似た意味を持つ「使いこなす」(読み方:つかいこなす)と「使い分ける」(読み方:つかいわける)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「使いこなす」と「使い分ける」という言葉は、どちらも事物や人の能力、価値、性質、特徴が十分に発揮されるように有効に用いることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「使いこなす」と「使い分ける」の違い
「使いこなす」と「使い分ける」の意味の違い
「使いこなす」と「使い分ける」の違いを分かりやすく言うと、「使いこなす」は物や人を十分に機能が発揮されるよう有効に使用する場合に使う、「使い分ける」は目的やその場に応じた使い方をする場合に使うという違いです。
「使いこなす」と「使い分ける」の使い方の違い
一つ目の「使いこなす」を使った分かりやすい例としては、「このマシーンを使いこなせるのは彼だけです」「私はこれを使いこなす自信はありません」「この道具は使いこなすほどよくなります」「彼女は英語を上手く使いこなす」などがあります。
二つ目の「使い分ける」を使った分かりやすい例としては、「彼は家族と遊びの時間をちゃんと使い分けている」「彼女はその時々で言葉を使い分ける」「彼は三ヶ国語を使い分ける」「色を使い分けてグラフを書きました」などがあります。
「使いこなす」と「使い分ける」の使い分け方
「使いこなす」と「使い分ける」はどちらも事物や人の能力、価値、性質、特徴が十分に発揮されるように有効に用いることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「使いこなす」は物や人を十分に機能が発揮されるよう有効に使用する場合に使う言葉で、「大勢の人を使いこなす」「コンピュータを使いこなす」などのような言い回しで使う言葉になります。
一方、「使い分ける」は目的やその場に応じた使い方をする場合に使う言葉で、「彼は道具を使い分ける」「彼女は二か国語を使い分ける」などの言い回しで使うというのが違いです。
「使いこなす」と「使い分ける」の英語表記の違い
「使いこなす」を英語にすると「be good at using」「can use」「have a good command of」となり、例えば上記の「彼女は英語を上手く使いこなす」を英語にすると「She has a good command of English」となります。
一方、「使い分ける」を英語にすると「separate depending on」「use different」となり、例えば上記の「色を使い分けてグラフを書きました」を英語にすると「I drew a graph using different colors」となります。
「使いこなす」の意味
「使いこなす」とは
「使いこなす」とは、そのものの性能などが十分発揮できるようにうまく使うことを意味しています。
「使いこなす」の漢字表記
「使いこなす」を漢字にすると、「使い熟す」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「使いこなす」を使うようにしましょう。
表現方法は「使いこなす能力」「使いこなす人」
「使いこなす能力」「使いこなす人」などが、「使いこなす」を使った一般的な言い回しになります。
「使いこなす」の使い方
「使いこなす」を使った分かりやすい例としては、「彼は数ヶ国語を使いこなす」「この道具を使いこなすことができる人はそう多くありません」「彼は日本で育ったのにも関わらず韓国語を使いこなす」「コンピュータを使いこなす学生が増えてきています」などがあります。
「使いこなす」はそのものの性能などが十分発揮できるようにうまく使うことを意味する動詞です。
「使いこなす」の特徴
「使いこなす」は物や人を十分に機能が発揮されるよう有効に使用するというニュアンスで使います。また、物や人の能力、価値、性質など、様々なことに対して使用できると覚えておきましょう。
「使いこなす」の類語
「使いこなす」の類語・類義語としては、ごたごたした物事や複雑なことを適切に処理することを意味する「裁く」、自由自在に使いこなすことを意味する「駆使する」、物を動かしたり操作したりすることを意味する「取り扱う」などがあります。
「使い分ける」の意味
「使い分ける」とは
「使い分ける」とは、場合や目的などに応じて選んで使うことを意味しています。
表現方法は「用途によって使い分ける」「言葉を使い分ける」
「用途によって使い分ける」「言葉を使い分ける」などが、「使い分ける」を使った一般的な言い回しになります。
「使い分ける」の使い方
「使い分ける」を使った分かりやすい例としては、「彼は相手によって対応する態度を使い分ける」「私はこれを目的に応じて使い分けるのが得意です」「彼女は聴衆に応じて言葉を使い分ける」「彼は5ヶ国語を使い分ける」などがあります。
「使い分ける」は場合や目的などに応じて選んで使うことを意味する動詞です。
「使い分ける」の特徴
「使い分ける」は「彼女は言語を使い分ける」「彼は遊びと勉強の時間を使い分ける」「色を使い分けて絵を描く」などのように、物や人の能力、価値、性質など、様々なことに対して使用できるというのが特徴です。
「使い分ける」は「使い分けることができない」「使い分けるのが不可能だ」などのように、否定形とセットで使うことで、場合や目的などに応じて選んで使うことができないという意味でも使うことができます。
「使い分ける」の類語
「使い分ける」の類語・類義語としては、種類によって分けることを意味する「分別」があります。
「使いこなす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、そのものの性能などが十分発揮できるようにうまく使うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「使いこなす」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「使い分ける」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、場合や目的などに応じて選んで使うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「使い分ける」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「使いこなす」と「使い分ける」はどちらも事物や人の能力、価値、性質、特徴が十分に発揮されるように有効に用いることを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、物や人を十分に機能が発揮されるよう有効に使用することを表現したい時は「使いこなす」を、目的やその場に応じた使い方をすることを表現したい時は「使い分ける」を使うと覚えておきましょう。