【上司】と【先輩】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「上司」(読み方:じょうし)と「先輩」(読み方:せんぱい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「上司」と「先輩」という言葉は、どちらも「自分より立場が上の人」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




上司と先輩の違い

上司と先輩の意味の違い

上司と先輩の違いを分かりやすく言うと、上司とは自分より役職が上の人、先輩とは自分より入社が早い人という違いです。

上司と先輩の使い方の違い

一つ目の上司を使った分かりやすい例としては、「優秀な上司についていくのは大変です」「メールを上司に確認してもらう」「上司への誕生日プレゼントを買いました」「体調不良の上司に気遣いのメールを送りました」などがあります。

二つ目の先輩を使った分かりやすい例としては、「先輩方のおかげで成功することができました」「先輩に漢字を教えてもらいました」「イラストレーターになった先輩とは今も付き合いがあります」などがあります。

上司と先輩の使い分け方

上司と先輩という言葉は、どちらも職場で使用され、自分より立場が上の人を指しますが、意味や使い方には違いがあります。

上司とは、自分より役職が上位の人を意味し、ビジネスの場で使用される言葉です。年齢や入社時期などは関係がなく、役職が上であれば上司になります。上司は、部下に仕事の指示を出したり、指導や管理を行う立場の人です。

先輩とは、年齢や地位などが上の人を意味します。また、同じ会社に先に入社した人や、同じ学校に先に入学した人を指す言葉でもあります。会社における先輩という言葉は、年齢や役職は関係がなく使用されるため、年齢が下であっても入社時期が早ければ先輩になります。

つまり、上司とは自分より役職が上位の人を意味し、先輩とは同じ会社に自分より先に入社した人をいう言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

上司と先輩の英語表記の違い

上司を英語にすると「superior」「boss」となり、例えば上記の「優秀な上司」を英語にすると「an excellent superior」となります。一方、先輩を英語にすると「senior」「elder」となり、例えば上記の「先輩方」を英語にすると「my seniors」となります。

上司の意味

上司とは

上司とは、その人より役職が上位の人を意味しています。

その他にも、「その官庁の上級の官庁」「荘園制で、現地で実務にあたる下司 (げし) に対し在京の荘官、預かり所」の意味も持っています。

上司の使い方

「上司に英語を勉強するように言われました」「評価されないのは上司と合わないからだろうか」「誕生日に上司からお祝いメッセージが届きました」「よく上司に怒られる夢を見ます」などの文中で使われている上司は、「その人より役職が上位の人」の意味で使われています。

一方、「税務署に対する国税局は上司です」「国税局の上司は国税庁です」などの文中で使われている上司は「その官庁の上級の官庁」の意味で、「上司は下級荘官を指揮しました」などの文中で使われている上司は「荘園制で在京の荘官」の意味で使われています。

上司とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「その人より役職が上位の人」の意味で用いられています。上司の「上」は訓読みで「うえ」と読み、地位や身分が高い人を表し、「司」は訓読みで「つかさどる」と読み、役目を受け持つ人を表します。

上司に年齢や入社時期は関係ない

上司という言葉は、自分より役職が上位の人を意味し、年齢や入社時期は関係ありません。例えば、年下であったも上司である場合もあります。また、直接関わりのある課長や部長を「直属の上司」と言います。

上司の対義語

上司の対義語・反対語としては、組織などである人の下に属しその指示で行動する人を意味する「部下」などがあります。

上司の類語

上司の類語・類義語としては、自分より上位の役目や職務についている人を意味する「上役」、上級の官や高い官位の人を意味する「上官」、階級や地位が自分より上であることを意味する「目上」、年齢や地位が上である人を意味する「上長」などがあります。

先輩の意味

先輩とは

先輩とは、年齢・地位・経験や学問・技芸などで、自分より上の人を意味しています。

その他にも、「同じ学校や勤務先などに先に入った人」の意味も持っています。

先輩の使い方

「英語サークルの先輩方に可愛がられています」「先輩、ちょっと質問してもいいですか」「先輩は綺麗な人だった」などの文中で使われている先輩は、「年齢や学問などで、自分より上の人」の意味で使われています。

一方、「仲が良い先輩はアニメと漫画が大好きです」「先輩は男の子ですが趣味は女装です」「先輩がうざいので後輩が嫌がっています」などの文中で使われている先輩は、「同じ学校や勤務先などに先に入った人」の意味で使われています。

先輩とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。先輩の「先」は時間的に早いほうを表し、「輩」は同列の仲間を表す漢字です。

先輩年齢や入社時期は関係ない

学校や会社における先輩という言葉は、その組織に先に入った者を指します。年齢に関係なく入った順番が基準になるため、「年下の先輩」や「同年齢の先輩」の場合もあります。先輩は、入学や入社などの年次や経験に基づく上下関係を表します。

先輩の対義語

先輩の対義語・反対語としては、修業などであとに続く者や同じ学校や職場などでの下級生を意味する「後輩」などがあります。

先輩の類語

先輩の類語・類義語としては、学問上の先輩を敬っていう語を意味する「学兄」、年齢や地位が上であることを意味する「上長」、学問や修行などで先にその道に達し他を導く人を意味する「先達」、学問上の先輩や先覚を意味する「先学」などがあります。

上司の例文

1.私の上司はあまり英語が得意ではないようで、海外の取引先とのやり取りがスムーズではありません。
2.悪い上司とは、部下に高い目標値を設定しておきながら全くサポートしないような人です。
3.互いに密なコミュニケーションを取ることによって、上司と部下の関係はより良くなります。
4.世間知らずな若い女性は、上司へ抱く尊敬の気持ちを恋愛感情と勘違いしやすいものです。
5.基本的に上司の言い方がきついので、気分が落ち込んでいる時はパワハラに感じることがあります。

この言葉がよく使われる場面としては、会社で役職が自分よりも上位にある人、その官庁より上級の官庁、荘園の経営にあたる上級荘官を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、上司という言葉は、「会社で役職が自分よりも上位にある人」の意味でビジネスシーンで使用されることがほとんどです。

先輩の例文

1.仲間うちで先輩格として立てられている女性は、どこか近寄りがたい雰囲気があります。
2.良い先輩とは、周囲への気配りが上手で後輩から慕われるような人のことです。
3.入社当時に、先輩社員から教えてもらったビジネスマナーは今でも意識しています。
4.密かに気になっているバイト先の先輩はアニメ好きなので、私もだいぶ詳しくなりました。
5.部活の先輩に教えてもらった英語の試験対策を実践したところ、信じられないくらい点数が上がりました。

この言葉がよく使われる場面としては、学問・技芸・経験・年齢・地位などが自分より上の人、同じ学校に先に入学・卒業した人、勤務先などで先に入った人を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「先輩社員」とは、その会社に先に入社した人を指す言葉であり、年齢を問わず使用できます。

上司と先輩という言葉は、どちらも「自分より立場が上の人」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自分より役職が上の人を表現したい時は「上司」を、自分より入社時期が早い人を表現したい時は「先輩」を使うようにしましょう。

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