【人物像】と【人材像】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「人物像」(読み方:じんぶつぞう)と「人材像」(読み方:じんざいぞう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「人物像」と「人材像」という言葉は、どちらも「求める人物のイメージを具体的に示したもの」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




人物像と人材像の違い

人物像と人材像の意味の違い

人物像と人材像の違いを分かりやすく言うと、人物像とは人の性格や資質に着目した表現、人材像とは人のスキルや能力に着目した表現という違いです。

人物像と人材像の使い方の違い

一つ目の人物像を使った分かりやすい例としては、「裸の人物像は公共の場にふさわしくないだろう」「人物像のシルエットをイラストにする」「小説の人物像や人間関係を明らかにする」「アイドルが将来なりたい人物像を明かしました」「現代の企業が求める人物像を解説します」などがあります。

二つ目の人材像を使った分かりやすい例としては、「弊社が求める人材像についてご紹介します」「求める人材像を明確にして就活生に発信する」「採用活動でどのような人材像を求めていますか」などがあります。

人物像と人材像の使い分け方

人物像と人材像という言葉は、どちらも企業の採用活動で使用され、求める人物のイメージを具体的に示したものを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

人物像とは、もともと「人物の姿や形」を意味しますが、採用活動においては「こうあってほしいと思う人物のあり方」の意味で使用される言葉です。人物像は、その人の性格や資質あるいは行動パターンに着目した言い方です。

人材像とは、企業に求められるスキルや能力を具体的に示したものを意味します。求められる人材像は業種や職種、各企業によって異なりますが、一般的には、コミュニケーションスキルや英語力、またITスキルなどが重視されています。

つまり、人物像とは人の性格や資質を具体的に示したものであり、人材像とは人が持っている能力やスキルを具体的に示したものです。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

人物像と人材像の英語表記の違い

人物像を英語にすると「figure」「statue」「portrait」となり、例えば上記の「裸の人物像」を英語にすると「a statue of a naked human figure」となります。

一方、人材像を英語にすると「type of worker」「type of human resource」となり、例えば上記の「求める人材像」を英語にすると「desired human resources」となります。

人物像の意味

人物像とは

人物像とは、人物の姿や形を意味しています。

その他にも、「その人がもっている性格や人柄など」「こうあってほしいと思う人物のあり方」の意味も持っています。

人物像の使い方

「リアルな人物像が描けるようにする」の文中で使われている人物像は「人物の姿や形」の意味で、「国語の問題で人物像を捉えることが苦手です」「患者の人物像が見えてくる看護計画の書き方を教えてください」などの文中で使われている人物像は「人の性格や人柄など」の意味で使われています。

一方、「企業が求める人物像を理解する」「自社の魅力や求める人物像を見極める」「望ましい英語教師の人物像とはどのようなものですか」などの文中で使われている人物像は、「こうあってほしいと思う人物のあり方」の意味で使われています。

人物像とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。人物像の「人物」は人間や人となりを表し、「像」は目に映るものの姿や思い描くイメージを表します。

「企業が求める人物像」の意味

上記の例文にある「企業が求める人物像」とは、企業が持続的に成長していくために必要な人材をを具体的にイメージできるような条件を表します。好奇心が旺盛であったり、チャレンジ精神があるなど、性格や考え方あるいは行動特性などに着目したものです。

人物像の類語

人物像の類語・類義語としては、人の姿や顔を写した絵や彫刻などの像を意味する「肖像」、人についての批評を意味する「人物評」、肖像や文章による人物描写を意味する「ポートレート」などがあります。

人材像の意味

人材像とは

人材像とは、特定の組織に求められるスキルや能力を備えた人物のイメージを意味しています。

人材像の読み方

人材像の読み方は「じんざいぞう」です。誤って「じんざいしょう」「にんざいぞう」などと読まないようにしましょう。

人材像の使い方

人材像を使った分かりやすい例としては、「理念の実現化をイメージして人材像を策定する」「人材像のキーワードをカードに書き入れる」「英語教育業界で求める人材像はどのようなものですか」などがあります。

その他にも、「人材像の要素には能力や経験などがあります」「自律して挑戦し続ける人物こそ求める人材像です」「フレームワークを用いて人材像を定める」「必要なスキルや能力を定義して人物像を設定する」などがあります。

人材像の「人材」とは、才能があり役に立つ人、才知のすぐれた人物を表します。物の形や思い描く姿を表す「像」と結びつき、人材像とは、特定の組織や役割に求められるスキルや能力を備えた人物のイメージを意味します。

人材像という言葉は、企業の採用活動の過程で使用されることが多い言葉です。企業が求める人材像とは、組織の目標や役割に沿ったスキルや能力を持っているかどうか判断するものであり、採用基準に関わるものです。

人材像の類語

人材像の類語・類義語としては、企業が求める従業員の能力や行動特性などの総合的なイメージを意味する「社員像」、理想的な姿やあり方を意味する「理想像」、その人の略歴や人物評を意味する「プロファイル」などがあります。

人物像の例文

1.企業が英語を使える人材を求めていなければ、英語力をアピールしても意味がありません。
2.採用成功の秘訣は、具体的な人物像を設定して採用ペルソナを人事担当者間で共有することです。
3.物語文では、登場人物の人物像を捉えることや心情を的確に読み取ることが大切です。
4.人柄採用でミスマッチを防ぐために、求める人物像を具体的に定義しておきましょう。
5.応募した会社が求める人物像と自分の性格が一致していないので、採用されないかもしれません。

この言葉がよく使われる場面としては、人物の姿や形、特定の人物に関する性格や行動特性、人物のあり方などを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、人物像という言葉は、ビジネスシーンや採用活動で使用されることが多くあります。

人材像の例文

1.企業に採用したい人材像を調査したところ、コミュニケーション能力を重視していることがわかりました。
2.採用活動で必要となる人材像を明確化するためのフレームワークの手法をご紹介いたします。
3.私たちが目指す人材像は、英語を通じて子どもと接し共に成長していく前向きな人です。
4.トヨタが求める人材像を見ると、世界で通用するブランド力を積み上げてきた理由がわかる気がします。
5.グローバル時代の企業が求める人材像は、高い英語力だけではありません。

この言葉がよく使われる場面としては、企業が求める人材の採用基準を具現化したものを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、人材像という言葉は、主にビジネスシーンや採用活動で用いられています。

人物像と人材像という言葉は、どちらも「求める人物のイメージを具体的に示したもの」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、性格や資質を総合的に表現したい時は「人物像」を、スキルや能力を具体的に示したものを表現したい時は「人材像」を使うようにしましょう。

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