【撫でる】と【さする】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「撫でる」(読み方:なでる)と「さする」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「撫でる」と「さする」という言葉は、どちらも手のひらを人の体や物の表面に軽く押し当てたまま何度も動かすことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「撫でる」と「さする」の違い

「撫でる」と「さする」の意味の違い

「撫でる」と「さする」の違いを分かりやすく言うと、「撫でる」は愛情表現や触感を確かめたり楽しんだりする目的で行うことが多い、「さする」は苦痛を和らげるために行うことが多いという違いです。

「撫でる」と「さする」の使い方の違い

一つ目の「撫でる」を使った分かりやすい例としては、「風に吹き上げられた彼女のマフラーの先が私の頬を撫でる」「子供の頭を撫でる」「彼は顎髭を撫でる」「彼女の髪を撫でる」「犬はお腹を撫でられると喜びます」などがあります。

二つ目の「さする」を使った分かりやすい例としては、「おじいちゃんの背中をさする」「たんこぶが出来たところをさする」「足の裏をさすっていると少しずつ楽になってきました」「試合で疲れた足をさする」などがあります。

「撫でる」と「さする」の使い分け方

「撫でる」と「さする」はどちらも手のひらを人の体や物の表面に軽く押し当てたまま何度も動かすことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「撫でる」は「子どもの頭を撫でる」「犬の背中を優しく撫でる」などのように、愛情表現や触感を確かめたり楽しんだりする目的で行うことが多い言葉になります。

一方、「さする」は「お腹を痛がる子どもをさする」「おばあちゃんの背中をさすってあげる」などのように、苦痛を和らげるために行うことが多いというのが違いです。

つまり、「撫でる」と「さする」は目的が異なっている言葉と覚えておきましょう。

「撫でる」と「さする」の英語表記の違い

「撫でる」も「さする」も英語にすると「stroke」「rub」となり、例えば上記の「犬はお腹を撫でられると喜びます」を英語にすると「Dogs like to be stroked on the stomach」となります。

「撫でる」の意味

「撫でる」とは

「撫でる」とは、手のひらで軽く触ることを意味しています。その他にも、物や風などが軽く触れることの意味も持っています。

「撫でる」の使い方

「犬の頭を撫でる」「息子の背中を撫でる」などの文中で使われている「撫でる」は、「手のひらで軽く触ること」の意味で使われています。

一方、「高原の風が頰を撫でる」「春のそよ風が頬を優しく撫でる」などの文中で使われている「撫でる」は、「物や風などが軽く触れること」の意味で使われています。

「撫でる」は手のひらで軽く触ることと、物や風などが軽く触れることの二つの意味を持つ動詞です。

「撫でる」の特徴

一般的に使われているのは手のひらで軽く触ることの意味で、物や風などが軽く触れることの意味は小説などの文学的な表現としてよく使われています。

「撫でる」は手を添えてやさしく触れることで気持ちを落ち着けたり、愛情を表現したりする場合に使います。そのため、プラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「撫でる」は人間だけではなく、犬や猫の動物などにも使うことができます。

「撫でる」の類語

「撫でる」の類語・類義語としては、物理的に手で軽く接触することを意味する「触る」、髪や毛などを整えながら撫でることを意味する「撫でつける」などがあります。

「さする」の意味

「さする」とは

「さする」とは、手のひらなどでからだや物の表面をくりかえし軽くこすることを意味しています。

「さする」の漢字表記

「さする」を漢字にすると、「摩る」や「擦る」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「さする」を使うようにしましょう。

表現方法は「背中をさする」「腕をさする」「足をさする」

「背中をさする」「腕をさする」「足をさする」などが、「さする」を使った一般的な言い回しになります。

「さする」の使い方

「さする」を使った分かりやすい例としては、「彼女は泣きながら目をさすって涙を拭いた」「お母さんが私の手をさすってくれると少し元気が出てきました」「疲れた身体をさすりながら休憩を取ることにしました」「怪我をした父の背中をさする」などがあります。

「さする」は手のひらなどでからだや物の表面をくりかえし軽くこすることを意味する動詞です。

「さする」の特徴

「さする」はただ触るのではなく、リラックスできるように心地よさを感じさせる行為になっています。そのため、「背中をさする」「肩をさする」など、その部分を触って苦痛を和らげるために行うことが多いというのが特徴です。

「さする」は人間だけではなく、犬や猫の動物などにも使うことができると覚えておきましょう。

「さする」の類語

「さする」の類語・類義語としては、物を他の物に強く押し当てたままで動かすことを意味する「こする」、こすって汚れをとったりつやを出したりすることを意味する「磨く」などがあります。

「撫でる」の例文

1.赤ちゃんの背中を優しく撫でてあげると、安心して眠りにつきました。
2.疲れた彼の手を撫でて、少しでも気持ちを楽にしてあげたかったです。
3.彼女は泣いている友達の背中をそっと撫でて、励ましていました。
4.カーテンが風に揺れて、彼女の肩をそっと撫でていました。
5.朝日が窓から差し込んで、まるで光が肌を撫でているようでした。

この言葉がよく使われる場面としては、手のひらで軽く触ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物や風などが軽く触れることを表現した時にも使います。

例文1から例文3は手のひらで軽く触ること、例文4と例文5は物や風などが軽く触れることの意味で使っています。

「さする」の例文

1.身体の調子が良くないので、マッサージをしてもらって肩をさすってもらいました。
2.手のひらで猫の頭を優しくさすりながら、眠っているのを見守りました。
3.腰が痛くなったので、夫にさすってもらうことにしました。
4.病気で寝込んでいる友達の腕を優しくさすって、絶対復帰できるよと励ましました。
5.冷たい風で赤くなった息子の顔を、手でさすって温めました。

この言葉がよく使われる場面としては、手のひらなどでからだや物の表面をくりかえし軽くこすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「さする」は苦痛を和らげるために行うことが多い言葉です。

「撫でる」と「さする」はどちらも手のひらを人の体や物の表面に軽く押し当てたまま何度も動かすことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、愛情表現や触感を確かめたり楽しんだりする目的で行うことが多いのが「撫でる」、苦痛を和らげるために行うことが多いのが「さする」と覚えておきましょう。

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