似た意味を持つ「窓際族」(読み方:まどぎわぞく)と「社内ニート」(読み方:しゃないにーと)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「窓際族」と「社内ニート」という言葉は、どちらも会社に雇用されているが社内で仕事がない人のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「窓際族」と「社内ニート」の違い
「窓際族」と「社内ニート」の意味の違い
「窓際族」と「社内ニート」の違いを分かりやすく言うと、「窓際族」とは定年が近い中高年に対して使う、「社内ニート」とは若年層に対して使うという違いです。
「窓際族」と「社内ニート」の使い方の違い
一つ目の「窓際族」を使った分かりやすい例としては、「彼は出世競争から脱落した窓際族です」「窓際族にならないために必死に努力している」「窓際族なので毎日新聞を読んで時間を潰している」などがあります。
二つ目の「社内ニート」を使った分かりやすい例としては、「上司からいじめを受けて社内ニートになってしまった」「社内ニートを想像していたよりもずっと大変でした」「社内ニートにならないために必死に仕事を探す」などがあります。
「窓際族」と「社内ニート」の使い分け方
「窓際族」と「社内ニート」は、どちらも会社に雇用されているが社内で仕事がない人のことという同じ意味を持つ言葉ですが、使い方が少し違うので注意が必要です。
「窓際族」は主に出世コースから外れた定年が近い中高年に使うのに対して、「社内ニート」は20代や30代の若年層に対して使う言葉と覚えておきましょう。
「窓際族」と「社内ニート」の英語表記の違い
「窓際族」を直訳した英語はないのですが、近い表現として「sidetracked employees」があります。一方、「社内ニート」を英語にすると「Neet at workplace」「Neeting out at work 」となります。
「窓際族」の意味
「窓際族」とは
「窓際族」とは、会社で第一線のポストからはずされて閑職に追いやられた中高年のことを意味しています。
表現方法は「窓際族が羨ましい」「窓際族は辛い」「窓際族になりたい」
「窓際族が羨ましい」「窓際族は辛い」「窓際族になりたい」などが、「窓際族」を使った一般的な言い回しになります。
「窓際族」の使い方
「窓際族」を使った分かりやすい例としては、「窓際族として悶々とした日々を過ごしている」「私の肩書は次長だが実際はただの窓際族です」「今まで出世街道を歩いてきたものにとって解雇されず窓際族になるのは苦痛だろう」などがあります。
「窓際族」とは会社で第一線のポストからはずされて閑職に追いやられた人のこと、つまり出世コースから外れてしまった中高年の社員のことを指します。
「窓際族」の由来
「窓際族」の語源は北海道新聞のコラムになります。
安定成長期で円高不況時であった1977年6月に、製造ラインの管理職から外れて仕事も与えられず窓際に追いやられた中高年層がデスクで新聞を読んだり、外を眺めては時間を潰すという光景を「窓際おじさん」と掲載しており、これが元となり「窓際族」という言葉が生まれました。
「窓際族」が生まれる原因
「窓際族」が生まれてしまう原因は、高度経済成長期に終身雇用制が定着したからです。そのため、能力や人間関係などの理由から年齢に応じた適切なポストを社内に用意できない社員であっても定年まで雇用を続けざるをえないという状況になっていました。
「窓際族」は名ばかりの肩書を与えて実質的な仕事をさせない体のよい厄介払いとも言われています。
「窓際族」の類語
「窓際族」の類語・類義語としては、敗残者のことを意味する「負け犬」、勝負や競争などに負けた者のことを意味する「敗北者」などがあります。
「社内ニート」の意味
「社内ニート」とは
「社内ニート」とは、会社に雇用されているが社内で仕事がない人のことを意味しています。
表現方法は「社内ニートがむかつく」「社内ニートは辛い」「社内ニートを脱出する」
「社内ニートがむかつく」「社内ニートは辛い」「社内ニートを脱出する」などが、「社内ニート」を使った一般的な言い回しになります。
「社内ニート」の使い方
「社内ニート」を使った分かりやすい例としては、「この会社は一度社内ニートになったら二度と出世できないと言われている」「スキルアップすることができないので社内ニートはとても辛い」「私は人付き合いが上手ではないので社内ニートになってしまった」などがあります。
「社内ニート」とは会社に雇用されているが社内で仕事がない人のことで、労働者であるためニートではないが、会社へ行ってもほとんど働いていない人のことを指します。
「社内ニート」の語源
「社内ニート」の「ニート」とは、Not in Education, Employment or Trainingの頭文字を取ったもので、就学も労働も職業訓練もしない非労働者のことを指します。「ニート」は1990年代後半から使われ始めた言葉で、イギリスの労働政策において用いられたことによって生まれました。
「社内ニート」は主に20代から30代の若年層に対して使う言葉で、一見気楽に見えるが、将来の仕事につながる人脈やスキルを構築する機会も与えられないため、モチベーションが高い労働者にとってとても辛い立場になります。
「社内ニート」が生まれる原因
ではなぜ、「社内ニート」が発生してしまうのかというと、日本では一度正規雇用として雇うと簡単に解雇できないことが原因です。そのため、周囲からの評価が低く仕事が与えられなかったり、そもそも部署が暇で仕事が回ってこない人が社内ニートと化してしまいます。
「社内ニート」がやる暇つぶし
実際の「社内ニート」の人たちがやってる暇つぶし方法としては、「居眠り」「ネットサーフィン」「資格の勉強」などがあります。
「窓際族」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、会社で第一線のポストからはずされて閑職に追いやられた中高年のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「窓際族」はマイナスなイメージで使う言葉です。
「社内ニート」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、会社に雇用されているが社内で仕事がない人のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「社内ニート」はマイナスなイメージで使う言葉です。
「窓際族」と「社内ニート」という言葉は、どちらも会社に雇用されているが社内で仕事がない人のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、定年が近い中高年に使う時は「窓際族」を、若年層に対して使う時は「社内ニート」を使うようにしましょう。