【実業家】と【起業家】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「実業家」(読み方:じつぎょうか)と「起業家」(読み方:きぎょうか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「実業家」と「起業家」という言葉は、どちらも「事業を運営する人」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




実業家と起業家の違い

実業家と起業家の意味の違い

実業家と起業家の違いを分かりやすく言うと、実業家とは商工業や金融などの事業を運営する人、起業家とは新しく事業をおこして運営する人という違いです。

実業家と起業家の使い方の違い

一つ目の実業家を使った分かりやすい例としては、「近年は女性の実業家が増えています」「実業家になるには経営学を学ぶべきでしょう」「主人は会長兼社長を務める実業家です」「若手実業家のインスタをフォローしています」などがあります。

二つ目の起業家を使った分かりやすい例としては、「私は起業家になりたいのですが、投資してもらえませんか」「起業家になるノウハウを教えてください」「起業家精神について実践的に学ぶ」「起業家コミュニティで情報交換する」などがあります。

実業家と起業家の使い分け方

実業家と起業家という言葉は、どちらもビジネスシーンで用いられ、何かしらの事業を営む人物を表します。二つの言葉はとても似ていますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

実業家とは、実業を営む経営者を意味する言葉です。実業は、農業・商業・工業・水産業など、生産や販売に関わる事業のことです。従って、本来であれば事業内容に制限がある表現ですが、多くは「企業経営者」と同義の言葉として使用されています。

起業家とは、新しく事業を立ち上げて運営する人を意味します。ゼロから事業をおこす人物を指す言葉であり、既存の会社を継いで経営する二代目社長などは当てはまりません。また、実業のように事業分野を問わず使用される言葉であり、近年ではインターネットを使用した起業家が増えています。

つまり、実業家は商工業や金融などの事業を運営する人を指すことに対し、起業家は事業をおこすことに着目した表現です。そのため、起業家であると同時に実業家であるケースもあります。

実業家と起業家の英語表記の違い

実業家を英語にすると「businessman」「industrialist」となり、例えば上記の「女性の実業家」を英語にすると「a female businessperson」となります。

一方、起業家を英語にすると「promoter」「entrepreneur」となり、例えば上記の「私は起業家になりたい」を英語にすると「I want to be an entrepreneur」となります。

実業家の意味

実業家とは

実業家とは、商業・工業・金融業など、経済的事業を営む人を意味しています。

実業家の使い方

実業家を使った分かりやすい例としては、「英語教師から実業家になりました」「実業家の平均年収が知りたいです」「環境ビジネスをテーマとする実業家集団に参加する」「実業家の名言が励みになる」などがあります。

その他にも、「結婚したい相手の職業ナンバー1は実業家でしょう」「実業家を多く輩出する日本の大学はどこだろう」「ひろゆき氏は有名な実業家です」「実業家として活躍する芸能人もいます」などがあります。

実業家の「実業」は、農業・水産業・工業・商業など生産的かつ経済的な事業のことです。実業家とは、これらの実業を営む経営者のことを意味する言葉です。しかし、実際の使い方としては事業内容を問わず、「事業家」「企業経営者」と同じように事業を企て営む人を指すようになっています。

日本で有名な実業家としては、京セラの稲盛和男氏、ソフトバンクグループの孫正義氏、ファーストリテイリングの柳井正氏などが挙げられます。彼らは実業家として、人々の役に立つ製品やサービスを提供し企業を成長させました。

実業家の対義語

実業家の対義語・反対語としては、権利譲渡などを目的とする名目だけの会社を設立する者を意味する「廃業家」などがあります。

実業家の類語

実業家の類語・類義語としては、独立して自分の力で経営する事業を意味する「自営業」、事業を営む人や実業家を意味する「ビジネスマン」などがあります。

起業家の意味

起業家とは

起業家とは、新しく事業をおこして運営する人、また、それを専門に行う人を意味しています。

起業家の使い方

起業家を使った分かりやすい例としては、「起業家に向いてる人は、どんな人ですか」「英語翻訳アプリを開発して起業家になる」「中高生を対象とした起業家教育プログラムです」「会社員に起業家精神は必要ないだろう」などがあります。

その他にも、「起業家になるには資金が必要です」「起業家の年収には、ばらつきがあります」「起業家の思考法が知りたいです」「世界の起業家ランキングが発表されました」「有名な女性起業家と言えば誰ですか」などがあります。

起業家の「起業」は、文字通り「新しく事業を始めること」です。起業家とは、自身で事業を立ち上げる人物のことを意味します。また、 事業を計画して会社を設立させることを専門に行う人を指すこともある言葉です。

「起業家精神」の意味

起業家を用いた日本語には「起業家精神」があります。起業家精神とは、新たな事業にチャレンジする姿勢を表す言葉です。具体的には、新しいビジネスをつくり出す創造力 、リスクを恐れない行動力、試練を乗り越える気力などを意味します。

起業家の対義語

起業家の対義語・反対語としては、会社に雇われ働いている人を意味する「会社員」、社内で新しいビジネスを実施することを意味する「イントレプレナー」などがあります。

起業家の類語

起業家の類語・類義語としては、企業をおこしたり企業の経営に取り組んだりする人を意味する「企業家」、事業を企て経営する人や事業の経営に巧みな人を意味する「事業家」、事業を起こす人を意味する「アントレプレナー」などがあります。

実業家の例文

1.全国に英会話教室を展開する若手実業家は、意外にも中学時代は英語が大嫌いだったそうです。
2.日本人実業家10人からお聞きした成功の秘訣を、エピソードを交えてご紹介いたします。
3.ご存じのとおり、実業家になるには事業規模に応じた資金調達が必須です。
4.国内外には多数の有名な実業家が存在しますが、あなたはどれだけ知っていますか。
5.私は平凡な会社員でしたが、年収5億円の青年実業家と出会って価値観が大きく変わりました。
6.彼は優秀だが学者タイプなので事業にするなら君のほかに実業家タイプの人間もそばに置いた方がいい。
7.実業家は、リスクを冒して事業を営むため、成功すれば大きな利益を得ることができますが、失敗すれば大きな損失を被ることもあります。
8.その女優さんは、10年ほど前に青年実業家と結婚したが、その後すぐ別居状態になり、あっけなく離婚してしまった。
9.実業家を多く輩出する大学だからといって、君が実業家になれる保証はどこにもないぞ。
10.この美術館は、実業家の邸宅だったところを改装して西洋美術の絵画などを展示している。

この言葉がよく使われる場面としては、商工業や金融など経済的な事業を営む人、実業者を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「青年実業家」とは、実業家の中でもとりわけ若い青年層の実業家を指します。何歳から何歳までという定義はありませんが、多くの場合は20~30代の実業家を言います。

起業家の例文

1.起業家になるには、いかに人脈と金脈を作るかを意識して行動する必要があります。
2.世界で最も有名な起業家と言えば、Appleを創業したスティーブ・ジョブズでしょう。
3.統計によると、女性起業家の平均年収は100万円以下が全体の7割だそうです。
4.日本の起業家ランキングに現役の大学生がランクインし、世間の注目を集めています。
5.帰国子女である同級生は、自らユニークな英語教材を開発して起業家になりました。
6.我が社は学生起業家が興したスタートアップ企業と提携し、新しい事業共創に取り組むことになった。
7.起業家は、事業を成功させるために、さまざまな課題に直面し、それを乗り越えていける人でなければならない。
8.日本は戦後ずっとサラリーマン社会だったため、教育のバにおいて起業家精神を育ててきませんでした。
9.会社が大きくなるにつれて、起業家精神を持ち続けながら会社経営をしていくことは、至難の業であった。
10.彼はデザイナーとして活躍していたが、30代半ばでファッション関係の事業を立ち上げた起業家でもあった。

この言葉がよく使われる場面としては、事業を計画し、会社をおこして運営する人を表現したい時などが挙げられます。

例文4に関して、学生でありながら起業することもできます。このような人のことを「学生起業家」と言います。マイクロソフトのビル・ゲイツ氏や、ライブドアの堀江貴文氏も学生起業家でした。

実業家と起業家という言葉は、どちらも「事業を営む人」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、 商工業や金融などの事業を営む人を表現したい時は「実業家」を、新しく事業をおこして運営する人を表現したい時は「起業家」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター