似た意味を持つ「本日」(読み方:ほんじつ)と「今日」(読み方:きょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「本日」と「今日」という言葉は、どちらも今過ごしている日を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
本日と今日の違い
本日と今日の意味の違い
本日と今日の違いを分かりやすく言うと、本日とは改まった表現、今日とは日常的な表現という違いです。
本日と今日の使い方の違い
一つ目の本日を使った分かりやすい例としては、「マイクテストで本日は晴天なりと言ってみた」「本日の金価格は1gあたりいくらになりますか」「本日のコロナ感染症発生状況です」「本日の地方競馬をダイジェストでお伝えします」などがあります。
二つ目の今日を使った分かりやすい例としては、「今日の天気予報をチェックする」「今日の晩御飯のレシピをネットで探す」「今日から俺は生まれ変わるんだ」「今日のプロ野球速報が気になる」「今日は平成なら何年でしょうか」「来週の今日また会おうね」などがあります。
本日と今日の使い分け方
本日と今日という言葉は、どちらも「今まさに過ごしている、この日」という共通する意味がありますが、使い方には違いがあります。
本日とは、日常的な会話で使われることは少なく、改まった場面や行事における挨拶やスピーチなどで用いられる言葉です。漢語を由来とする言葉であり、重々しい印象になります。一方、今日とは、和語を由来としており、日常的に多用することする言葉です。
つまり、本日は改まった表現であるため使用頻度は低く、今日は日常的に使われる表現のため使用頻度が高い言葉なのです。
本日と今日の英語表記の違い
本日も今日も英語にすると「today」「this day」「present」となり、例えば上記の「本日は晴天なり」を英語にすると「It’s fine today」となります。
本日の意味
本日とは
本日とは、この日、今日を意味しています。
本日の使い方
本日を使った分かりやすい例としては、「本日はお日柄もよく、おめでたい席となりました」「本日のコロナ感染者数は99人です」「本日の感染者数は昨日より増加しております」「本日のニュースをお伝えします」などがあります。
その他にも、「本日の金価格を発表します」「本日のプロ野球結果速報をお伝えします」「本日の競輪は悪天候により中止です」「本日はご足労いただきありがとうございました」「本日より送料無料のキャンペーンを実施します」などがあります。
本日という言葉は、今現在を過ごしている、この日を意味します。この意味は今日という言葉と同じですが、本日という言葉は改まった言い方になり、挨拶やスピーチなどで用いられる文語的表現です。
「本日はお日柄もよく」の意味
上記の例文にある「本日はお日柄もよく」とは、結婚式などのおめでたい席でのスピーチに、よく使われる表現です。このお日柄とは、天気のことではなく暦の上でのその日の吉凶を意味しています。
「本日は晴天なり」の意味
本日という言葉を用いた慣用句には「本日は晴天なり」があります。マイクなど拡声器や無線通信のチェックを行うときの慣用句であり、晴天でなくても使います。もとは英語のマイクテストに使われる言葉であり、英語の「It is fine today」には一通りの音の要素が出てきます。
本日の類語
本日の類語・類義語としては、現在の時点や今現在を意味する「現時点」、過去から未来へと移り行く今を意味する「現在」、現在や目下を意味する「現下」、まさに今やこの頃を意味する「方今」などがあります。
今日の意味
今日とは
今日とは、今過ごしているこの日、本日を意味しています。
その他にも、「その日と同じ日付や曜日の日」の意味も持っています。
今日の使い方
「今日の暦や月齢が書いてあるカレンダーです」「今日は何の日か知ってますか」「今日のニュースが配信される」「毎日、今日の運勢をチェックする」「天気予報によると今日の気温は午後から上がる」などの文中で使われている今日は、「今過ごしているこの日」の意味で使われています。
一方、「来年の今日の曜日を調べる」「去年の今日はどんな日だったかな」「10年前の今日の日記を読んでみよう」「三年前の今日好きになりました」などの文中で使われている今日は、「その日と同じ日付や曜日の日」の意味で使われています。
今日の読み方
今日の読み方には「きょう」と「こんにち」という二通りの読み方があります。「こんにち」と読む場合には、 「きょう」と共通する意味である「今過ごしているこの日」の他に、今の時代や現在の意味もあります。
今日という言葉は、話し手が今過ごしている、この日を意味します。和語を語源としており、旧かなでは「けふ」と表記されていました。また、別の週の同じ曜日や、別の年の同じ日付に相当する日を表現する時にも用いられています。
今日という言葉を用いたことわざには、「明日の百より今日の五十」「昨日の友は今日の仇」「今日は人の上、明日は我が身の上」など、明日や昨日と対比してたとえるものが多くあります。
「明日の百より今日の五十」の意味
「明日の百より今日の五十」とは、あてにならないものに期待するより、たとえ少なくても確実なものの方がよいということを意味することわざです。
「昨日の友は今日の仇」の意味
「昨日の友は今日の仇」とは、昨日まで仲良くしていた友人が、たった一日で今日は敵になってしまったという意味から、人間の心は変わりやすく当てにならないことのたとえです。
「今日は人の上、明日は我が身の上」の意味
「今日は人の上、明日は我が身の上」とは、今日は人ごとと思っていた災難も、明日は我が身の上に降りかかってくるかもしれないことを意味することわざです。「昨日は人の身、今日は我が身」とも言います。
今日の対義語
今日の対義語・反対語としては、今日より1日前の日や近い過去を意味する「昨日」、今日の次の日を意味する「明日」などがあります。
今日の類語
今日の類語・類義語としては、その日やそのことがある日を意味する「当日」、今日このごろや当今を意味する「今日日」、今この時や現在を意味する「只今」、このごろや最近を意味する「近頃」などがあります。
本日の例文
この言葉がよく使われる場面としては、いま身を置いているこの日を表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「本日中」とは、「今日中」の改まった言い方であり、今日の間に、今日の終わりまでの意味になります。また、「その日の営業時間内に」の意味で使われることもあります。
今日の例文
この言葉がよく使われる場面としては、話し手がいま身を置いているその日、別の年や月の同じ日付けの日を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある今日は、話し手がいま身を置いているその日の意味で使われています。例文5の今日は、別の年の同じ日付けの日の意味で使われています。
本日と今日という言葉は、どちらも今過ごしている日を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、改まった表現をしたい時は「本日」を、それ以外の時は「今日」を使うようにしましょう。