【乾く】と【渇く】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「かわく」という読み方の「乾く」と「渇く」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「乾く」と「渇く」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「乾く」と「渇く」の違い

「乾く」と「渇く」の意味の違い

「乾く」と「渇く」の違いを分かりやすく言うと、「乾く」とは水分が無くなること、「渇く」とは水分が欲しくなるこという違いです。

「乾く」と「渇く」の使い方の違い

一つ目の「乾く」を使った分かりやすい例としては、「良いドライヤーを使っているので髪が乾くのが早い」「目が乾くので目薬を使いました」「彼女は乾いた心の持ち主です」「このシャツが明日までに乾くといいな」などがあります。

二つ目の「渇く」を使った分かりやすい例としては、「この部屋にいると異様に喉が渇く」「彼は母親の愛情に渇いている」「長時間運動したので喉が渇く」「私達は川の水で渇いた喉を潤した」などがあります。

「乾く」と「渇く」の使い分け方

「乾く」と「渇く」は同語源の言葉なのですが、意味が異なっているので間違えないように注意しましょう。

「乾く」は水分が無くなることや感情や生気が感じられなくなることの意味で使い、「渇く」は水分が欲しくなることや心から強く欲しがることの意味で使います。

例えば「髪がかわく」の場合は、髪の水分が無くなることを意味しているので「乾く」を使うのが正解です。一方、「喉がかわく」の場合は、喉が水分を欲している状態を表わすので、「渇く」を使うのが正解になります。

「乾く」と「渇く」の英語表記の違い

「乾く」を英語にすると「dry」となり、例えば上記の「このシャツが明日までに乾くといいな」を英語にすると「This shirt I hope they dry by tomorrow」となります。

一方、「渇く」を英語にすると「thirsty」となり、例えば上記の「私達は川の水で渇いた喉を潤した」を英語にすると「We quenched our thirst with water from the river」となります。

「乾く」の意味

「乾く」とは

「乾く」とは、 物に含まれている湿気や水分が無くなることを意味しています。その他にも、感情や生気が感じられなくなることの意味も持っています。

表現方法は「心が乾く」「口が乾く」「乾く原理」

「乾く原理」「心が乾く」「口が乾く」などが、「乾く」を使った一般的な言い回しになります。

「乾く」の使い方

「天気が良いので洗濯ものがすぐ乾く」「乾燥しているので口の中が乾く」などの文中で使われている「乾く」は、「物に含まれている湿気や水分が無くなること」の意味で使われています。

一方、「彼は乾いた虚ろな目をしている」「最近心が乾くことが多いです」などの文中で使われている「乾く」は、「感情や生気が感じられなくなること」の意味で使われています。

「乾く」は元々、物に含まれている湿気や水分が無くなることの意味で使われていたのですが、そこから転じて感情や生気が感じられなくなることの意味でも使われるようになりました。

また、現代ではどちらの意味でも使われているのですが、二つ目の感情や生気が感じられなくなることの意味はマイナスなイメージを持って使います。

「乾く」の対義語

「乾く」の対義語・反対語としては、水がかかったりすることを意味する「濡れる」があります。

「乾く」の類語

「乾く」の類語・類義語としては、湿気や水分がなくなることを意味する「乾燥」、水がすっかり無くなってからからになることを意味する「干上がる」、水気が無くなり乾いた状態になることを意味する「涸れる」、水が涸れることを意味する「枯渇」などがあります。

「渇く」の意味

「渇く」とは

「渇く」とは、喉がからからになって水分が欲しくなることを意味しています。その他にも、 心から強く欲しがることの意味も持っています。

表現方法は「喉が渇く」「口が渇く」「愛情に渇く」

「喉が渇く」「口が渇く」「愛情に渇く」などが、「渇く」を使った一般的な言い回しになります。

「渇く」の使い方

「最近喉が渇くことが多い」「喉が渇いているので生ビールを注文した」などの文中で使われている「渇く」は、「喉がからからになって水分が欲しくなること」の意味で使われています。

一方、「彼女は愛情に渇いている」「彼は欲望に渇いているので自己中心的な行動をする」などの文中で使われている「渇く」は、「心から強く欲しがること」の意味で使われています。

「渇く」は元々、喉がからからになって水分が欲しくなることの意味で使われていたのですが、そこから転じて、心から強く欲しがることの意味でも使われるようになりました。現代ではどちらの意味でも使われており、何かを欲しがる場合に使う言葉と覚えておきましょう。

「渇く」の対義語

「渇く」の対義語・反対語としては、水分が行き渡ることを意味する「潤う」があります。

「渇く」の類語

「渇く」の類語・類義語としては、喉が渇くことを意味する「渇する」、喉が渇いた時水を欲するように心から望むことを意味する「渇望」などがあります。

「乾く」の例文

1.今日は天気が悪いので、洗濯物が乾くのに時間が掛かってとても困っている。
2.最近異様に目が乾くので、仕事帰りに眼科へ行くことにしました。
3.髪が伸びて乾くのに時間がかかるので、来週の日曜日に美容院へ行こう。
4.部長がくだらない親父ギャグを言った瞬間、フロアに乾いた笑いが響いた。
5.彼は浪人したのにも関わらず受験に失敗したため、乾いた目をしている。
6.大失恋しもう彼氏は要らない宣言をしたばかりの友人が、舌の根も乾かないうちに合コンに参加しだした。
7.長雨が続いたため、外で洗濯物を干してもなかなか乾かず、室内干しに切り替えた。
8.彼は乾いた虚ろな目をしているが、仕事でなにかあったのかもしれないととても心配している。
9.乾いた砂利道を次々と自動車が走ってきたので、砂埃が舞って一気に視界が悪くなりました。
10.大切な書類が雨に濡れたため、早く乾かすためにドライヤーを使って乾かした。

この言葉がよく使われる場面としては、物に含まれている湿気や水分が無くなることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、感情や生気が感じられなくなることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3は物に含まれている湿気や水分が無くなることの意味で使っており、例文4と例文5は感情や生気が感じられなくなることの意味で使っています。

「渇く」の例文

1.市内で行われるマラソン大会に参加して全力で走ったので喉が渇いてる。
2.喉が渇いていたせいか、何杯もビールを飲むことができました。
3.喉が渇いているが周りに給水できる場所もないので、目的地まで我慢することにした。
4.彼に一番に愛されたいという感情に渇いており、彼に近づく女性を許せないでいる。
5.彼は母親に放置されて育ったので、女性からの愛情に渇いている。
6.コロナ禍で人と会わないようになり心が渇いていたのか、久しぶりに友と会って話したらその声や言葉が全身に染み込んできた。
7.最近の子ども達を見ると、物質的には恵まれているが親からの愛に渇いている子が多い気がする。
8.彼は昇進したいという欲望に渇いているので、仕事では他人の手柄を横取りしたりするなどの自己中心的な行動をする。
9.大学を出てからは、ろくに本を読むこともなかったので、知識に渇いていたのかもしれない。
10.長時間のハイキングの後、私達は川の水で喉を潤したが、それが原因でお腹を壊してしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、喉がからからになって水分が欲しくなることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、 心から強く欲しがることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3は喉がからからになって水分が欲しくなることの意味で使っており、例文4と例文5は 心から強く欲しがることの意味で使っています。

「乾く」と「渇く」という言葉は、どちらも「かわく」と読みますが意味が異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合は、水分が無くなることを表現したい時は「乾く」を、水分が欲しくなることを表現したい時は「渇く」を使うと覚えておきましょう。

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