似た意味を持つ「気に入る」(読み方:きにいる)と「好き」(読み方:すき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「気に入る」と「好き」という言葉は、どちらもその人の感性や気持ちにぴったりあって心が引かれることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「気に入る」と「好き」の違い
「気に入る」と「好き」の意味の違い
「気に入る」と「好き」の違いを分かりやすく言うと、「気に入る」よりも「好き」の方がより強調した表現という違いです。
「気に入る」と「好き」の使い方の違い
一つ目の「気に入る」を使った分かりやすい例としては、「素晴らしい味だったのでこのお店を気に入る」「あなたならこの曲を気に入ると思うよ」「あなたがこの漫画を気に入ることを期待しています」などがあります。
二つ目の「好き」を使った分かりやすい例としては、「きのこの山よりもたけのこ里の方が好きです」「彼を一目見るなり好きになってしまいました」「そばは冷たい方が好きです」「私は一人で居るのが好きです」などがあります。
「気に入る」と「好き」の使い分け方
「気に入る」と「好き」はどちらもその人の感性や気持ちにぴったりあって心が引かれることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「気に入る」よりも「好き」の方がより強調した表現という点です。
また、「好き」には片寄ってそのことを好むことや自分の思うままに振る舞うことなど、複数の意味を持っているというのも違いの一つであると覚えておきましょう。
「気に入る」と「好き」の英語表記の違い
「気に入る」も「好き」も英語にすると「like」「favorite」「prefer」となり、例えば上記の「私は一人で居るのが好きです」を英語にすると「I like to be alone」となります。
「気に入る」の意味
「気に入る」とは
「気に入る」とは、好みに合うことを意味しています。
「気に入る」の読み方
「気に入る」の読み方は「気に入る」です。誤って「きにはいる」などと読まないようにしましょう。
「気に入る」の使い方
「気に入る」を使った分かりやすい例としては、「今までパクチーを食べたことがないので気に入るか分かりません」「彼はこの腕時計を気に入ると思いますよ」「あなたもこの映画を気に入ると嬉しいです」「これを上げれば日本を気に入ると思うよ」などがあります。
「気に入る」は好みに合うことを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。
「気に入る」の特徴
「気に入る」は感性にぴったりあったという感じで使われることが多く、主観的な表現になっていると覚えておきましょう。また、「気に入る」という肯定文で使う場合は、基本的にプラスのイメージを伴っています。
「気に入る」の類語
「気に入る」の類語・類義語としては、多くのものの中から特にそれを好きだと感じることを意味する「好む」、好んで親しむことを意味する「嗜む」、人物や物事の魅力にとりつかれて心を奪われることを意味する「惚れる」などがあります。
「好き」の意味
「好き」とは
「好き」とは、心が引かれることを意味しています。その他にも、片寄ってそのことを好むこと、自分の思うままに振る舞うことの意味も持っています。
「好き」の使い方
「私が好きな人は彼です」「私が好きなスポーツはサッカーです」などの文中で使われている「好き」は、「心が惹かれること」の意味で使われています。
一方、「幹事を買って出るなんて君は好き者だ」「明日は休みなので好きなだけ遊ぶことにしました」などの文中で使われている「好き」は、「片寄ってそのことを好むことや自分の思うままに振る舞うこと」の意味で使われています。
「好き」は複数の意味を持つ名詞です。ただし、意味によって使い方は異なっていると覚えておきましょう。
「好き」の特徴
心が引かれることの意味は気に入るというニュアンスで使うのが一般的なので、基本的にプラスのイメージを伴っています。
一方、自分の思うままに振る舞うことの意味は他人の気持ちや都合とぶつかっても、なお自分の思い通りにしようとニュアンスがあるので、必ずしもプラスのメージを伴っているわけではありません。
「好き」の対義語
「好き」の対義語・反対語としては、嫌だと思うことを意味する「嫌い」があります。
「好き」の類語
「好き」の類語・類義語としては、都合や便利が良いことを意味する「勝手」、遠慮や気がねをせずに自分の思うままに行動することを意味する「気まま」、その人にいだく親しみや好ましく思う気持ちのことを意味する「好意」などがあります。
「気に入る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、好みに合うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「気に入る」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「好き」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、心が引かれることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、片寄ってそのことを好むこと、自分の思うままに振る舞うことを表現したい時に使います。
例文1から例文3は心が惹かれること、例文4は片寄ってそのことを好むこと、例文5は自分の思うままに振る舞うことの意味で使っています。
「気に入る」と「好き」はどちらもその人の感性や気持ちにぴったりあって心が引かれることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「気に入る」よりも「好き」の方がより強調した表現と覚えておきましょう。