【需要】と【供給】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「需要」(読み方:じゅよう)と「供給」(読み方:きょうきゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「需要」と「供給」という言葉は、どちらも「経済用語」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




需要と供給の違い

需要と供給の意味の違い

需要と供給の違いを分かりやすく言うと、需要とは商品を買おうとする購買欲求、供給とは商品を提供しようとする生産活動という違いです。

需要と供給の使い方の違い

一つ目の需要を使った分かりやすい例としては、「需要があるのに供給が追いつかない」「インバウンド需要は順調に回復しています」「需要曲線と供給曲線を組み合わせたグラフを描く」「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金について解説します」などがあります。

二つ目の供給を使った分かりやすい例としては、「新たなエネルギー供給源を確保する」「医薬品の供給不足が問題になっています」「供給地点特定番号の調べ方を知ってますか」「発電事業者の供給計画を取りまとめています」などがあります。

需要と供給の使い分け方

需要と供給という言葉は、どちらも経済学で用いられており、商品の値段を決めるうえで重要な概念ですが、意味や使い方には違いがあります。

需要とは、求めることを意味し、個人や企業などの経済主体が、市場において提供される物やサービスを購入しようとする行為を表す経済用語です。価格が高いと需要量は少なくなり、反対に、価格が安いと需要量は多くなりますが、これを表すグラフを「需要曲線」と言います。

供給とは、与えることを意味し、販売を目的として商品を市場に出すこと、そうして市場に出された商品の量のことを表す経済用語です。価格が高いと供給量は多く、安いと供給量は少なくなり、この様子を表しているグラフが「供給曲線」です。

つまり、需要とは販売を目的として提供されている商品を購入しようとする行為であり、供給とは販売を目的とし商品を提供する行為です。二つの言葉が相反する意味を持ちますが密接な関係にあり、需要と供給は合わせて「需給」と呼ばれています。

需要と供給の英語表記の違い

需要を英語にすると「demand」「need」「request」となり、例えば上記の「需要がある」を英語にすると「be in demand」となります。一方、供給を英語にすると「supply」「service」「feed」となり、例えば上記の「供給源」を英語にすると「a source of supply」となります。

需要の意味

需要とは

需要とは、求めること、入り用を意味しています。

その他にも、「家計や企業などの経済主体が市場において購入しようとする欲求、購買力に裏づけられたものをいう」の意味も持っています。

需要の読み方

需要の読み方は「じゅよう」です。同じ読み方をする熟語に「需用」や「受用」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

需要の使い方

「世界の食料需要に応える」「潜在的な需要を喚起する」「ビジネスでは英語スキルの需要が高まっています」などの文中で使われている需要は、「求めること、入り用」の意味で使われています。

一方、「需要供給曲線の書き方を習いました」「需要の価格弾力性を計算する」「交差点需要率の算出方法が分かりません」「需要と供給が一致するまで価格は変動します」などの文中で使われている需要は、「経済主体が市場において購入しようとする欲求」の意味で使われています。

需要とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているので、文脈により意味を捉えるようにしましょう。需要の「需」は訓読みで「もとめる」と読み、欲しいと望むことや要求することを表し、「要」は欲しがることや得ようとすることを表す漢字です。

「需要の価格弾力性」の意味

需用を用いた日本語には「需要の価格弾力性」があります。「需要の価格弾力性」とは、商品の価格に対する需要の変化率を意味します。例えば、価格が5%上昇したときに需要量が何%減少するかを表す数値です。価格の変化率に対して需要の変化率が高いほど、弾力的であるとされています。

需要の対義語

需要の対義語・反対語としては、要求あるいは必要に応じて物をまわし与えることを意味する「供給」などがあります。

需要の類語

需要の類語・類義語としては、特別の需要を意味する「特需」、軍事上必要とされる物資を意味する「軍需」、国内の需要を意味する「内需」、外国からの需要を意味する「外需」需要と供給を意味する「需給」、要求や需要を意味する「ニーズ」などがあります。

供給の意味

供給とは

供給とは、必要に応じて物を与えることを意味しています。

その他にも、「販売のために商品を市場に出すこと、また、その数量」の意味も持っています。

供給の読み方

供給の読み方は「きょうきゅう」です。誤って「くきゅう」「ぐきゅう」などと読まないようにしましょう。

供給の使い方

「部隊への兵器供給を急ぐ」「資金供給量とは日銀が供給する通貨の総量です」「検針票で供給地点特定番号を確認する」などの文中で使われている供給は、「必要に応じて物を与えること」の意味で使われています。

一方、「主要製品で供給過多の懸念が高まる」「海外書籍の安定供給で英語教育の普及をサポートします」「需要曲線と供給曲線の見方を教えてください」などの文中で使われている供給は、「販売のために商品を市場に出すこと」の意味で使われています。

供給とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているので、文脈により意味を判断する必要があります。供給の「供」は差し出して役立てること、「給」はあてがって足りるようにすることを表す漢字です。

「供給地点特定番号」の意味

供給を用いた日本語には、「供給地点特定番号」があります。供給地点特定番号とは、電気を使用している場所である「供給地点」を特定するために必要な22桁の番号のことです。全国一律で付番されています。

供給の対義語

供給の対義語・反対語としては、商品やサービスに対する欲求を意味する「需要」などがあります。

供給の類語

供給の類語・類義語としては、必要な物資を自力で獲得してまかなうことを意味する「自給」、相手に役立ててもらうために差し出すことを意味する「提供」、相手が欲する物品や利益などを与えることを意味する「供与」、供給を意味する「サプライ」などがあります。

需要の例文と使い方

1.電力の需要と供給のバランスが崩れると、停電が発生する可能性があります。
2.国際化の進展により、就職や転職において英語が使える人材の需要は年々伸びています。
3.企業の在庫管理に欠かせない需要予測の使い方について、事例を挙げながらわかりやすく解説いたします。
4.兄は婚活歴6年目に突入し、自分には需要ないのかと悩んでいるようです。
5.プラモデルはオタクのコレクションだけでなく、親子のコミュニケーションツールとしての需要も高まっています。

この言葉がよく使われる場面としては、ある物や事柄を必要とすること、市場に現われる商品への対価を支払うことを前提とする欲望を表現したい時などが挙げられます。

上記3にある「需要予測」とは、市場において会社の商品やサービスがどれくらい売れるかを予測することです。企業にとって、仕入や生産あるいは投資など計画の基礎となる重要な作業になります。

供給の例文と使い方

1.災害時にどのようにして電力を供給するかは、各自治体で大きな懸案事項になっています。
2.市場価格は需要と供給が一致するところで決まるという考えは、経済学の基本です。
3.国際的な地政学リスクが高まるなか、半導体産業では供給網のあり方が問われています。
4.需要と供給とは何かを簡単に説明するために、需要曲線と供給曲線のグラフを用意しました。
5.推しからの公式な供給がないと、オタクたちの間で自作グッツのやり取りが活発になります。

この言葉がよく使われる場面としては、物を与えること、市場の需要に応じて財やサービスを価格の支払いと交換に引き渡すことを表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「供給網」とは、サプライチェーンとも呼ばれ、生産や流通における一連の流れを意味します。

需要と供給という言葉は、どちらも「経済活動」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、物やサービスを買おうとする購買活動を表現したい時は「需要」を、物やサービスを提供しようとする生産活動を表現したい時は「供給」を使うようにしましょう。

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