【既視感】と【デジャブ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「既視感」(読み方:きしかん)と「デジャブ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「既視感」と「デジャブ」という言葉は、どちらも過去にどこかで見た覚えがあることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




既視感とデジャブの違い

既視感とデジャブの意味の違い

既視感とデジャブの違いを分かりやすく言うと、既視感とは過去にどこかで見た覚えがあること、デジャブとは一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることという違いです。

既視感とデジャブの使い方の違い

一つ目の既視感を使った分かりやすい例としては、「この絵はどこか既視感がある」「この映像はなんか既視感がある」「アメリカには初めて来たのに既視感があります」などがあります。

二つ目のデジャブを使った分かりやすい例としては、「彼女に会った時奇妙なデジャブを感じました」「この光景はデジャブです」「この体験はまるでデジャブです」「彼女とは初めて会ったのにデジャブを感じている」などがあります。

既視感とデジャブの使い分け方

デジャブは既視感を英語由来のカタカナにした読み方なため、本来意味は全く同じ言葉になります。しかし、時代が経つにつれて既視感が二つの意味で使われるようになり少し違いが出てきました。

既視感とデジャブの違いとは、既視感は過去にどこかで見た覚えがあること、つまり映像や写真が過去に見た何かと一致してる感覚の場合に使うことが多くなり、デジャブは一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることの意味で使うのが一般的になったことです。

あくまでも多い傾向であり、本来は同じ意味を持つ言葉なのでどちらの言葉を使っても問題ないと覚えておきましょう。

既視感とデジャブの英語表記の違い

既視感もデジャブも英語にすると「deja vu」となり、例えば上記の「彼女に会った時奇妙なデジャブを感じました」を英語にすると「When I met her, I had a strange feeling of deja vu」となります。

既視感の意味

既視感とは

既視感とは、過去にどこかで見た覚えがあることを意味しています。その他にも、一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることの意味持っています。

表現方法は「既視感がある」「既視感を覚える」「既視感の正体」

「既視感がある」「既視感を覚える」「既視感の正体」などが、既視感を使った一般的な言い回しになります。

既視感の使い方

既視感を使った分かりやすい例としては、「新しく作られたバッジはどこか既視感のあるデザインだ」「既視感の正体がやっと分かりました」「このお店に飾ってあるものに既視感を覚える」「私は奇妙な既視感を味わいました」などがあります。

既視感の由来

既視感は実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象であるフランス語の「déjà-vu」(読み方:デジャビュ)を日本語にした言葉になります。

本来は一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることの意味でのみ使う言葉だったのですが、2010年前後辺りからネット上で過去にどこかで見た覚えがあることの意味で使われるようになりました。

当初は誤用と言われていたのですが、あまり違和感ない表現だったので多くの人が使うようになり、現在では過去にどこかで見た覚えがあることの意味で使うのが一般的になっています。特に若い世代においてはほとんどこちらの意味で使っているでしょう。

既視感の対義語

既視感の対義語・反対語としては、日常見なれたものを初めて見たと感じる体験ことを意味する「未視感」があります。

既視感の類語

既視感の類語・類義語としては、 前にあったことの模倣で新味のないもののことを意味する「二番煎じ」(読み方:にばんせんじ)、以前に見た記憶があることを意味する「見覚え」などがあります。

デジャブの意味

デジャブとは

デジャブとは、一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることを意味しています。その他にも、過去にどこかで見た覚えがあることの意味も持っています。

表現方法は「デジャブが怖い」「デジャブが多い」「デジャブが起こる」

「デジャブが怖い」「デジャブが多い」「デジャブが起こる」などが、デジャブを使った一般的な言い回しになります。

デジャブの使い方

デジャブを使った分かりやすい例としては、「イタリアへは初めて行ったはずなのにデジャブを感じました」「彼女とは初対面のはずなのにデジャブを感じる」「この映画を観ている途中でデジャブを感じた」などがあります。

デジャブの由来

デジャブは実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象であるフランス語の「déjà-vu」(読み方:デジャビュ)を英語由来のカタカナにした言葉になります。

本来は一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることの意味でのみ使う言葉だったのですが、2010年前後辺りからネット上で過去にどこかで見た覚えがあることの意味でも使われるようになりました。

ただし、過去にどこかで見た覚えがあることの意味で使う場合は漢字表記である既視感の方を使うことが多く、デジャブは一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることの意味で使うのが一般的になっています。

デジャブの対義語

デジャブの対義語・反対語としては、日常見なれたものを初めて見たと感じる体験ことを意味する「シャメビュ」があります。

既視感の例文

1.水の都ヴェネツィアには初めて行ったはずなのに、どこか既視感を感じました。
2.以前この小説を読んだような既視感を感じたが、最後まで読むと勘違いであることに気付きました。
3.新作を映画を観に行ったのにどこか既視感があるなと思っていたら、途中で原作の小説を読んでいたことに気づきました。
4.このドラマの主人公に感じた既視感の正体は、自分の顔と似ていることでした。
5.ある日突然話しかけてきた女性にどこか既視感を覚え、忘れることができません。
6.自分の娘の行動をみていると時折妙な既視感があるのは、若かりし頃の妻とそっくりなのだということにハッと気がついたのだ。
7.巷で話題になっているアニメ映画を観たが、どこか既視感のある映像表現で一体何が面白いのかわたしにはさっぱりわからなかった。
8.起床して階段を降りると父親のコーヒーを飲む姿にどこか既視感を覚えたが、あいにく寝坊していたものだから思い出している暇もなかった。
9.類似性に敏感な人は既視感の経験頻度が高いという研究データをみて、わたし自身は確かに似ているもの同士に関心がある自覚をもっている。
10.町を歩く男は以前この町に住んでいたかも知れないという既視感に襲われ、初対面である女性にも以前会ったことがあるような感覚に襲われた。

この言葉がよく使われる場面としては、過去にどこかで見た覚えがあることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることを表現したい時にも使います。

上記の例文にある「既視感を覚える」や「既視感の正体」という表現はよく使われています。

デジャブの例文

1.初めて訪れた場所なのになぜか来た事ある感じがした、これがデジャブか。
2.デジャブだと思っていたが、実際に観ていくうちに以前観た映画だということが分かりました。
3.ストーリーや登場人物は全て違うが、絵が他作品と似ているため作者が同じだとデジャブだと思ってしまいます。
4.人生50年生きていて、デジャブを感じたことは何回かあります。
5.最近デジャブが多いので、何か病気ではないかと心配になっています。
6.映画を観ていてあるシーンに差し掛かると強烈なデジャブに襲われたのだが、どうも落ち着かなくなってしまい映画どころではなくなってしまった。
7.彼女とあった時、奇妙なデジャブが起こったが、彼女もまたデジャブに襲われているのを聞いてびっくりしつつも、なにか運命的なものを感じた。
8.デジャブが多いのはただ単に物忘れが激しいからではないかと思い、わざわざ脳神経外科までかかってみたのだが異常はみられなかった。
9.この光景をみたとき、とっさにデジャブだと思ったが、きっとむかし観たドラマのワンシーンに酷似していて、それをデジャブだと錯覚しているに違いないと言い聞かせた。
10.デジャブは個人単位だけで起こるのではなく、歴史でも同じようなことが繰り返されるのだから、それを歴史的なデジャブと言っていいと思うのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、過去にどこかで見た覚えがあることを表現したい時にも使います。

上記の例文のように一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることの意味で使うのが一般的になっています。

既視感とデジャブどちらの言葉を使うか迷った場合、過去にどこかで見た覚えがあることを表現したい時は「既視感」を、一度も見たことがないのにすでにどこかで見たことがあるように感じられることを表現したい時は「デジャブ」を使うようにしましょう。

ただし、表記が違うだけでどちらも同じ意味を持つ言葉なため好きな方を使っても問題ありません。

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