似た意味を持つ「些細」(読み方:ささい)と「些末」(読み方:さまつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「些細」と「些末」という言葉は、どちらも「取るに足らないこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
些細と些末の違い
些細と些末の意味の違い
些細と些末の違いを分かりやすく言うと、些細とは重要でない小さなことを表し、些末とは本筋ではない末端のことを表すという違いです。
些細と些末の使い方の違い
一つ目の些細を使った分かりやすい例としては、「最近やけに些細なことでイライラしてしまう」「些細なきっかけで妻の浮気が発覚しました」「些細なことで涙が出るようになりました」「パワハラ上司は些細なミスをあげつらう」などがあります。
二つ目の些末を使った分かりやすい例としては、「彼は些末な業務に時間をかけている」「些末なことでは気に病む必要はありません」「些末な事件として取り上げてもらえなかった」「あなたにとっては些末事かもしれません」などがあります。
些細と些末の使い分け方
些細と些末という言葉は、どちらも重要でないさまや取るに足りないさまを意味し、ほぼ同じように使える言葉ですが、若干のニュアンスの違いがあります。
些細とは、あまり重要ではないさま、大したことではないことを意味します。細かすぎて取るに足らないというニュアンスがあり、上記例文に「些細なミス」とは、計算ミスや入力ミスなど重大でない小さなミスを表しています。
些末とは、あまり重要でないさま、取るに足りないことを意味します。本筋とは関係ないために取り上げる価値がないというニュアンスがあり、「些末なミス」とは、資料作りの誤字脱字など中心的な話とは離れたところのミスを表現します。
つまり、些細とは問題にならない小さなことであり、些末とは本筋とは関係ない末端のことです。二つの言葉は似ていますが、ニュアンスは異なるので注意してください。
些細と些末の英語表記の違い
些細も些末も英語にすると「trivial」「trifling」となり、例えば上記の「些細なこと」を英語にすると「a trivial matter」となります。
些細の意味
些細とは
些細とは、あまり重要ではないさま、取るに足らないさまを意味しています。
些細の漢字表記
些細は「瑣細」とも書きますが、一般的には「些細」と表記されています。
些細の読み方
些細の読み方は「ささい」です。誤って「ひさい」「にさい」などと読まないようにしましょう。
些細の使い方
些細を使った分かりやすい例としては、「些細なことでも構いませんので教えてください」「些細なことで英語を好きになることもあります「些細なことでも間違えると自分を責めてしまいます」などがあります。
その他にも、「些細なことで落ち込むことが多くなりました」「些細なものですが、どうぞ召し上がってください」「些細な事で泣くのはやめました」「年のせいか、些細な事で不安になります」などがあります。
些細の「些」は訓読みで「いささか」「すこし」と読み、ほんの少しであることを表す漢字です。こまかいことを表す「細」と組み合わさり、些細とは、問題にならないくらい小さくわずかな様子を意味します。基本的には悪い意味で使用され、良い意味で用いられることは少ない言葉です。
四字熟語「枝葉末節」の意味
些細なことを意味する四字熟語には「枝葉末節」があります。枝葉末節とは、幹から離れた枝葉と、材木の端にある節の意味から、さして重要ではない些細なこと、どうでもよいことを意味します。
些細の対義語
些細の対義語・反対語としては、極めて大切であることを意味する「重要」、重大な事柄を意味する「大事」などがあります。
些細の類語
些細の類語・類義語としては、本筋や中心から離れた重要でない部分を意味する「枝葉」、物事の本質的でない部分を意味する「末節」、取るにたりない事柄を意味する「小事」、ちょっとしたことを意味する「細事」などがあります。
些末の意味
些末とは
些末とは、重要でない、小さなことであるさまを意味しています。
些末の漢字表記
些末は「瑣末」とも書き、どちらかというと「瑣末」と表記されることが多くなっています。
些末の読み方
些末の読み方は「さまつ」です。誤って「にまつ」「ひまつ」などと読まないようにしましょう。
些末の使い方
些末を使った分かりやすい例としては、「些末なことに気を取られるな」「些末な質問で失礼します」「些末事でも構わないので話してください」「些末な文章になってしまった」「些末な出来事を流暢な英語で話した」などがあります。
その他にも、「些末なことでケンカになってしまいました」「手紙を読んでみると些末な内容であった」「些末なことで恐縮ですが教えてください」「些末な点を取り上げても時間の無駄だろう」などがあります。
些末の「些」は数量や程度がほんの少しであることを表し、「末」は大切でないことや取るに足らないことを表す漢字です。些末とは、あまり重要でないこと、ほんのちょっとしたことを意味します。
「些末主義」の意味
些末を用いた日本語には「些末主義」があります。些末主義とは、ごく細かなことを重視する考え方であり、どうでもいいようなごく細かいことにこわだる態度であり、「瑣末主義」とも書きます。
些末の対義語
些末の対義語・反対語としては、最も重要なことを意味する「肝心」、物事の最も大切なところを意味する「要諦」などがあります。
些末の類語
些末の類語・類義語としては、本質的でない取るに足りない事柄を意味する「枝葉末節」、瑣末さまつで取るに足りないさまを意味する「末梢的」、取るに足らないつまらないことを意味する「些事」、取り立てて問題にするほどではないことを意味する「何でもない」などがあります。
些細の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、取るに足りないほど細かいこと、わずかなことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、些細の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「些細なこと」「些細な間違い」などがあります。
些末の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、重要でない、ほんのちょっとしたことである様子を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、些末の慣用的な言い回しには「些末なこと」「些末な質問」などがあります。
些細と些末という言葉は、どちらも「大したことないさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、問題にならないわずかなことを表現したい時は「些細」を、本筋から外れた末端のことを表現したい時は「些末」を使うようにしましょう。