【それとなく】と【さりげなく】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「それとなく」と「さりげなく」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「それとなく」と「さりげなく」という言葉は、どちらも相手に気づかれすぎないように自然に何かをすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「それとなく」と「さりげなく」の違い

「それとなく」と「さりげなく」の違いを分かりやすく言うと、「それとなく」は遠回しに伝えること、「さりげなく」は目立たないように自然に行動することという違いです。

一つ目の「それとなく」を使った分かりやすい例としては、「それとなく帰るタイミングを見計らうことにする」「彼の気持ちをそれとなく確かめたかったです」「彼女の悩みをそれとなく聞き出しました」「彼にはそれとなく忠告しておいた」などがあります。

二つ目の「さりげなく」を使った分かりやすい例としては、「プレゼントをさりげなく渡すことができました」「彼女はさりげなく心配してくれました」「彼の優しさはいつもさりげなく伝わります」「彼はさりげなくドアを開けてくれた」などがあります。

「それとなく」と「さりげなく」はどちらも相手に気づかれすぎないように自然に何かをすることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「それとなく」は「彼にはっきり言えないから、それとなく伝えておいた」のように、はっきり言わずに遠回しに伝えたり、控えめに気持ちを示す時に使う言葉です。言葉や行動のニュアンスをぼかして伝える時によく使われます。

一方、「さりげなく」は「彼女がさりげなく席を譲ってくれた」のように、目立たないように自然に行動する時に使う言葉です。あえて目立たず自然体で振る舞ったり、思いやりや気配りを感じさせる場面で使われることが多いです。

つまり、遠回しに伝えるのが「それとなく」、目立たないように自然に行動するのが「さりげなく」と覚えておきましょう。

「それとなく」を英語にすると「indirectly」「hint at」「subtly」となり、例えば上記の「彼にはそれとなく忠告しておいた」を英語にすると「I gave him a subtle hint」となります。

一方、「さりげなく」を英語にすると「casually」「nonchalantly」「naturally」となり、例えば上記の「彼はさりげなくドアを開けてくれた」を英語にすると「He casually held the door open for me」となります。。

「それとなく」の意味

「それとなく」とは、はっきりと言わずに遠回しに示すことを意味しています。

「それとなく聞く」「それとなく伝える」などが、「それとなく」を使った一般的な言い回しになります。

「それとなく」を使った分かりやすい例としては、「彼にはそれとなくヒントを与えておいた」「彼女にそれとなく好意を示しました」「課題の締め切りをそれとなくリマインドする」「それとなく探りを入れてみたが答えは得られませんでした」などがあります。

「それとなく」は相手に気づかれすぎないように、言葉や態度にさりげなく含みを持たせて伝えるときに使われる言葉です。簡単に言うならば、直接的に言い切らずに遠回しに伝えたり、目立たないように示唆したりするニュアンスを含んでいます。

「それとなく」は人間関係の中で相手の気持ちを害さずに自分の意見や意思を伝えたいときに用いられるというのが特徴です。特に、相手にストレートに言うと角が立つ内容や、あからさまに指摘すると気まずくなる話題などに対してよく使われています。

「それとなく」は日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても使うことができる言葉と覚えておきましょう。

「それとなく」の類語・類義語としては、相手にあまり気づかれないように配慮することを意味する「遠回し」、控えめに示すことを意味する「ほのめかす」などがあります。

「さりげなく」の意味

「さりげなく」とは、特に気にしていないような素振りで自然に物事を行うことを意味しています。

「さりげなく近づく」「さりげなく伝える」などが、「さりげなく」を使った一般的な言い回しになります。

「さりげなく」を使った分かりやすい例としては、「彼女はさりげなく席を譲りました」「彼はさりげなくドアを開けてくれた」「さりげなく褒めるのが彼の得意技です」「大事な話をさりげなく切り出しました」「彼女はさりげなく目をそらす」などがあります。

「さりげなく」は、特に意識しているように見せずに自然な振る舞いをする様子を表す言葉です。簡単に言うならば、自分の気持ちや意図をあまり表に出さず、何気ない雰囲気で行動することを指しています。

「さりげなく」は人との関わりの中で相手に負担をかけずに気遣いを示したり、自分の好意や優しさを押し付けがましくなく伝えたいときに使うのが特徴です。

そのため、誰かが困っているときに、わざとらしくなくそっと手助けをしたり、褒めたいときに相手が照れないよう言葉を添える際に使用することが多いでしょう。

また、「さりげなく」は日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても使うことができます。

「さりげなく」の類語・類義語としては、目立たないように物事を行うことを意味する「何気なく」や、控えめにする様子を表す「そっと」などがあります。

「それとなく」の例文

1.直接言うと角が立つので、彼にはそれとなく考えを伝えるようにしています。
2.上司に意見を言いにくかったので、会話の流れでそれとなく話題を出しました。
3.彼女が疲れているようだったので、無理しないようにとそれとなく声をかけました。
4.みんなの前では言えなかったので、帰り道にそれとなく本音を打ち明けました。
5.先輩に無理をさせないように、休んだほうがいいとそれとなく勧めておきました。

この言葉がよく使われる場面としては、はっきりと言わずに遠回しに示すことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「それとなく」は遠回しに伝える時に使う言葉です。

「さりげなく」の例文

1.人前では照れくさいので、ありがとうの言葉をさりげなく伝えるようにしています。
2.重そうな荷物を見かけたので、彼にはさりげなく手伝ってもらいました。
3.彼の落ち込みに気づいたので、元気づける言葉をさりげなくかけました。
4.帰り際、彼らにさりげなくお礼の品を渡しておきました。
5.友達の失敗をフォローするために、さりげなく話題を変えて助けました。

この言葉がよく使われる場面としては、特に気にしていないような素振りで自然に物事を行うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「さりげなく」は目立たないように自然に行動する時に使う言葉です。

「それとなく」と「さりげなく」はどちらも相手に気づかれすぎないように自然に何かをすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、遠回しに伝えるのが「それとなく」、目立たないように自然に行動するのが「さりげなく」と覚えておきましょう。

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