似た意味を持つ「潜在意識」(読み方:せんざいいしき)と「顕在意識」(読み方:けんざいいしき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「潜在意識」と「顕在意識」という言葉は、どちらも「心の働き」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
潜在意識と顕在意識の違い
潜在意識と顕在意識の意味の違い
潜在意識と顕在意識の違いを分かりやすく言うと、潜在意識とは自覚していない心の働き、顕在意識とは自覚している心の働きという違いです。
潜在意識と顕在意識の使い方の違い
一つ目の潜在意識を使った分かりやすい例としては、「BGMが潜在意識に働きかけることがあります」「潜在意識の書き換え方を知っていますか」「ユングは潜在意識を二分化しました」「潜在意識にはどんな働きがあるのでしょうか」などがあります。
二つ目の顕在意識を使った分かりやすい例としては、「顕在意識と潜在意識の関係を研究しています」「私たちは常に顕在意識を使用しています」「みんな覚醒している時は顕在意識が優位になります」などがあります。
潜在意識と顕在意識の使い分け方
潜在意識と顕在意識という言葉は、どちらも心理学で使用されている言葉であり心の働きを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
潜在意識とは、活動はしているが自覚されない意識を意識します。例えば、自覚はしていないものの無意識のうちに誰かを嫌っていて、その人を自然と避けてしまうような場合などに、「潜在意識で嫌っている」と表現します。
顕在意識とは、潜在意識に対して用いられる言葉であり、心の中にはっきりと自覚することができる意識のことです。例えば、ある人を嫌っていて「俺はあいつが嫌いだ」と明瞭に自覚している心の働きを指す言葉です。
つまり、潜在意識は自覚していない心の働きを表し、顕在意識は自覚している心の働きを表します。二つの言葉は、自覚しているかどうかの点において相反する意味を持つ言葉なのです。
潜在意識と顕在意識の英語表記の違い
潜在意識を英語にすると「subconscious」「subconscious awareness」「unconscious mind」となり、例えば上記の「潜在意識に働きかける」を英語にすると「work on the subconscious」となります。
一方、顕在意識を英語にすると「conscious」「conscious awareness」「conscious mind」となり、例えば上記の「顕在意識と潜在意識の関係」を英語にすると「relationship between the conscious and the subconscious mind」となります。
潜在意識の意味
潜在意識とは
潜在意識とは、精神分析などで、活動はしているが自覚されない意識を意味しています。
潜在意識の使い方
潜在意識を使った分かりやすい例としては、「潜在意識と顕在意識を一致させよう」「潜在意識で明るい未来を引き寄せる」「潜在意識と顕在意識のわかりやすい図を用意しました」「潜在意識を書き換える方法はありますか」などがあります。
その他にも、「英語学習において潜在意識はとても重要です」「潜在意識で安心感を得ることができます」「成功のイメージを潜在意識に刻み込む」「潜在意識とスピリチュアルは関係ありません」などがあります。
潜在意識とは、自覚されない意識や、意識内での強い禁止によって現われることができない意識を意味します。主に、過去の経験などから蓄積された価値観や思い込みなどによって形成されると言われています。潜在意識の「潜在」は、表面には表れず内にひそんで存在することを意味する熟語です。
潜在意識という言葉の概念は、心理学に由来します。オーストリアの精神分析学者フロイトは、潜在意識に抑圧されている情動から神経症が発症すると考えました。またスイスの精神医学者ユングは、潜在意識を自覚されることなく行動や考え方に影響を与えるものと捉えていました。
潜在意識の対義語
潜在意識の対義語・反対語としては、自分自身が意識できる心理状態を意味する「表層心理」、自分の置かれている状態などをはっきり知ることを意味する「自覚」などがあります。
潜在意識の類語
潜在意識の類語・類義語としては、心の奥深くで働く自分でも気づかない心の動きを意味する「深層心理」、思い出す努力によって意識化できる精神の領域を意味する「下意識」、意識されないが感情の経験や行動に影響を及ぼす心的状態を意味する「無意識」などがあります。
顕在意識の意味
顕在意識とは
顕在意識とは、心中に明瞭に自覚されている意識などを指す表現を意味しています。
顕在意識の読み方
顕在意識の読み方は「けんざいいしき」です。顕在は、音読みを組み合わせて「けんざい」と読む熟語です。
顕在意識の使い方
顕在意識を使った分かりやすい例としては、「潜在意識に比べて顕在意識はわずかです」「顕在意識は全体の3%とも言われています」「顕在意識で思考を静止させることができます」「顕在意識を活用して英語の勉強をする」などがあります。
その他にも、「顕在意識と潜在意識を一致させることは可能です」「自分の顕在意識がエゴでいっぱいになる」「顕在意識のイメージをイラストにする」「好きな人の顕在意識をタロットで占う」などがあります。
顕在意識とは、心の中にはっきりと自覚することができる意識であり、前述した「潜在意識」に対して使われる言葉です。顕在意識の「顕在」」は明確に形にあらわれて存在すること、「意識」は自身の状態や状況などが自分でわかる心の働きのことです。
顕在意識の対義語
顕在意識の対義語・反対語としては、人間現象の背後にあって影響を与える混沌としたものを意味する「無意識」、自分のすることについての自覚がないことを意味する「無自覚」、意識されていない無意識の心理状態を意味する「深層心理」などがあります。
顕在意識の類語
顕在意識の類語・類義語としては、ふだん認識することができる意識を意味する「表面意識」、自分でわかっていてわざとするさまを意味する「意識的」、わざとする気持ちを意味する「故意」、自分自身についての意識を意味する「自意識」などがあります。
潜在意識の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自覚されることなく活動する意識、意識内での強い禁止によって現れることができない意識を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「潜在意識が強い人」とは、行動や考え方に働きかける意識である潜在意識の影響を受けやすい人を表現しています。
顕在意識の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ふだん自分で認識することができる意識を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、顕在意識という言葉は潜在意識に対して用いられ、普段の生活の中で自覚できている意識を表しています。
潜在意識と顕在意識という言葉は、どちらも「心の働き」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自覚していない心の働きを表現したい時は「潜在意識」を、自覚している心の働きを表現したい時は「顕在意識」を使うようにしましょう。