似た意味を持つ「初見」(読み方:しょけん)と「一見」(読み方:いっけん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「初見」と「一見」という言葉は、どちらも「見ること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
初見と一見の違い
初見と一見の意味の違い
初見と一見の違いを分かりやすく言うと、初見とは初めて見ること、一見とは一度ちらっと見ることという違いです。
初見と一見の使い方の違い
一つ目の初見を使った分かりやすい例としては、「難しい曲を初見で演奏するなんて出来ません」「初見演奏にはコツがあります」「初見の人と会話が続かない」「今季初見の雪景色です」「初見さんのコメント大歓迎です」などがあります。
二つ目の一見を使った分かりやすい例としては、「一見して病人と分かる顔色であった」「一見ストイックそうだけどルーズな人だよ」「古い建物ですが一見すると綺麗にみえます」「一見の価値ありと称される絶景です」などがあります。
初見と一見の使い分け方
初見と一見という言葉は、どちらも「見ること」を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
初見とは、初めて見ることや、初めて会うことを意味します。また、「初見で演奏する」のような使い方で、音楽用語としても使われています。さらに、近年はネット用語として用いられており、初めてコンテンツを見る人を指すことがあります。
一見とは、一度見ることや、ちらっと見ることを意味します。「一見の価値あり」とは、一度は見ておくだけの値打ちがあることであり、見る対象として満足度が高いさまを表します。また、一見には「一度会うこと」の意味もありますが、この意味で使われることは少なくなっています。
初見と一見の英語表記の違い
初見を英語にすると「first sight」「first meeting」「sight-reading」となり、例えば上記の「初見で演奏する」を英語にすると「play at sight」となります。
一方、一見を英語にすると「glance」「look」「apparently」となり、例えば上記の「一見して」を英語にすると「at a glance」となります。
初見の意味
初見とは
初見とは、初めて見ること、初めて会うこと、初対面を意味しています。
その他にも、「その楽譜を初めて見て、ただちに歌い、または演奏すること」の意味も持っています。
初見の読み方
初見の読み方は「しょけん」です。誤って「はつみ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「初見の人」「初見ですが」「初見です」
「初見の人」「初見ですが」「初見です」などが、初見を使った一般的な言い回しです。
初見の使い方
「初見の客をもてなす」「和歌の英語訳なんて初見です」「ドラクエの初見殺し対策に解説動画をみる」「初見さん常連さんコメントお待ちしています」などの文中で使われている初見は、「初めて見ること、初めて会うこと」の意味で使われています。
一方、「ピアノを初見で弾ける人を尊敬します」「初見演奏のポイントを教えてください」「初見の歌唱するテストです」などの文中で使われている初見は、「楽譜を初めて見て直ぐに歌ったり演奏したりすること」の意味で使われています。
初見とは、文字通り「初めて見ること」が原義となり、初めて会うことも意味する言葉です。また、音楽用語として、新しい楽譜を少し見るだけで、即座に歌ったり演奏したりすることの意味でも用いられています。
「初見さん」の意味
近年、初見という言葉はネット用語としても使われています。SNSなどで話題となっている画像を初めて見た状況や、特定のコンテンツや投稿を初めて見る状況を意味し、そのような人を「初見さん」と言います。
「初見殺し」の意味
上記の例文の「初見殺し」の意味は、テレビゲームなどで、初めてプレイしたときに必ず受けてしまう攻撃のことです。
「初見殺し」の意味
初見の類語・類義語としては、関係者が初めて集まることを意味する「初顔合わせ」、初めて見ることや初めて会うことを意味する「見初める」、初めて見ることを意味する「見始め」などがあります。
一見の意味
一見とは
一見とは、一度見ること、ひととおり目を通すことを意味しています。
その他にも、「ちらっと見ること」「ちょっと見たところ」「一度会うこと、初対面」の意味も持っています。
表現方法は「一見すると」「一見さん」「一見の価値あり」
「一見すると」「一見さん」「一見の価値あり」などが、一見を使った一般的な言い回しです。
一見の使い方
「一見すると民家にみえる定食屋です」「頂上からの眺めは一見の価値あり」などの文中で使われている一見は「一度見ること」の意味で、「路面を一見しても凍結していると分からない」「一見して危険だと感じた」などの文中で使われている一見は「ちらっと見ること」の意味で使われています。
一方、「一見怖そうだけど親切な人だよ」「一見英語が得意そうだよね」などの文中で使われている一見は「ちょっと見たところ」の意味で、「彼とは一見したことがある」「一見なのに話が盛り上がった」などの文中で使われている一見は「一度会うこと」の意味で使われています。
一見の読み方
一見の読み方には二通りあり、「いっけん」の他に「いちげん」があります。「いちげん」と読む場合は、旅館や料理屋などの客がなじみでなく初めてであることを意味し、「一見さんお断り」のように使われています。
「いっけん」と読む場合の一見とは、上記の例文にあるように複数の意味がありますが、一般的には「一度見ること」「ちらっと見ること」の意味で使われています。「一度会うこと、初対面」の意味で使われることは少なくなっています。
「百聞は一見に如かず」の意味
一見を用いたことわざには「百聞は一見に如かず」があります。人から100回と何度聞くよりも、一度実際に自分の目で見るほうが確かであり、よく理解できることを意味します。
「一見落着」は誤り
一見を用いた誤った表現には「一見落着」があります。正しくは「一件落着」であり、問題になっていた物事が解決したり、決着することです。
一見の対義語
一見の対義語・反対語としては、つくづくと見ることを意味する「熟視」、目をこらして見つめることを意味する「凝視」、鋭い目つきで見まわすことや機会をうかがうことを意味する「虎視」、注意深くじっと見ることを意味する「注視」などがあります。
一見の類語
一見の類語・類義語としては、ちょっとだけ見ることや一度だけ見ることを意味する「一目」、ちらっと見ることを意味する「一瞥」、物事のようすなどの一端をうかがうことを意味する「垣間見る」、ちょっと見を意味する「打見」などがあります。
初見の例文
この言葉がよく使われる場面としては、初めて見ること、初めて会うこと、楽譜を初めてみて即座に弾いたり歌ったりすることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3にある初見は「初めて見ること」、例文4の初見は「初めて会うこと、初対面」の意味で用いられています。例文5の初見は、楽譜を初めてみて即座に演奏することを意味する音楽用語です。
一見の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一度見ること、ちらっと見ること、一度会うことを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の一見は「いっけん」と読み、一度見ること、ちらっと見ることを表しています。例文2の一見は副詞的用法で、「ちょっと見たところ」を意味します。例文5の一見は「いちげん」と読み、初めて対面することを意味します。
初見と一見という言葉は、どちらも「見ること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、初めて見ることを表現したい時は「初見」を、ちらっと見ることを表現したい時は「一見」を使うようにしましょう。