似た意味を持つ「臨時休業」(読み方:りんじきゅうぎょう)と「臨時休校」(読み方:りんじきゅうこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「臨時休業」と「臨時休校」という言葉は、どちらも「決められた休日以外の休み」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
臨時休業と臨時休校の違い
臨時休業と臨時休校の意味の違い
臨時休業と臨時休校の違いを分かりやすく言うと、臨時休業とは会社だけでなく学校の臨時の休みを表し、臨時休校とは学校の臨時の休みのみを表すという違いです。
臨時休業と臨時休校の使い方の違い
一つ目の臨時休業を使った分かりやすい例としては、「都合により臨時休業いたします」「誠に勝手ながら臨時休業いたします」「社内研修のため下記の通り臨時休業いたします」「下記日程にて臨時休業とさせていただきます」「市立学校の臨時休業措置についてお知らせします」などがあります。
二つ目の臨時休校を使った分かりやすい例としては、「明日は臨時休校になって欲しい」「台風の影響で臨時休校になりました」「明日は児童の安全面から臨時休校とします」「特別警報で小学校が臨時休校になりました」などがあります。
臨時休業と臨時休校の使い分け方
臨時休業と臨時休校という言葉は、どちらも決められた休日以外の休みを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
臨時休業とは、仕事や業務などについて、決められた休日以外に休むことを意味します。「社内研修のため臨時休業いたします」のように、主に会社や店舗の一時的な休みについて使用される言葉ですが、「学校の臨時休業措置」のように、学校の不定時の休みについても用いることができます。
臨時休校とは、決められた休日以外の日に学校を休みにすることを意味し、会社や店舗について言うことはできません。臨時休校という言い方は広く一般に使用されていますが、正式には「臨時休業」と言います。学校の臨時休業は、学校保健安全法の第20条に規定されているものです。
つまり、臨時休業とは会社や店舗だけでなく学校の休みにも使用できますが、臨時休校は学校のみに使用する言葉です。また、一般的には学校が臨時に休むことは「臨時休業」ではなく「臨時休校」と言われることが多くなっています。
臨時休業と臨時休校の英語表記の違い
臨時休業を英語にすると「temporary closure」「temporarily closed」「special holiday」となり、例えば上記の「臨時休業します」を英語にすると「our office will be closed temporarily」となります。
一方、臨時休校を英語にすると「temporary school closure」「emergency school closure」「cancellation of classes」となり、例えば上記の「臨時休校になって欲しい」を英語にすると「I want the school to be temporarily closed」となります。
臨時休業の意味
臨時休業とは
臨時休業とは、決められた休日以外の日に、営業や業務を休むことを意味しています。
臨時休業の使い方
臨時休業を使った分かりやすい例としては、「誠に勝手ながら臨時休業させていただきます」「お得意様に臨時休業のお知らせをメールする」「急なお知らせで申し訳ありませんが、本日は臨時休業になっております」などがあります。
その他にも、「大雪のため英語教室は臨時休業になりました」「テンプレートを使って臨時休業の張り紙を作成する」「留守電メッセージで臨時休業であることを知りました」「台風による臨時休業で休業手当はもらえますか」などがあります。
臨時休業は「臨時」と「休業」の二語から成る言葉です。「臨時」は定まった時でないことや一時的なこと、「休業」は授業や仕事あるいは商売などをある期間停止することを表します。臨時休業とは、あらかじめ決められている休日以外の日に、仕事・業務・商売などを臨時に休むことを意味します。
臨時休業という言葉は、主に会社や飲食店などが何らかの事情により臨時で業務を停止することを指しますが、学校の臨時的な休みも表す言葉です。学校保健安全法の第20条では、感染症の予防上必要があるときに、学校の全部または一部の休業を行うことができるとしています。
臨時休業の対義語
臨時休業の対義語・反対語としては、臨時的にテント等の仮設の設備を設けて食品を提供する営業を意味する「臨時営業」などがあります。
臨時休業の類語
臨時休業の類語・類義語としては、臨時休業や臨時休暇の略を意味する「臨休」、従業員などに臨時に与える休暇を意味する「臨時休暇」、労働者が育児のために一定期間取得できる休業を意味する「育児休業」、病気の治療のために取る休暇を意味する「病気休業」などがあります。
臨時休校の意味
臨時休校とは
臨時休校とは、決められた休日以外の日に、学校を休みにすることを意味しています。
臨時休校の使い方
臨時休校を使った分かりやすい例としては、「臨時休校のお知らせがメールで届きました」「臨時休校中でも学童保育は受け入れています」「臨時休校中に遊びに行くことは許されていません」「臨時休校中の非常勤職員の給料はどうなりますか」どがあります。
その他にも、「娘の高校が臨時休校になりました」「新型コロナの影響で臨時休校が続いています」「今日は臨時休校なので英語の宿題をやります」「学校から臨時休校の基準について説明がありました」などがあります。
臨時休校の「休校」とは、学校が授業を行わないで休みにすることを表します。その時その時の状況に応ずることを表す「臨時」と組み合わさり、臨時休校とは、決められた休日以外の日に、学校の全体または一部を休みにすることを意味します。
臨時休校という言葉は、学校の教育活動を臨時に休止することを表す際に広く使われていますが、正式には「臨時休業」と言います。法令上は「臨時休業」が正しい名称であり、休業の対象となる範囲により「学校閉鎖」「学年閉鎖」「学級閉鎖」などに大別できます。
臨時休校の類語
臨時休校の類語・類義語としては、感染症が流行しているクラスの生徒を登校禁止にすることを意味する「学級閉鎖」、2020年春に政府が新型コロナウイルスの感染拡大を食い止める目的で全国の小中高校に休校を要請したことを意味する「一斉休校」などがあります。
臨時休業の例文
この言葉がよく使われる場面としては、を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、臨時休業という言葉はお店や施設あるいは企業で用いられることが多くありますが、例文5のように学校に関しても使用することができます。
臨時休校の例文
この言葉がよく使われる場面としては、学校全体が教育活動を臨時に休止することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、臨時休校という言葉は学校の臨時的な休みに関してのみ使用され、会社やお店などの休みに使用することはできません。
臨時休業と臨時休校という言葉は、どちらも「臨時の休み」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、会社だけでなく学校の臨時の休みもを表現したい時は「臨時休業」を、学校の臨時の休みのみを表現したい時は「臨時休校」を使うようにしましょう。