似た意味を持つ「上旬」(読み方:じょうじゅん)と「中旬」(読み方:ちゅうじゅん)と「下旬」(読み方:げじゅん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「上旬」と「中旬」と「下旬」という言葉は、一月の中での時期を表すという共通点がありますが、意味は大きく異なりますのでご注意下さい。
上旬と中旬と下旬の違い
上旬と中旬と下旬の意味の違い
上旬と中旬と下旬の違いを分かりやすく言うと、上旬は月の初めを表現する時に使い、中旬は月の半ばを表現する時に使い、下旬は月の末を表現する時に使うという違いです。
上旬と中旬と下旬の期間の違い
上旬という言葉は、「今月の上旬頃に相次いで被害に遭った」「4月上旬に桜の見頃を迎える地域であるため多くの人でにぎわう」などの使い方で、その月の1日から10日までの期間を意味します。
中旬という言葉は、「中旬頃に始まるイベントに備えて準備を怠らない」「来月の中旬までに書類を揃えて提出する」などの使い方で、その月の11日から20日までの期間を意味します。
下旬という言葉は、「6月の下旬を迎えても今年の上半期が終わる実感がない」「3月下旬ともなると冬のコートを片付けてしまっても問題なさそうだ」などの使い方で、その月の21日から末日までの期間を意味します。
上旬と中旬と下旬の使い分け方
上記例文の通り、その月の決まった期間を指す言葉ですので、上旬と中旬、下旬で指す期間が重なることはありません。
また、年や週といった期間に対しては「今年の上旬」や「週の下旬」のような使い方はできないため、「今年の頭」「今年の初め」や、「週の終わり」などの言い方をします。
上旬の意味
上旬とは
上旬とは、月の1日から10日までの10日間を意味しています。
表現方法は「上旬以降」「来月上旬」「3月上旬」
「上旬以降」「来月上旬」「3月上旬」などが、上旬を使った一般的な言い回しです。
上旬の使い方
上旬を使った表現として、「3月上旬の気温としてはやや高い」「来月上旬頃から商品の発送が行われる」「今月上旬以降問い合わせが殺到している」などがあります。
日常生活だけではなくビジネスシーンでも使われる言葉で、期限を定める際にも使われますが、明確に日付が指定されているわけではないため、曖昧な表現となりがちです。
そのため、明確な期限を設ける場合には上旬という言葉を使用しないか、「上旬までに完成させてほしい」などのように、その時期には完成されていることが望ましいことを伝える必要があります。
上旬の類語
上旬の類語・類義語としては、月の初めや月頭を指す「月初め」、月の初めの10日間を指す「初旬」があります。
上旬の上の字を使った別の言葉としては、二時間を三つに分けた時の最初の時間を指す「上刻」(読み方:じょうこく)、前に述べたことと同じであることを意味する「同上」、前に述べた通りを意味する「如上」(読み方:じょじょう)などがあります。
中旬の意味
中旬とは
中旬とは、月の11日から20日までの10日間を意味しています。
表現方法は「中旬頃」「中旬まで」「中旬以降」
「中旬頃」「中旬まで」「中旬以降」などが、中旬を使った一般的な言い回しです。
中旬の使い方
中旬を使った表現として、「6月中旬は雨量が多くて外を歩くのも億劫である」「新商品が来月中旬頃に発売されるらしい」「中旬以降くしゃみや鼻水が止まらなくなった」などがあります。
日常生活だけではなくビジネスシーンでも使われる言葉ですが、明確な日付を指定したい場合や、10日間程度の長い期間を指すわけではない場合には適した表現ではありません。
企業が多くの人に商品を発送することで、発送日が人によって前後することから「中旬」のような曖昧な表現を行うなどの使い方がよく見受けられます。
中旬の類語
中旬の類語・類義語としては、月の中頃を指す「月半ば」があります。
中旬の中の字を使った別の言葉としては、中くらいの高さや強さの音や声を意味する「中音」、物と物との間の空間や位置を意味する「中間」、中ほどを略すことを意味する「中略」、川の上流と下流の間の部分を意味する「中流」などがあります。
下旬の意味
下旬とは
下旬とは、月の21日から末日までの間を意味しています。
表現方法は「下旬頃」「今月下旬」「下旬発送」
「下旬頃」「今月下旬」「下旬発送」などが、下旬を使った一般的な言い回しです。
下旬の使い方
下旬を使った言葉として、「今月下旬にはいい返事が出来るかと思います」「8月下旬以降、海水浴客が減っていく」「9月下旬頃までの数量限定販売と言われたら買ってしまう」「4月下旬並みの暖かさとなったところが多かった」などがあります。
日常生活だけではなくビジネスシーンでも使われる言葉で、天気予報などで使われる平均気温などの期間を表す言葉としても使われています。
しかし、明確な日付を指定するには曖昧な表現であるため、依頼などを行う場合には使うのに適していない言葉です。
下旬の類語
下旬の類語・類義語としては、月の終わりを指す「月末」があります。
下旬の下の字を使った別の言葉としては、満月のあとの半月を意味する「下弦」(読み方:かげん)、数量や程度などの比較で基準を含んで下の範囲を指す「以下」、ある位置よりも下の方を意味する「下方」、地面の下を意味する「地下」などがあります。
上旬の例文
この言葉がよく使われる場面としては、月の1日から10日までの10日間を意味する時などが挙げられます。
どの上旬という言葉も「月初め」に置き換えて使うことが出来ますが、その月の初めである5日程度を指し、「上旬」ほど期間が長いわけではないため、使うことができない場合もあります。
初旬という言葉は、上旬と同義であるため置き換えて使うことができます。
中旬の例文
この言葉がよく使われる場面としては、月の11日から20日までの10日間を意味する時などが挙げられます。
どの中旬という言葉も「月半ば」に置き換えて使うことが出来ますが、「半ば」はその月の15日前後の数日を指し、「中旬」ほど期間が長いわけではないため、使うことができない場合もあります。
下旬の例文
この言葉がよく使われる場面としては、月の21日から末日までの間を意味する時などが挙げられます。
どの下旬という言葉も「月末」に置き換えて使うことが出来ますが、月末はその月の最後の数日だけでなく、その月の最後の日も意味し、「下旬」ほど期間が長いわけではないため、使うことができない場合もあります。
上旬と中旬と下旬どれを使うか迷った場合は、月の初めを表す場合は「上旬」を、月の半ばを表す場合は「中旬」を、月の末を表す場合は「下旬」を使うと覚えておけば間違いありません。