【お引き取りください】と【お帰りください】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「お引き取りください」(読み方:おひきとりください)と「お帰りください」(読み方:おかえりください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「お引き取りください」と「お帰りください」という言葉は、どちらもその場を立ち去ってくださいとお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「お引き取りください」と「お帰りください」の違い

「お引き取りください」と「お帰りください」の意味の違い

「お引き取りください」と「お帰りください」の違いを分かりやすく言うと、「お引き取りください」は婉曲的な表現、「お帰りください」は直接的な表現という違いです。

「お引き取りください」と「お帰りください」の使い方の違い

一つ目の「お引き取りください」を使った分かりやすい例としては、「本日の閉店時間を過ぎておりますのでお引き取りください」「どうぞ今日のところはお引き取りください」「予定の時間が過ぎましたのでお引き取りください」などがあります。

二つ目の「お帰りください」を使った分かりやすい例としては、「今日のところはこの辺でお帰りください」「こちらの考えは変わりませんので本日はお帰りください」「本日は予定がありますのでお帰りください」などがあります。

「お引き取りください」と「お帰りください」の使い分け方

「お引き取りください」と「お帰りください」はどちらもその場を立ち去ってくださいとお願いすることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「お引き取りください」の方が婉曲的な表現なのに対して、「お帰りください」は直接的な表現であるという点です。

したがって、「お引き取りください」の方が「お帰りください」よりも角が立ちにくい表現であると覚えておきましょう。

「お引き取りください」と「お帰りください」の英語表記の違い

「お引き取りください」も「お帰りください」も英語にすると「Please take it back」「It’s time for you to leave」となります。

「お引き取りください」の意味

「お引き取りください」とは

「お引き取りください」とは、その場を立ち去ってくださいとお願いすることを意味しています。

「お引き取り下さい」は誤用

「お引き取りください」を「お引き取り下さい」とするのは誤用です。

ではなぜ誤用かと言うと、「お引き取りください」の「ください」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。

「お引き取りください」の使い方

「お引き取りください」を使った分かりやすい例としては、「大変恐れ入りますが20時までにお引き取りください」「この場は私の顔を立ててお引き取りください」「個別相談などがない方は適宜お引き取りください」などがあります。

「お引き取りください」はその場を立ち去ることを意味する「引き取る」に、接頭語の「お」、相手に何かを要望や懇願することを意味する「ください」が合わさり、その場を立ち去ってくださいとお願いすることを意味する言葉です。

「お引き取りください」はビジネスシーンでも使うことができる言葉ですが、命令文でやや上から目線の表現なので、目上の人に対して使うのはあまり適していません。立場が同等や目下の人に対して使うようにしましょう。

「お引き取りください」は婉曲的な表現

「お引き取りください」は婉曲的な表現をした言葉です。婉曲的とは言いまわしが穏やかでかど立たないことを意味しています。つまり、「お引き取りください」は帰ってほしいとお願いすることを、露骨ではなく遠回しに言った言い方です。

そのため、「大変恐れ入りますが」「誠に申し訳ないのですが」などのようなクッション言葉とセットで使うことで、お店側からお客さんに対しても使うことができます。

クッション言葉とは、伝えたい本題に入る前に一言添えて気遣いを示す言葉のことを意味しています。そのため、クッション言葉を使用すると相手に対して良い印象を与えることができます。

「お引き取りください」の類語

「お引き取りください」の類語・類義語としては、帰ってほしいとお願いすることを意味する「お引き取り願います」、退いてほしいとお願いすることを意味する「お引き取りいただけますか」などがあります。

「お帰りください」の意味

「お帰りください」とは

「お帰りください」とは、その場を立ち去ってくださいとお願いすることを意味しています。

「お帰り下さい」は誤用

「お帰りください」を「お帰り下さい」とするのは誤用です。

ではなぜ誤用かと言うと、「お帰りください」の「ください」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。

「お帰りください」の使い方

「お帰りください」を使った分かりやすい例としては、「この場は私に任せてお帰りください」「混雑を避けるため手続きが終わった方はお帰りください」「予定の時間が過ぎてしまいましたのでお帰りください」などがあります。

「お帰りください」は今いる場所を離れて去ることを意味する「帰る」に、接頭語の「お」、相手に何かを要望や懇願することを意味する「ください」が合わさり、その場を立ち去ってくださいとお願いすることを意味する言葉です。

「お帰りください」はビジネスシーンでも使うことができる言葉ですが、命令文でやや上から目線の表現なので、目上の人に対して使うのはあまり適していません。立場が同等や目下の人に対して使うようにしましょう。

「お帰りください」は直接的な表現

「お帰りください」は直接的な表現です。そのため、言われた側は多少なりとも不快感を覚える可能性があるので、使う際には十分に注意が必要です。

もし、帰ってほしいことを遠回しに言いたいのであれば、婉曲的な表現である「お引き取りください」を使うようにしましょう。

「お帰りください」は「大変恐れ入りますが」「誠に申し訳ないのですが」などのクッション言葉とセットで使うことで、少し柔らかい表現にすることが可能です。

「お帰りください」の類語

「お帰りください」の類語・類義語としては、帰ってほしいとお願いすることを意味する「お帰りいただけますか」、帰ってくれとお願いすることを意味する「お帰り願います」などがあります。

「お引き取りください」の例文

1.大変申し訳ございませんが、当店は19時閉店となっておりますのでお引き取りください。
2.これ以上話し合いをしてもこちらの考えは変わりませんので、お引き取りください。
3.周囲のお客様に不安を与える可能性があるので、タトゥーを入れている方はお引き取りください。
4.そのような行為は大変迷惑ですので、どうぞお引き取りください。
5.どんな条件を提示されても空港建設には反対ですので、お引き取りください。

この言葉がよく使われる場面としては、その場を立ち去ってくださいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「お引き取りください」はビジネスシーンにおいて使われれている言葉です。

「お帰りください」の例文

1.誠に申し訳ないのですが、閉店時間の21時を過ぎていますのでお帰りください。
2.大変恐れ入りますが、そちらの希望に沿うことはできませんので、今日のところはお帰りください。
3.何を言われてもこの土地を売ることはありませんので、お帰りください。
4.これ以上他のお客様にご迷惑をかけるようでしたら、どうぞお帰りください。
5.ただいま店内は大変混み合っておりますので、お食事が済んだ方からお帰りください。

この言葉がよく使われる場面としては、その場を立ち去ってくださいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「お帰りください」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。

「お引き取りください」と「お帰りください」はどちらもその場を立ち去ってくださいとお願いすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、婉曲的表現なのが「お引き取りください」、直接的な表現なのが「お帰りください」と覚えておきましょう。

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