【オフショア】と【ニアショア】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「オフショア」と「ニアショア」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「オフショア」と「ニアショア」という言葉は、「業務の外部委託」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




オフショアとニアショアの違い

オフショアとニアショアの意味の違い

オフショアとニアショアの違いを分かりやすく言うと、オフショアは海外企業を対象とする時に使い、ニアショアは国内企業を対象とする時に使うという違いです。

オフショアとニアショアの使い方の違い

一つ目のオフショアを使った分かりやすい例としては、「オフショア市場は自国のルールよりも規制が緩和されている」「オフショア開発のために本腰を入れて英語を学ぶべきだろうか」「オフショアによる波を見るとうずうずしてしまう」などがあります。

二つ目のニアショアを使った分かりやすい例としては、「ニアショア開発が進められることになった」「ニアショア先に行くことは何度かある」「今後オフショアからニアショアを強化していく企業も増えていくのだろう」などがあります。

オフショアとニアショアの使い分け方

オフショアとニアショアはどちらも、業務の外部委託を表す言葉として使われていますが、対象となる企業が異なります。

オフショアは、海外企業に業務の一部や全てを委託することを表します。IT人材が多く、人件費が日本より掛からない東南アジアは、オフショア開発の拠点として人気を集めています。また、岸から海に向かって流れる風を表す言葉としても使われています。

一方のニアショアは、地方企業に外注することを表します。例えば、中国や東南アジアなどに拠点を構えていた企業が、北海道や沖縄など地方へ拠点を移して開発を行うという形態が該当します。

つまり、オフショアは海外企業への外注を表し、ニアショアは国内企業への外注を表すといった違いがあります。

オフショアとニアショアの英語表記の違い

オフショアを英語にすると「offshore」「off-shore」となり、例えば上記の「オフショア市場」を英語にすると「the off-shore market」となります。

一方、ニアショアを英語にすると「nearshore」「near-shore」となり、例えば上記の「ニアショア開発」を英語にすると「nearshore development」となります。

オフショアの意味

オフショアとは

オフショアとは、海外企業に業務の一部や全てを委託することを意味しています。

その他にも、岸から海に向かって流れる風を意味する言葉として使われています。

オフショアの使い方

「オフショア先とは英語でメールのやり取りをするため英語力が試される」「オフショアによって別の部分に投資することができているらしい」などの文中で使われているオフショアは、「海外企業に業務の一部や全てを委託すること」の意味で使われています。

一方、「オフショアを見るとサーファーたちは目を輝かせる」「穏やかなオフショアだからか人が多かった」「初心者だからこそオフショアで練習したい」などの文中で使われているオフショアは、「岸から海に向かって流れる風」の意味で使われています。

オフショアは英語で「offshore」「off-shore」と表記され、「沖で」「海外で」「海外に移す」といった意味を持つ言葉です。「オフショアリング」とも呼ばれ、国外の企業や個人に業務を移すことや委託することを指します。

オフショアの特徴

1990年代からインドへ、2000年代からフィリピンへの事業の移転が注目され、日本でもインドや中国、ベトナムなどへのオフショア化が行われてきました。

人件費削減や人材不足解消が期待できるというメリットがある一方で、言語の違いによるコミュニケーション問題や、日本とは物理的距離や時差があり迅速な対応ができるわけではないといったデメリットもあります。

また、サーフィン用語として使われる場合、陸から海に向かって吹く風を表し、「陸風」とも呼ばれています。綺麗な波の形になるため、乗りやすい波とされており、「オフ」と省略して呼ばれることもあります。

オフショアの対義語・反対語としては、国外の業務を自国へと移管することを意味する「オンショア」、海外に委託した業務の拠点を国内へと戻すことを意味する「リショア」があります。

オフショアの類語

オフショアの類語・類義語としては、国内外問わず、外部の企業に業務の一部を委託することを意味する「アウトソーシング」などがあります。

ニアショアの意味

ニアショアとは

ニアショアとは、地方企業に外注することを意味しています。

ニアショアの使い方

ニアショアを使った分かりやすい例としては、「ニアショア開発はオフショアの末の結果だと思っている」「ニアショア拠点であれば本社から近いためすぐに向かうことができる」「日本にとってのニアショアのメリットは言語の壁がないことだ」などがあります。

その他にも、「ニアショアのコスト削減は人件費の地域差に頼ることになる」「ニアショアを行うことで他企業への転職率および離職率が低くなるのは本当だろうか」「業務状況の分析をして比較してニアショアへと移行することになった」などがあります。

ニアショアは英語で「nearshore」「near-shore」と表記され、「沿岸の」「近海の」といった意味を持つ言葉です。「ニアショアリング」「インショアリング」とも呼ばれ、上項の「オフショア」に対して用いられる言葉です。

ニアショアの特徴

本拠地から近い地方や他の地域、比較的近い国に事業を移転することを表す言葉であり、特に、最終的に生産物を消費する地方や国に近いところに移転させることに対して使われています。

物理的な距離が近く迅速な対応ができることや、部品や材料の輸送費軽減の期待が見込めるメリットがある一方、コストの削減に至らない可能性があることや、人材不足に悩まされる可能性があるなどのデメリットも挙げられます。

ニアショアの類語

ニアショアの類語・類義語としては、企業がインターネット上で不特定多数に大して業務を発注することを意味する「クラウドソーシング」などがあります。

オフショアの例文

1.オフショアには言語が異なるという問題があり、コミュニケーションに齟齬が発生しそうだが、何事も挑戦だと思っている。
2.一年に一度オフショア先に訪問することになっているが、ここ最近は情勢に左右されて出向けていない。
3.オフショア開発の仲介や代行を行う企業も多く、慣れていない企業でもオフショアという業務形態を選択肢にできそうだ。
4.オフショアは良い波になりやすいが、強い風が吹くと綺麗な波も崩れてしまう。
5.なぜサーファーは早朝に多いのかと思っていたが、海水の温度と陸地の温度によってオフショアが吹くからと聞いて納得した。

この言葉がよく使われる場面としては、海外企業に業務の一部や全てを委託することを意味する時などが挙げられます。

例文4や5のように、岸から海に向かって流れる風を意味する言葉としても使われています。

ニアショアの例文

1.ニアショア開発が注目を集め始めているが、地域経済の活性化にもつながり良いことも多いと思っている。
2.人材不足という懸念事項がちらつきながらも、ニアショアの拠点が国内に決定されたそうだ。
3.オフショアとは異なり、ニアショアはより本拠地に近い地方に設定されるため、電車ですぐ向かうことができるのは大きなメリットだ。
4.ニアショアは消費地への運送費用などが抑えられるためコスト削減につながる。
5.災害や世界的な問題が発生した場合、ニアショアであれば本社からの指示をすぐにあおぐことができるだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、地方企業に外注することを意味する時などが挙げられます。

本拠地から近い地方や他の地域、比較的近い国の企業に事業の移転や委託をすることを表す言葉として使われています。

オフショアとニアショアは、どちらも「業務の外部委託」を表します。どちらを使うか迷った場合は、海外企業への外注を表す場合は「オフショア」を、国内企業への外注を表す場合は「ニアショア」を使うと覚えておけば間違いありません。

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