【試す】と【試みる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「試す」(読み方:ためす)と「試みる」(読み方:こころみる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「試す」と「試みる」という言葉は、どちらも実際にあたって確かめることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「試す」と「試みる」の違い

「試す」と「試みる」の意味の違い

「試す」と「試みる」の違いを分かりやすく言うと、「試す」は対象とするものの実態や性質を知るためにやるというニュアンスで使う、「試みる」は結果は分からないがとにかくやってみるというニュアンスで使うという違いです。

「試す」と「試みる」の使い方の違い

一つ目の「試す」を使った分かりやすい例としては、「この機械が動くかどうか試す」「体力の限界まで試す」「生徒の学力を試すために小テストを行う」「この製品の耐久性を試す」「人を試すような行為は好みません」などがあります。

二つ目の「試みる」を使った分かりやすい例としては、「新しい実験を試みる」「彼らは政府に対して抵抗を試みる」「この部屋からの脱出を試みる」「被災地にいる友人と連絡を取ろうか試みる」「彼女は受験を再び試みる」「彼女は来年はエベレスト登山を試みる」などがあります。

「試す」と「試みる」の使い分け方

「試す」と「試みる」はどちらも実際にあたって確かめることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「試す」は物事の良否や真偽や能力の程度などを実際に調べ確かめることを意味しており、対象とするものの実態や性質を知るためにやるというニュアンスで使います。

一方、「試みる」は実際に効力や効果などを試すために行うことを意味しており、結果は分からないがとにかくやってみるというニュアンスで使うというのが違いです。

したがって、「脱出を試みる」という言い回しは使うことができますが、「脱出を試す」のような言い回しは使いません。

「試す」と「試みる」の英語表記の違い

「試す」も「試みる」も英語にすると「try」「test」「attempt」となり、例えば上記の「彼女は来年はエベレスト登山を試みる」を英語にすると「She will attempt to climb Mt. Everest next year」となります。

「試す」の意味

「試す」とは

「試す」とは、物事の良否や真偽や能力の程度などを実際に調べ確かめることを意味しています。

「試す」の読み方

「試す」の読み方は「ためす」です。誤って「こころす」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「人を試す」「実力を試す」

「人を試す」「実力を試す」などが、「試す」を使った一般的な言い回しになります。

「試す」の使い方

「試す」を使った分かりやすい例としては、「新しいフェイントを練習試合で試す」「私たちは新しいプログラムを試すことにしました」「新しく完成した刀の切れ味を試す」「わざと別れ話をして引き留めてくれるか彼を試す」などがあります。

「試す」は物事の良否や真偽や能力の程度などを実際に調べ確かめることを意味する動詞です。

「試す」は対象とするものの実態や性質を知るためにやるというニュアンスで使い、本当かどうかの確認をする意が強い言葉になります。

また、「試す」は広く一般的に使われており、ブログや雑誌などのカジュアルな場面においても使用されています。

「試す」の類語

「試す」の類語・類義語としては、事柄の当否などを確かめるために実際にやってみることを意味する「実験する」、実際に物事に当たって調べ仮説などを証明することを意味する「検証する」、試しにやってみることを意味する「試行する」などがあります。

「試みる」の意味

「試みる」とは

「試みる」とは、実際に効力や効果などを試すために行うことを意味しています。

「試みる」の読み方

「試みる」の読み方は「こころみる」です。誤って「ためみる」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「実験を試みる」「観測を試みる」

「実験を試みる」「観測を試みる」などが、「試みる」を使った一般的な言い回しになります。

「試みる」の使い方

「試みる」を使った分かりやすい例としては、「盗塁を試みることにしました」「体の健康のために週2回の運動を試みる」「人質の救出を試みる」「この場からの脱出を試みる」「健康のために禁酒を試みる」などがあります。

「試みる」は実際に効力や効果などを試すために行うことを意味する動詞です。

「こころみる」は果は分からないがとにかくやってみるというニュアンスで使うというのが特徴になります。

また、「試みる」は書き言葉としてよく使われており、書籍や教科書などのややかしこまった場面でも使うことが可能です。

「試みる」の類語

「試みる」の類語・類義語としては、物事をし始めることを意味する「乗り掛かる」、ある仕事に手をつけることを意味する「着手する」、手をつけることを意味する「取り掛かる」などがあります。

「試す」の例文

1.自分の英語の能力を試すために、TOEICを受験することにしました。
2.このヘルメットの耐久性を試すために、様々な実験を行いました。
3.恋人を試すような行動を取ったら、怒らせて振られてしまいました。
4.来シーズンで投げられるようにするために、秋季キャンプで新球種を試す。
5.新しいことを試すのはとても大事なことなので、何も恐れる必要はありません。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の良否や真偽や能力の程度などを実際に調べ確かめることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「試す」は象とするものの実態や性質を知るためにやるというニュアンスで使う言葉です。

「試みる」の例文

1.タバコが値上がりしてもうついていけないので、禁煙を試みることにしました。
2.このままでは墜落してしまうので、胴体着陸を試みることにしました。
3.大きな流れは変えることができないかもしれないけれど、一矢報いるために抵抗を試みる。
4.一つ上のステップへ行くために、難関大学への受験を試みる。
5.このままではJ2へ降格してしまうので、新しい戦術を試みる。

この言葉がよく使われる場面としては、実際に効力や効果などを試すために行うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「試みる」は結果は分からないがとにかくやってみるというニュアンスで使う言葉です。

「試す」と「試みる」はどちらも実際にあたって確かめることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、対象とするものの実態や性質を知るためにやるというニュアンスで使うのが「試す」、結果は分からないがとにかくやってみるというニュアンスで使うのが「試みる」と覚えておきましょう。

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