似た意味を持つ「大詰め」(読み方:おおづめ)と「終幕」(読み方:しゅうまく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「大詰め」と「終幕」という言葉は、どちらも一つの劇の最後の幕や場面のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「大詰め」と「終幕」の違い
「大詰め」と「終幕」の意味の違い
「大詰め」と「終幕」の違いを分かりやすく言うと、「大詰め」は物事の最後の段階であること、「終幕」は物事の終わりのことという違いです。
「大詰め」と「終幕」の使い方の違い
一つ目の「大詰め」を使った分かりやすい例としては、「捜査は大詰めの段階に入りました」「今日の試合もいよいよ大詰めを迎えました」「人生も大詰めなので定年後は田舎でのんびり暮らそうと思っています」「10年連載されている漫画がいよいよ大詰めを迎える」などがあります。
二つ目の「終幕」を使った分かりやすい例としては、「今シーズンも終幕を迎える」「5ヶ月に渡る全国ツアーが終幕を迎えました」「本日の公演はこれにて終幕です」などがあります。
「大詰め」と「終幕」の使い分け方
「大詰め」と「終幕」はどちらも一つの劇の最後の幕や場面のことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「大詰め」は物事の最後の段階で使うのに対して、「終幕」は物事が終わりの際に使うというのが違いになります。
分かりやすい例を挙げると、サッカーのJリーグで「今シーズンの優勝争いはいよいよ大詰めを迎えました」とすると、今シーズンは残り数試合となっており、優勝クラブがもうすぐ決まるという状況を表しています。
一方、「今シーズンの優勝争いは終幕を迎えました」とすると、「終幕」は物事が終わった際に使う言葉なので、優勝チームが決まったという状況を表しています。
「大詰め」と「終幕」の英語表記の違い
「大詰め」を英語にすると「the last act」「finale」となります。
一方、「終幕」を英語にすると「the last scene」「the end of a performance」「epilogue」となります。
「大詰め」の意味
「大詰め」とは
「大詰め」とは、芝居の最終の幕のことを意味しています。その他にも、物事の終局の場面のことの意味も持っています。
表現方法は「いよいよ大詰め」「大詰めに入る」「大詰めに差し掛かる」
「いよいよ大詰め」「大詰めに入る」「大詰めに差し掛かる」「大詰めを迎える」「練習も大詰め」などが、「大詰め」を使った一般的な言い回しになります。
「大詰め」の使い方
「いよいよ舞台は大詰めを迎えました」「この物語が大詰めを迎えるまでは見続けていたいです」などの文中で使われている「大詰め」は、「芝居の最終の幕のこと」の意味で使われています。
一方、「体育発表会の練習もいよいよ大詰めです」「始めたばかりの頃はこのような大詰めを迎えるとは思ってもいませんでした」などの文中で使われている「大詰め」は、「物事の終局の場面のこと」の意味で使われています。
「大詰め」は芝居の最終の幕のことと、物事の終局の場面のことの二つの意味を持っており、どちらの意味でも使われています。
芝居の最終の幕のことの意味は主に演劇やお芝居で使われており、物事の終局の場面のことの意味は政治的な交渉、事件の捜査、スポーツの試合、物事の練習などの様々な場面で使うことが可能です。
「大詰め」の由来
「大詰め」の由来は歌舞伎です。江戸時代の歌舞伎は複数の狂言から成り立っており、最初の狂言の最後の幕を大詰めと言うようになりました。
これが時代が経つにつれて歌舞伎だけではなく芝居や戯曲の最終幕でも使うようになり、それがさらに変化し、物事の最終局面でも使うようになったのが現代の「大詰め」です。
「大詰め」の類語
「大詰め」の類語・類義語としては、最後の締めくくりのことを意味する「結末」、演劇や小説などの最後の場面のことを意味する「大団円」、演劇などの最後の幕のことを意味する「フィナーレ」などがあります。
「終幕」の意味
「終幕」とは
「終幕」とは、演劇が終わることを意味しています。その他にも、物事が終わることの意味も持っています。
表現方法は「終幕を迎える」「これにて終幕」
「終幕を迎える」「これにて終幕」などが、「終幕」を使った一般的な言い回しになります。
「終幕」の使い方
「終幕の別れ場面は感動しました」「本日の公演もいよいよ終幕です」などの文中で使われている「終幕」は、「演劇が終わること」の意味で使われています。
一方、「十数年に渡る訴訟事件がついに終幕を迎える」「長かった今シーズンもついに終幕しました」などの文中で使われている「終幕」は、「物事が終わること」の意味で使われています。
「終幕」は演劇が終わることと、物事が終わることの二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われている言葉です。
演劇が終わることは、その名の通り演劇やお芝居において使われており、物事が終わることの意味は、物事が終わるのであれば様々な場面で使うことができます。
「終幕」は基本的に物事は終わって結末を迎える場合に使うのが一般的ですが、物事が結末を迎えてもうすぐ終わる場合にも使うことができると覚えておきましょう。
「終幕」の由来
「終幕」の由来は演劇用語です。元々は演劇用語として、演劇や芝居が終わる場合に使われていた言葉なのですが、時代が経つにつれて変化していき、物事が終わることの意味でも使われるようになりました。
「終幕」の対義語
「終幕」の対義語・反対語としては、物事の始まったばかりのところのことを意味する「序幕」、舞台の幕が開いて芝居などが始まることを意味する「開幕」などがあります。
「終幕」の類語
「終幕」の類語・類義語としては、幕が閉じて演劇などが終わることを意味する「閉幕」、 物事の結末がつくことを意味する「終局」、物事が終わりになることを意味する「終結」、続いていた物事などがすっかり終わることを意味する「完結」などがあります。
「大詰め」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、芝居の最終の幕のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物事の終局の場面のことを表現したい時にも使います。
例文1の「大詰め」は芝居の最終の幕のこと、例文2から例文5の「大詰め」は物事の終局の場面のことの意味で使っています。
「終幕」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、演劇が終わることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物事が終わることを表現したい時にも使います。
例文1の「終幕」は演劇が終わること、例文2から例文5の「終幕」は物事が終わることの意味で使っています。
「大詰め」と「終幕」はどちらも一つの劇の最後の幕や場面のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、物事の最後の段階であることを表現したい時は「大詰め」を、物事の終わりのことを表現したい時は「終幕」を使うと覚えておきましょう。