「全国に先駆けて」「発売に先駆けて」「他社に先駆けて」などが、「先駆けて」を使った一般的な言い回しになります。
「先駆けて」の使い方
「先駆けて」を使った分かりやすい例としては、「他社に先駆けて新製品を発表する」「映画の上映に先駆けて全巻無料キャンペーンを行います」「我が国は他国に先駆けて発展途上国への支援を行うことにしました」などがあります。
「先駆けて」は他のものよりも先になることの意味で使われている言葉です。
「先駆けて」は元々、他の者に先んじて敵中に攻め入ることの意味で戦場などで使われていました。それが時代に経つにつれて変化し、他のものよりも先になることの意味で、ビジネスシーンや日常生活においても使われるようになったと言われています。
「先駆けて」の特徴
「先駆けて」は他のものよりも先になっていることで、利益に繋がるというプラスのイメージで使うというのが特徴です。そのため、マイナスなイメージでは使えないと覚えておきましょう。
「先駆けて」の類語
「先駆けて」の類語・類義語としては、他に先がけて物事をすることを意味する「先駆」、他に先駆けて物事を始める人のことを意味する「パイオニア」、新技術などの導入者のことを意味する「イノベーター」などがあります。
「先行して」の意味
「先行して」とは
「先行して」とは、他に先立って行われていることを意味しています。
「先行して」の読み方
「先行して」の読み方は「せんこうして」です。誤って「せんぎょうして」「さきこうして」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「気持ちが先行して」「先行して進める」
「気持ちが先行して」「先行して進める」などが、「先行して」を使った一般的な言い回しになります。
「先行して」の使い方
「先行して」を使った分かりやすい例としては、「ファンクラブの会員は先行してチケットを購入することができます」「ストライクが先行しているので安心して観ることができます」「彼が先行して計画を進めています」などがあります。
「先行して」は他に先立って行われていることを意味する言葉で、日常生活やビジネスシーンなど幅広範囲で使うことができる言葉です。
「先行して」の特徴
「先行して」は他のものよりも先になっていることで、利益に繋がるというプラスのイメージだけではなく、「悪いイメージが先行して売り上げが上がりません」「ストライクが先行しているのに打たれてしまう」などようにマイナスなイメージでも使えるのが特徴です。
「先行して」の対義語
「先行して」の類語・類義語としては、ある物事をするより以前に行われることを意味する「先立って」、先に何かをすることを意味する「先んじて」などがあります。
「先駆けて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、他のものよりも先になることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「先駆けて」は日常生活とビジネスシーンどちらでも使うことができる言葉です。
「先行して」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、他に先立って行われていることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文いあるように、「先行して」は日常生活とビジネスシーンどちらでも使うことができる言葉です。
「先駆けて」と「先行して」はどちらも他のものよりも先になることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、プラスのイメージで使うのが「先駆けて」、プラスとマイナスどちらのイメージでも使えるのが「先行して」と覚えておきましょう。