【予想】と【予測】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「予想」(読み方:よそう)と「予測」(読み方:よそく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「予想」と「予測」という言葉は、どちらも「あらかじめ見当をつけること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




予想と予測の違い

予想と予測の違いを分かりやすく言うと、予想とは主観的な感覚に基づいた見当、予測とは客観的なデータに基づいた見当という違いです。

一つ目の予想を使った分かりやすい例としては、「予想どおりに彼は遅れて来ました」「予想外の展開に戸惑っています」「実況天気図と予想天気図を比較する」「本気で競馬の予想屋になりたいと考えています」などがあります。

二つ目の予測を使った分かりやすい例としては、「南海トラフ地震の発生時期を正確に予測する」「年末年始の渋滞予測が発表されました」「予測変換の簡単な消し方を教えてもらった」「iPhoneの予測変換をリセットする」などがあります。

予想と予測という言葉は、どちらも将来のことを前もって見当をつけて推測することを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

予想とは、将来どうなるのか前もって見当をつけることを意味します。個人の直感や主観的な考えに基づいた推測というニュアンスがある言葉です。「予想外の展開」とは、事前に思いもしなかった方向に物事が進んでいくことを表しています。

予測とは、将来のことを前もって見当をつけて、どうなるかを推測することを意味します。具体的な情報や客観的なデータに基づいた推測というニュアンスがあり、「渋滞予測」は過去3年間程度の交通量データが用いられています。

つまり、予想とは個人の感覚に基づいた主観的な見当であり、予測とはデータに基づいた客観的な見当と言えます。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

予想を英語にすると「expectation」「prediction」となり、例えば上記の「予想どおりに」を英語にすると「as expected」となります。

一方、予測を英語にすると「presupposition」「forecast」「prediction」となり、例えば上記の「正確に予測する」を英語にすると「make an accurate forecast」となります。

予想の意味

予想とは、物事の成り行きや結果について前もって見当をつけることを意味しています。

予想を使った分かりやすい例としては、「英語の小テスト問題を予想する」「気象庁は桜の開花予想を発表しました」「一週間先までの予想天気図をチェックする」「台風の進路予想は当初より東寄りへとずれてきた」などがあります。

その他にも、「予想だにしない事態が起こった」「彼女は予想どおりに不合理な選択をした」「相撲の秋場所予想番付を調べる」「いつものビジネスホテルが満室とは予想外だ」「予想外のことが起きるとパニックになってしまう」などがあります。

予想の「予」は訓読みで「あらかじめ」と読み、物事の始まる前に事をしておくさまを表し、「想」は訓読みで「おもう」と読み、心に思い浮かべることを表します。予想とは、将来どうなるか、前もって見当をつけることを意味します。

予想を用いた日本語には、「予想屋」があります。予想屋とは、競馬や競輪などで、レースの展開や着順などについての予想を客に教えることを商売とする人のことです。「予想家」とも呼ばれています。

予想の対義語・反対語としては、ある原因や行為から生じた結末や状態を意味する「結果」などがあります。

予想の類語・類義語としては、物事の起こる前にその事を見通すことを意味する「予見」、何が起こるかと前もって知ることを意味する「予知」、前もって期待することを意味する「予期」、事の成り行きやその予想を意味する「展望」などがあります。

予測の意味

予測とは、事の成り行きや結果を前もって推しはかることを意味しています。

予測を使った分かりやすい例としては、「がんのリスクをAIで予測する」「公認英語試験の予測スコアが出ました」「予測変換の削除方法は端末によって異なります」「Androidで予測変換を削除する方法を教えてください」などがあります。

その他にも、「経済予測の重要性が高まっています」「2025年の景気予測は当たるだろうか」「経済学者が日銀の利上げを予測する」「過去の予測値を折れ線グラフで示す」「10年後の未来を予測することは可能ですか」などがあります。

予測の「測」は訓読みで「はかる」と読み、ある基準をもとにして物の度合いを調べることを表す漢字です。前もって行うことを表す「予」と組み合わさり、予測とは、将来の出来事などを何らかの根拠に立って推し測ることを意味します。

予測を用いた日本語には、「予測変換」があります。パソコンやスマートフォンなどの日本語入力システムで、使用者が入力するであろう単語を予測して表示する機能のことです。「入力予測」「予測入力」とも言います。

予測の対義語・反対語としては、実際に測ることを意味する「実測」、予測できないことを意味する「不測」などがあります。

予測の類語・類義語としては、あらかじめ見積もっておくことを意味する「勘定」、物事のなりゆきや将来のことを予測することを意味する「見通し」、前もって判断することを意味する「予断」、こうだろうという見込みを意味する「目星」などがあります。

予想の例文

1.今後の日経平均株価を予想するうえで重要なのは、アメリカ経済と為替の動向です。
2.為替レートを想定することが難しくなっているため、業績予想を開示しない会社が増えています。
3.塾の先生に勧められ、英語は共通テストの予想問題集を使って勉強しています。
4.理科の実験では、仮説を立てて結果がどうなるかを予想することも大切です。
5.誰が当たり馬券の的中率が高いのかが気になって、競馬予想家ランキングをネットで検索しました。

この言葉がよく使われる場面としては、あらかじめ想像すること、前もって見当をつけることを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「業績予想」とは、企業が発表する将来の通期や半期の業績見通しを意味します。上場企業の株価に大きく影響を与えるものです。

予測の例文

1.マーケティングにおける需要予測の立て方を、わかりやすくご説明いたします。
2.自分の英語力を把握したくて、TOEICのスコアを予測できるアプリをダウンロードしました。
3.大量のデータをAIに学習させることで、将来起こりうる事象を簡単に予測することができます。
4.未来を予測することの意味は、リスク低減とベネフィットの最大化にあるだろう。
5.半年前からExcelの使い方を基礎から勉強し、今では売上予測を作成できるまでになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、前もって推し量ること、あらかじめ推測することを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「需要予測」とは、市場において商品やサービスがどのくらい必要とされるのかをあらかじめ予測することです。

予想と予測という言葉は、どちらも「前もって見当をつけること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、個人の感覚に基づいて見当をつけることを表現したい時は「予想」を、データに基づいて見当をつけることを表現したい時は「予測」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター