似た意味を持つ「フリーランス」と「フリーター」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「フリーランス」と「フリーター」という言葉は、「被雇用者」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
フリーランスとフリーターの違い
フリーランスとフリーターの意味の違い
フリーランスとフリーターの違いを分かりやすく言うと、フリーランスは企業や団体に所属しない雇用形態を表現する時に使い、フリーターは企業や団体に所属する雇用形態を表現する時に使うという違いです。
フリーランスとフリーターの使い方の違い
一つ目のフリーランスを使った分かりやすい例としては、「フリーランスのイラストレーターとして活動し始めることにした」「彼はフリーランスのため様々なところで記事を目にする」「フリーランスのカメラマンとしてまだ収益を出せていない」などがあります。
二つ目のフリーターを使った分かりやすい例としては、「この職場の店員は学生やフリーターが多いそうだ」「フリーターとして生活費を稼ぎながら夢に向かって努力している」「早くフリーターではなく定職に就きなさいと親に怒られた」などがあります。
フリーランスとフリーターの使い分け方
フリーランスとフリーターはどちらも、収益を得る被雇用者を指す言葉ですが、指し示すものが大きく異なります。
フリーランスは、会社や団体などに所属しない自由契約者を指す言葉です。自身の能力や知識を売りに企業と案件毎に契約を行うのが特徴で、業務委託などの形で仕事を請け負う雇用形態です。
一方のフリーターは、定職につかずにアルバイトなどで生活費を得ている人を指す言葉です。非正規雇用として会社と契約を行い、労働者の希望をある程度反映させつつ、勤務時間などが指示されるという特徴があります。
つまり、フリーランスは企業や団体に所属しない雇用形態を指し、フリーターは企業や団体に所属する雇用形態を指すという違いがあります。
フリーランスとフリーターの英語表記の違い
フリーランスを英語にすると「freelance」となり、例えば上記の「フリーランスのイラストレーター」を英語にすると「a freelance illustrator」となります。
一方、フリーターを英語にすると「a part-timer」「part-time worker」となり、例えば上記の「学生やフリーター」を英語にすると「students or part-time workers」となります。
フリーランスの意味
フリーランスとは
フリーランスとは、会社や団体などに所属しない自由契約者を意味しています。
フリーランスの使い方
フリーランスを使った分かりやすい例としては、「フリーランスとして活動し始めるなら開業届のことも考えなくてはならない」「フリーランスのアナウンサーとなってから色んな番組で目にするようになった」などがあります。
その他にも、「フリーランスになるための踏ん切りがまだつかない」「今後はフリーランスで働く方が自分にあっているような気がする」「フリーランスになってから自分の売り込み方が身についた」などがあります。
フリーランスは英語で「freelance」と表記され、「フリーの作家」「自由契約の」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、「フリーランサー」「フリーエージェント」とも呼ばれ、「フリー」と省略して呼ばれることもあります。
中世ヨーロッパでは、仕える特定の相手を持たずに自由契約で雇われた騎士が存在し、敵勢力とは契約を交わしていない槍騎兵を表す言葉として用いられていました。後に組織を離れて働く状態を表す言葉として使われるようになりました。
フリーランスの定義
経済産業省は、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、 自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」とと定義しています。仕事を引き受ける度に契約を結んでおり、芸術家、俳優、記者やアナウンサーなどに多い形態とされています。
当人の能力次第で成果や報酬が左右されるため収入が不安定であるため、決まった企業にて正社員として働く形態よりも、金融機関との契約で不利になることもあります。
フリーランスの対義語
フリーランスの対義語・反対語としては、権利能力を与えられた組織を意味する「法人」があります。
フリーランスの類語
フリーランスの類語・類義語としては、独立して自分の力で経営する事業を意味する「自営業」、複数の企業と契約し、支持を受けずに活動する個人事業主を意味する「インディペンデント・コントラクター」などがあります。
フリーターの意味
フリーターとは
フリーターとは、定職につかずにアルバイトなどで生活費を得ている人を意味しています。
フリーターの使い方
フリーターを使った分かりやすい例としては、「学生の頃働いていたところで今はフリーターとして働かせてもらっている」「自由に見えるフリーターは不安定だと思う」「フリーター歓迎という広告を見て応募することにした」などがあります。
その他にも、「フリーターやパートがいなければこの職場は回っていないだろう」「バブル経済以降、フリーターは良くないと考えられることもあるそうだ」「フリーターであれば本来やりたいことに時間を割くことができる」などがあります。
フリーターは和製英語
フリーターは、英語で「縛られていない」「型にはまらない」といった意味を持つ「free」と、ドイツ語で「労働者」を意味する「arbeiter」とを組み合わせ、省略した和製英語です。そのため、英語圏では「a part-timer」などの表現が用いられます。
フリーターの定義
日本では、内閣府が「15歳から34歳までの学生と主婦を除く若者のうち正社員ではない労働者や働く意志はある無職の人」、厚生労働省が「15歳から34歳までの学生や既婚女性を除く若者のうちアルバイターもしくはアルバイトを希望する無職の人」と定義しています。
フリーターの対義語
フリーターの対義語・反対語としては、正規雇用で雇用期間を定められていない人を意味する「正社員」、学校にも行かず就職をしようともせず、職業訓練も受けない若者を意味する「ニート」があります。
フリーターの類語
フリーターの類語・類義語としては、所定の労働時間と異なる短時間の勤務制度を意味する「パートタイム」、常勤ではなく日数や時間数を限定して勤務することを意味する「非常勤」などがあります。
フリーランスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、会社や団体などに所属しない自由契約者を意味する時などが挙げられます。
どの例文のフリーランスも、「フリー」と省略して使われることがあります。
フリーターの例文
この言葉がよく使われる場面としては、定職につかずにアルバイトなどで生活費を得ている人を意味する時などが挙げられます。
どの例文のフリーターも、生活費を得ている人に対して用いられていますが、「アルバイトをする意志がある無職の人」を指す場合にも使われます。
フリーランスとフリーターは、どちらも「被雇用者」を表します。どちらを使うか迷った場合は、企業や団体に所属しない雇用形態を表す場合は「フリーランス」を、企業や団体に所属する雇用形態を表す場合は「フリーター」を使うと覚えておけば間違いありません。