似た意味を持つ「ジーパン」と「ジーンズ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ジーパン」と「ジーンズ」という言葉は、「デニム生地でできたズボン」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ジーパンとジーンズの違い
ジーパンとジーンズの意味の違い
ジーパンとジーンズの違いを分かりやすく言うと、ジーパンよりもジーンズの方が一般的な表現であるという違いです。
ジーパンとジーンズの使い方の違い
一つ目のジーパンを使った分かりやすい例としては、「ジーパンはスタイルが違うものを何本か持っている」「父は休日に出掛ける時ジーパンであることが多い」「かしこまった場所にジーパンでは立ち入ることができない」などがあります。
二つ目のジーンズを使った分かりやすい例としては、「色褪せたジーンズは古着屋で購入したものだ」「ジーンズだけでなくデニムスカートも好きだ」「ジーンズは後から己の身体に合うよう伸び縮みする衣類だと思っている」などがあります。
ジーパンとジーンズの使い分け方
ジーパンとジーンズはどちらも、デニム生地でできたズボンを表す言葉です。どちらも同じように使われ、意味や使い方に違いはありません。
ジーパンは、丈夫な綿布で作られたラフなズボンを表し、「ジーンズ」と「パンツ」を組み合わせて作られた和製英語です。
一方のジーンズは、生地の呼び方に由来した呼称であるため、着用するズボンではなく、丈夫な綿布を意味することもあります。そのため、必ずズボンを表すジーパンとは異なるものと区別されることもあります。
ネット上の検索エンジンにおけるヒット数はジーパンが996万件、ジーンズが約7580万件であり、約7.6倍もの差をつけており、辞書などの見出しにもジーンズが用いられていることがほとんどです。
つまり、ジーパンよりも、ジーンズの方がより多く用いられている日本語表現であるという違いがありますが、どちらを使っても間違いではありません。今日においては、ジーパンもジーンズも古い呼び方とされ、「デニム」と呼ぶことも多くなりました。
ジーパンとジーンズの英語表記の違い
ジーパンとジーンズを英語にすると「jeans」となり、例えば上記の「色褪せたジーンズ」を英語にすると「faded jeans」となります。
ジーパンの意味
ジーパンとは
ジーパンとは、丈夫な綿布で作られたラフなズボンを意味しています。
ジーパンの使い方
ジーパンを使った分かりやすい例としては、「家族全員、ジーパンと呼んでいたため私もついジーパンと言ってしまう」「ジーパンにも色々な種類があり、裾の広がり方や股上の長さなど様々だ」「ジーパンの裾上げをしてもらうのを忘れた」などがあります。
その他にも、「ジーパンで高級ホテルのラウンジを歩こうとは思わない」「ジーパンは多くのトップスに合わせやすいため、色の違うものを何本か持っている」「ジーパンを洗濯する時には色落ちなどを気にする必要がある」などがあります。
ジーパンの由来
ジーパンは、「ジーン生地で作られたパンツ」を省略して「ジーパン」と呼ばれるようになったと言われる和製英語です。英語圏では「ジーンズ」と呼ばれており、ジーパンという言葉は通じません。
また、1945年にGHQによって古着の大量のジーンズを含んだアメリカ文化が日本に流入したことがきっかけとなり、アメリカ軍の軍人の俗称である「G.I」や「GHQ」の頭文字を用いて「Gパン」と表記するようになったことに由来する説もあります。
今日では、ジーパンという呼び方は古いとされており、語源である「ジーンズ」も古い呼び方と考えられることもあります。そのため、生地である「デニム」を用いてデニムパンツを表現することが多くなりました。
ジーパンの類語
ジーパンの類語・類義語としては、足首までの丈の長さのズボンを意味する「長ズボン」、伸縮性のあるデニム素材やデニムをプリントした素材で作られたタイツのようなボトムスを意味する「デニンス」などがあります。
ジーンズの意味
ジーンズとは
ジーンズとは、デニム生地や綿でできたカジュアルなズボンを意味しています。
ジーンズの使い方
ジーンズを使った分かりやすい例としては、「ダメージジーンズを自分で作ってみたいと思ったことは何度かある」「ヴィンテージジーンズは高価すぎて何本も手が出せない」「ジーンズの有名ブランドは私でも耳にしたことがある」などがあります。
その他にも、「トップスに合わせてスキニージーンズとワイドジーンズのどちらを履くかを決める」「ブルージーンズとジャケットのセットアップは私に似合うだろうか」「ジーンズショップでいくつも試着をしてようやく購入する物を決めた」などがあります。
ジーンズの由来
ジーンズは英語で「jeans」と表記されますが、「デニム製のズボン」を表します。イタリアのジェノヴァを産地とする綿布が、フランスで「ジェーヌ」と呼ばれるようになり、英語圏で「ジーン」と呼ばれるようになりました。
また、「ソックス」「シューズ」などのように、左脚と右脚どちらにも身に付ける物に対しては複数形で用いられることから、ジーンも複数形となり、「ジーンズ」と呼ばれるようになりました。
元々は鉱山で働く人たちに向けて作られた作業着であったことから、ジーンズはパンツスタイルを指すことがほとんどですが、今日ではスカートやジャケットにもデニム生地が使われることもあります。
その場合、「ジーンズスカート」ではなく「デニムスカート」と呼びます。ジャケットは「ジーン・ジャケット」と呼ばれることもありましたが、今では「デニムジャケット」と呼ばれることがほとんどです。
表現方法は「ダメージジーンズ」
上記例文の「ダメージジーンズ」とは、脱色、傷や汚れなど手を加えてファッション性を高めたジーンズを指す言葉で、「ダメージパンツ」とも呼ばれています。穴が開けられていたり、何度も洗濯し、漂白剤で色落ちさせるなどの手法が取られています。
ジーンズの類語
ジーンズの類語・類義語としては、胸当てなどのついて作業用のズボンを意味する「オーバーオール」、厚手の綿生地であるチノ・クロスを用いたパンツを意味する「チノパン」などがあります。
ジーパンの例文
この言葉がよく使われる場面としては、丈夫な綿布で作られたラフなズボンを意味する時などが挙げられます。
どの例文のジーパンも、ジーンズに置き換えて使うことができます。
ジーンズの例文
この言葉がよく使われる場面としては、デニム生地や綿でできたカジュアルなズボンを意味する時などが挙げられます。
例文1の「ディナージーンズ」とは、ホテルディナーなど少し改まった場所に着ていくためのドレスアップジーンズを指す言葉で、「ステータスジーンズ」とも呼ばれています。
ジーパンとジーンズは、どちらも「デニム生地でできたズボン」を表します。どちらを使うか迷った場合は、「ジーパン」よりも「ジーンズ」の方が一般的な表現であると覚えておけば間違いありません。