似た意味を持つ「現時点」(読み方:げんじてん)と「現段階」(読み方:げんだんかい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「現時点」と「現段階」という言葉は、どちらも現在のありさまを表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
現時点と現段階の違い
現時点と現段階の意味の違い
現時点と現段階の違いを分かりやすく言うと、現時点とは現在を時間的に捉える表現、現段階とは現在を段階的に捉える表現という違いです。
現時点と現段階の使い方の違い
一つ目の現時点を使った分かりやすい例としては、「現時点の状況を報告してください」「現時点ではスケジュールに変更はありません」「現時点までプロジェクトは順調に進んでいます」「現時点で代表戦に立候補するつもりはありません」などがあります。
二つ目の現段階を使った分かりやすい例としては、「現段階でお話しできることは何もありません」「現段階では英語の基礎を固めるべきです」「現段階では人間が行っている業務を将来的にはAIが担うだろう」などがあります。
現時点と現段階の使い分け方
現時点と現段階という言葉は、どちらも現在のありさまや今の様子を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
現時点とは、今の時点や現在を意味し、流れる時の中にある今この時を表す言葉です。物事を時間的流れにおいて捉える時に使用され、「現時点では」は今後変わる可能性があることを念頭に現在について言及する表現です。
現段階とは、今の段階を意味し、物事が進行する過程の中での現在の段階を表します。物事のプロセスを区切って捉える時に使用され、「現段階では」はいくつか段階があるときに現在の状況についていう表現です。
つまり、現時点とは現在の様子を時間的に捉える時に用いられ、現段階とは現在の様子を段階的に捉える時に使用される言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
現時点と現段階の英語表記の違い
現時点を英語にすると「the present time」「this time」となり、例えば上記の「現時点の状況」を英語にすると「the present situation」となります。
一方、現段階を英語にすると「the present stage」「the current level」「current stage」となり、例えば上記の「現段階で」を英語にすると「at the present stage」となります。
現時点の意味
現時点とは
現時点とは、現在の時点、今 (いま) 現在を意味しています。
表現方法は「現時点において」「現時点まで」
「現時点において」「現時点まで」などが、現段階を使った一般的な言い回しです。
現時点の使い方
現時点を使った分かりやすい例としては、「現時点までの経緯を確認する」「現時点では台風は上陸する可能性が高くなっています」「現時点で英語をビジネスで使うことはありません」「現時点で無理に決めなくても大丈夫です」などがあります。
その他にも、「現時点ではアカウントを復元できません」「現時点では動画のサムネイルを変更できません」「現時点ではこれにはアクセスできません」「現時点ではメッセージを翻訳できませんでした」などがあります。
現時点とは、「現」と「時点」から成る熟語です。「現」は目のあたりや今を表し、「時点」は時の流れの上にある一点またはある時期を表します。現時点とは、時間的流れの中での今、この時を意味します。
現時点の特徴
現時点という言葉は、日常会話からビジネス会話まで幅広い場面で使用されています。今まさに起こっていることや瞬間的な現在を表現し、過去の話や未来の出来事などを指すことに用いることはできません。
現時点の対義語
現時点の対義語・反対語としては、過去のある時点や時期を意味する「当時」、これから先を意味する「将来」などがあります。
現時点の類語
現時点の類語・類義語としては、今この時や現在を意味する「只今」、現在の時点や今の時代を意味する「現時」、さしあたりや現在を意味する「目下」、まのあたりや現在を意味する「現下」などがあります。
現段階の意味
現段階とは
現段階とは、現在の段階を意味しています。
表現方法は「現段階では」「現段階において」
「現段階では」「現段階において」などが、現段階を使った一般的な言い回しです。
現段階の使い方
現段階を使った分かりやすい例としては、「現段階での見解をお聞かせください」「調査中の現段階で結論付けることはできません」「現段階でできることから着手する」「現段階では日常会話程度の英語も話せません」などがあります。
その他にも、「あくまでも現段階での予定です」「現段階ではビジネスとして成立していません」「現段階でお話しできる範囲でご回答いたします」「終末期医療の現段階はどのようになっていますか」などがあります。
現段階とは、「現」と「段階」から成る熟語です。「段階」は物事の状態が進む過程の一区切りであり、実際のところ今やを表す「現」と組み合わさり、現段階とは、物事が進行する過程における今の段階を意味します。
現段階の特徴
現段階という言葉は、日常会話よりもビジネス会話で使用されることが多い言葉です。物事を進めていく過程をいくつかの区切りとして捉え、現在の段階を表現する場合に用いられています。先の段階を表す場合は「次の段階」「次のステップ」などと表現します。
現段階の対義語
現段階の対義語・反対語としては、複数の段階のうち手前に位置している段階を意味する「前段階」、現在のあとに来る時を意味する「未来」などがあります。
現段階の類語
現段階の類語・類義語としては、現在の状況を意味する「現況」、現在の状態やありさまを意味する「現状」、その時の状況や状態を意味する「局面」、現在の勢力または情勢を意味する「現勢」などがあります。
現時点の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、現在という時点、いま現在を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、現時点という言葉はビジネスシーンにおいても使用されています。
現段階の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、現在の段階を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、現段階という言葉はビジネスシーンで用いられることが多くあります。
現時点と現段階という言葉は、どちらも「現在の様子」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、現在の様子を時間的に表現したい時は「現時点」を、現在の様子を段階的に表現したい時は「現段階」を使うようにしましょう。