【進捗状況】と【進行状況】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「進捗状況」(読み方:しんちょくじょうきょう)と「進行状況」(読み方:しんこうじょうきょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「進捗状況」と「進行状況」という言葉は、どちらも「物事が進んでいる状況」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




進捗状況と進行状況の違い

進捗状況と進行状況の意味の違い

進捗状況と進行状況の違いを分かりやすく言うと、進捗状況とは物事が進んでいる度合いを表し、進行状況とは物事が進んでいる様子を表すという違いです。

進捗状況と進行状況の使い方の違い

一つ目の進捗状況を使った分かりやすい例としては、「現在の進捗状況を報告してください」「メールで進捗状況を報告しました」「進捗状況を定期的にモニタリングする」「進捗状況をしっかりと把握しましょう」などがあります。

二つ目の進行状況を使った分かりやすい例としては、「進行状況をメールで確認する」「進行状況を表にして可視化しましょう」「取組項目の進行状況評価シートを作成しました」「自動的に進行状況の更新をグラフに反映させる」などがあります。

進捗状況と進行状況の使い分け方

進捗状況と進行状況という言葉は、どちらも業務や作業などが進んでいるありさまを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

進捗状況とは、物事の進み具合を意味し、ビジネスの場においては業務やプロジェクトの進み度合いがどれ程であるかを示す言葉です。「営業目標に対する進捗状況は55%達成です」のように、計画や目標に対して、何パーセントあるいは何割ほど完了したかの進行の評価を表すことが多い言葉です。

進行状況とは、物事が進んでいる状態や様子を意味します。進捗状況のように度合いで示すのではなく、進行の事実をありのままに把握する場合に使用される言葉です。また、「病気の進行状況」のような使い方で、病状が悪化するありさまも表現することがあります。

つまり、進捗状況とは物事の進み具合を評価する言葉であり、進行状況とは物事が進んでいる様子を把握する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

進捗状況と進行状況の英語表記の違い

進捗状況も進行状況も英語にすると「progress」「status」となり、例えば上記の「現在の進捗状況」を英語にすると「the current progress」となります。

進捗状況の意味

進捗状況とは

進捗状況とは、業務や活動などの進み具合を意味しています。

進捗状況の読み方

進捗状況の読み方は「しんちょくじょうきょう」です。誤って「しんぽじょうきょう」などと読まないようにしましょう。

進捗状況の使い方

進捗状況を使った分かりやすい例としては、「英語の授業の進捗状況を報告します」「もっと頻繁に進捗状況を教えてください 」「進捗状況のご連絡ありがとうございます」「目標達成のために定期的に進捗状況を確認する」などがあります。

その他にも、「表を作成して進捗状況を見える化する」「エクセルで進捗状況を管理しましょう」「工事の進捗状況はいかがでしょうか」「ジェンダー平等の進捗状況をデータで示す」「モラハラ上司が進捗状況の報告を過度に求めてくる」などがあります。

進捗状況の「進捗」とは、物事がはかどることを意味し、仕事が順調に仕上がって行くことを表します。その場のありさまを表す「状況」と結びつき、進捗状況とは、物事がどの程度うまく進んでいるかを意味します。

進捗状況はビジネスシーンでよく使用されている

進捗状況という言葉は、おもにビジネスシーンで使用され、業務やプロジェクトが現在どの程度進んでいるのかを確認したり報告したりする際に用いられています。進捗状況は、具体的な数値やパーセンテージで表現されることが多く、「計画に対する進捗状況は6割程度です」のように示されます。

進捗状況の類語

進捗状況の類語・類義語としては、物事の進み方の程度を意味する「進度」、進行の勢いや活動するものの具合を意味する「調子」、事の成り行きのようすを意味する「事相」、物事の進みぐあいを意味する「テンポ」などがあります。

進行状況の意味

進行状況とは

進行状況とは、物事や作業などの進んでいる様子を意味しています。

進行状況の使い方

進行状況を使った分かりやすい例としては、「標記の件ですが進行状況はいかがでしょうか」「発注処理の進行状況によりキャンセル手数料が発生します」「ビジネスモデルテストの進行状況を早めに検証してください」などがあります。

その他にも、「社内システムでタスクの進行状況を管理する」「進行状況バーの表示方法を調べています」「作業の進行状況トラッカーをクリックしてください」「Googleフォームで進行状況が復元されましたと表示されました」などがあります。

進行状況の「進行」とは、あらかじめ考えていた線に沿って活動や作業などが進むこと、病状などが悪化することを意味します。その時々のありさまを表す「状況」と結びつき、進行状況とは、物事や作業などの進んでいる様相を意味します。

表現方法は「進行状況バー」

進行を用いた日本語には「進行状況バー」があります。進行状況バーとは、コンピューターの操作画面の表示要素の一つであり、処理や作業の進み具合を横長のバーで示すものです。これにより、時間を要するタスクがどの程度完了したのかを視覚的にわかります。「プログレスバー」とも言います。

進行状況の類語

進行状況の類語・類義語としては、物事が進歩や発展することを意味する「進展」、現在の状況や現状を意味する「現況」、時がたつにつれて状態が変化することを意味する「推移」、仕事などの進めかたの速度を意味する「ペース」などがあります。

進捗状況の例文と使い方

1.日本企業におけるSDGsの取り組み事例や、現時点での進捗状況をご紹介します。
2.メールで進捗状況を確認する際は、催促していると思われないように気を付けています。
3.各タスクの進捗状況を共有するために、業務報告書の書き方を見直すことにしました。
4.EV分野での新たなビジネスモデル構築の件ですが、進捗状況はいかがでしょうか。
5.英語の学習計画と実際の進捗状況にズレが生じたら、柔軟に計画を修正するようにしましょう。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の進み具合を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、進捗状況という言葉はビジネスシーンで多く使用されていますが、例文5のように学習計画の進み具合に関しても用いられることがあります。

進行状況の例文と使い方

1.司会者は、時間切れにならないようプログラムの進行状況を常にチェックしてください。
2.プロジェクトの件でございますが、進行状況はいかがでしょうか。
3.英語教育改善のための具体的な施策の進行状況について、各自治体の教育委員会に調査しています。
4.プログレスバーを表示してアプリケーションの進行状況を見ていますが、なかなか進まないようです。
5.持病の進行状況をチェックするため、定期的に病院に通っています。

この言葉がよく使われる場面としては、作業などがどれだけ進んでいるかの様子を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、進行状況という言葉はビジネスシーンで使用されることがほとんどですが、例文5にあるように病状の進行具合についても用いられています。

進捗状況と進行状況という言葉は、どちらも「何かが進んでいる状況」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、何かが進んでいる度合いを表現したい時は「進捗状況」を、何かが進んでいる様子を表現したい時は「進行状況」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター