似た意味を持つ「順番」(読み方:じゅんばん)と「順序」(読み方:じゅんじょ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「順番」と「順序」という言葉は、どちらも「ある基準に従って決められた並べ方」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
順番と順序の違い
順番と順序の意味の違い
順番と順序の違いを分かりやすく言うと、順番とは代わる代わる物事に当たるさまを表し、順序とは一定の基準に従った並べ方や段取りを表すという違いです。
順番と順序の使い方の違い
一つ目の順番を使った分かりやすい例としては、「ばらばらになっているファイルを順番通りに並べる」「人物紹介の順番はビジネスマナーの基本です」「英語を勉強するのにベストな順番を教えます」「プログラムは順番通りに処理されています」などがあります。
二つ目の順序を使った分かりやすい例としては、「理路整然と順序立てて説明できない」「選択肢の順序効果を考慮する」「順序数を使った証明が読めるようになる」「順序尺度データを分析する方法を教えてください」「基本プロセスを順序よく進める」などがあります。
順番と順序の使い分け方
順番と順序という言葉は、どちらも特定の基準に従って決められた配列や、その配列によって物事を行うことを表しますが意味や使い方には違いがあります。
順番とは、順を追って代わる代わる物事に当たることを意味します。「順番通り」とは、1.2.3.4…のように番号に従って物事が行われることや、物事が段階的に進行するさまを言います。順番は、次々に何かに当たるさまを表現する言葉です。
順序とは、「順序数」「順序効果」のような使い方で、一定の規準による並び方や位置を意味します。また、「順序立てる」「順序を踏む」のような使い方で、物事を行う際の段取りや手順という意味もある言葉です。
つまり、順番とは代わる代わる物事に当たるさまを表現する時に用いられ、順序とは一定の基準に従った並べ方や手順を表現する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
順番と順序の英語表記の違い
順番も順序も英語にすると「order」「sequence」となり、例えば上記の「順番通りに」を英語にすると「in order」となります。
順番の意味
順番とは
順番とは、順序に従って代わる代わるそのことに当たること、その順序を意味しています。
順番の使い方
順番を使った分かりやすい例としては、「配布されたプリントの順番を揃える」「エクセルでデータの順番を並べ替える」「ルーレットで順番決めをしました」「順番が前後する場合があります」などがあります。
その他にも、「イラストを描き方の正しい順番を知りたい」「回答の順番は問わないので思い出した順で大丈夫です」「アプリで順番待ち予約をしました」「順番にご案内しますと外国人観光客に英語で伝えました」などがあります。
順番の「順」は訓読みで「したがう」と読み、筋道に従って進むことや物事の次第を表します。交代に事を行うことを表す「番」と結び付き、順番とは、ある配列の中で次々に何かに当たることを意味します。
「順番待ちシステム」の意味
上記の例文にある「順番待ちシステム」とは、受付システムの一つです。受付管理や行列解消を目的としたシステムであり、おもに飲食店や医療機関、自治体窓口など混雜や行列のできやすい施設に導入されています。
順番の対義語
順番の対義語・反対語としては、一定の基準によった並び方になっていないことを意味する「順不同」などがあります。
順番の類語
順番の類語・類義語としては、一定の規準に従って順々に並べることを意味する「序列」、地位などにより定められた順位を意味する「席次」、レースなどでゴールに到着した順序を意味する「着順」、順序や順番を意味する「オーダー」などがあります。
順序の意味
順序とは
順序とは、ある基準に従った並び方、その位置、順番を意味しています。
その他にも、「物事を行う手順、段取り」の意味も持っています。
順序の使い方
「物事を順序だてて組み立てることが苦手です」「順序尺度の例としてがんのステージ分類を取り上げる」「Dフリップフロップを用いて順序回路を設計する」「順序ロジスティック回帰分析が得意です」などの文中で使われている順序は、「ある基準に従った並び方」の意味で使われています。
一方、「恋愛は順序を踏むことが大事なのだろうか」「まずは資金を確保することが順序だろう」「順序が悪くて失敗してしまった」などの文中で使われている順序は、「物事を行う手順や段取り」の意味で使われています。
順序とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。順序の「順」は秩序のある道筋を表し、「序」は一定の基準に従った並びを表す漢字です。
「順序尺度」の意味
順序を用いた日本語には「順序尺度」があります。順序尺度とは、「序数尺度」とも呼ばれ、与えられた数値の大小関係だけが意味をもつ尺度を意味します。例えば、「1満足、 2普通、 3不満」のように順序に意味はあるが、その間隔には意味がない尺度のことを言います。
順序の対義語
順序の対義語・反対語としては、一つにまとまらないで分散しているさまを意味する「ばらばら」などがあります。
順序の類語
順序の類語・類義語としては、順序に従ってきめた位置や地位を意味する「順位」、座席のならぶ順序を意味する「席順」、物事が行われる際の一定の順序を意味する「次第」、物事の進行上の段階を意味する「ステップ」などがあります。
順番の例文
この言葉がよく使われる場面としては、順を追ってかわるがわるその事に当たること、その順序、輪番を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、順番という言葉は、日常会話からビジネスシーンまで幅広い場面で用いられています。
順序の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一定の規準による並び方、物事を行なう手順や仕事の段取りを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある順序と手順の違いは、順序は物事を行なう順番を全体的にみていう言葉であり、手順は順序に合わせて何かをすることを表す点にあります。
順番と順序という言葉は、どちらも「一定の基準に従って決められた並び方」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ある並び方の中で次々に何かに当たるさまを表現したい時は「順番」を、それぞれの要素が整然と並べられていることを表現したい時は「順序」を使うようにしましょう