【ロス】と【ロスト】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ロス」と「ロスト」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ロス」と「ロスト」という言葉は、「失うこと」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




ロスとロストの違い

ロスとロストの意味の違い

ロスとロストの違いを分かりやすく言うと、ロスは損失や喪失を表現する時に使い、ロストは失われた状態を表現する時に使うという違いです。

ロスとロストの使い方の違い

一つ目のロスを使った分かりやすい例としては、「エネルギーの変換などによってエネルギーロスが発生している」「ペットロスの人には時間が必要だろう」「時間をロスするわけにはいかないため分刻みのスケジュールとなっている」などがあります。

二つ目のロストを使った分かりやすい例としては、「ロストアップデートとは更新した内容が削除されている状態だ」「データのロストから復旧までどの程度時間がかかるだろうか」「ロストしたアイテムが貴重なものではないことを祈る」などがあります。

ロスとロストの使い分け方

ロスとロストはどちらも、失うことを意味しますが、使い方が若干異なります。

ロスは、失うことや喪失を表し、上記例文の「エネルギーロス」「ペットロス」などのように名詞として使われることが多い言葉です。「時間をロスする」という表現で動詞のように使われることもあります。

一方のロストは、失われた、紛失したといった意味を持ちます。「ロストアップデート」「データのロスト」などのように形容詞として状態を表しますが、こちらも「ロストした」といった表現で動詞のように使われることもあります。

つまり、ロスは名詞として損失や喪失感を表す言葉として使い、ロストは形容詞として失われた状態を表す言葉として使うという違いがあります。

ロスとロストの英語表記の違い

ロスを英語にすると「loss」となり、例えば上記の「エネルギーロス」を英語にすると「energy loss」となります。一方、ロストを英語にすると「lost」となり、例えば上記の「ロストアップデート」を英語にすると「lost updates」となります。

ロスの意味

ロスとは

ロスとは、失うことや喪失を意味しています。

その他にも、無駄に費やすことを意味する言葉として使われています。

ロスの使い方

「ペットロスに陥る人は多く、それだけ愛情を注いでいたことが伺える」「一度ロスになると大体のことにやる気が出なくなる」「ロスを乗り切るためにできることはあるだろうか」などの文中で使われているロスは、「失うこと」の意味で使われています。

一方、「時間をロスしたことで遅刻してしまった」「生産ロスによって無駄になるのは商品だけではない」「コミュニケーションロスが起きる原因とその解決方法を模索する」などの文中で使われているロスは、「無駄にすること」の意味で使われています。

ロスは英語で「loss」と表記され、「喪失」「紛失」「空虚さ」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、上記例文の「時間をロスする」などの使い方で動詞のように用いられることもあります。

表現方法は「ロスに陥る」「ロスになる」

また、「ロスに陥る」「ロスになる」などのように、大切なものや夢中になって取り組んできたものを失ってしまった時の喪失感や寂しさを表し、「ペットロス」のように「○○ロス」という表現がオタク用語として用いられることも多くあります。

その他にも、無駄にすることや損失したものを表すこともあり、「フードロス」「生産ロス」などのように名詞を伴い表現されています。上記例文の「コミュニケーションロス」とは、コミュニケーション不足によって引き起こされる損失やトラブルを意味します。

ロスの対義語

ロスの対義語・反対語としては、事業などによって得るもうけを意味する「利益」、満ち足りたという感じを意味する「満足感」があります。

ロスの類語

ロスの類語・類義語としては、利益を失わせることや失うことを意味する「損害」、目的のための行動が、当てが外れて失敗することを意味する「空振り」せっかくの苦労が無駄になることを意味する「骨折り損」などがあります。

ロストの意味

ロストとは

ロストとは、失われた、紛失したを意味しています。

ロストの使い方

ロストを使った分かりやすい例としては、「ロストテクノロジーと呼ばれる技術に興味がある」「ロストバゲージが起こってしまう要因はいくつか考えられる」「データをロストしてしまい、最初から作り直すことになった」などがあります。

その他にも、「全員キャラクターロストしたら、そのダンジョンでの挑戦は一度終了となる」「ロストしたアイテムを取り戻すことはできない」「ロストワールドと呼ばれる名称はゲームにも小説にも多く用いられている」などがあります。

ロストは英語で「lost」と表記され、「道に迷った」「途方に暮れた」「失われた」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われますが、「道に迷った」を意味する言葉としてはほとんど使われていません。

表現方法は「ロストテクノロジー」「キャラクターロスト」

上記例文の「ロストテクノロジー」とは、失われた技術を指し、過去に用いられていた技術の中でも現存しないものや、今日においては実用的ではないものを指す場合に使われる言葉です。

また、上記例文の「キャラクターロスト」「ロストしたアイテム」などのように、キャラクターが戦闘や行動不能となって失うことを意味するゲーム用語としても使われることも多い、迷子の状態である場合にも使われています。

ロストの類語

ロストの類語・類義語としては、根も葉もない、痕跡が全くないことを意味する「跡形もない」、品物や材料がなくなることを意味する「種切れ」、人や物が全部出てしまうを意味する「出払う」などがあります。

ロスの例文

1.母がペットロスに陥ってからだいぶ経つが、今日新しい家族を迎える準備を楽しそうにしており、安心した。
2.芸能人が結婚する度に、なんとかロスという表現をSNSやメディアで目にするようになる。
3.コミュニケーションロスを減らすために、過不足のないよう状況説明をした上で、不明点がないか相手に確認するべきだろう。
4.出勤前にお弁当をひっくり返してしまうタイムロスのせいで、いつも乗っているバスにも間に合わなかった。
5.食べられるはずの食糧が捨てられてしまうフードロスは、社会的にも環境的にも影響を与えることになる。

この言葉がよく使われる場面としては、失うことや喪失を意味する時などが挙げられます。

例文4や5のように、無駄に費やすことを意味する言葉としても使われています。

ロストの例文

1.フィルムが現存しないロストメディアを復元させた作品を鑑賞しに行くのが今から楽しみだ。
2.まさかロストバゲージに遭遇するとは思わなかったが、乗客の手違いだったため無事に手元に荷物が戻ってきた。
3.商談において受注できなかった案件はクローズドロストと呼ばれているそうだ。
4.ゲーム内でロストしたアイテムは、いつでも取りに行くことが可能なため、惜しまず使うべきだと思っている。
5.ロストしたキャラクターは再度使うことができるようになるものの、デメリットが付与された状態となるらしい。

この言葉がよく使われる場面としては、失われた、紛失したを意味する時などが挙げられます。

例文1の「ロストメディア」とは、現在では所在や存在の確認ができないメディアや、公開されていないメディアを指す言葉です。今日では、インターネットの普及により、ネット上での配信が行なわれていない作品を指す言葉として使われるようにもなっています。

ロスとロストは、どちらも「失うこと」を表します。どちらを使うか迷った場合は、損失や喪失を表す場合は「ロス」を、失われた状態を表す場合は「ロスト」を使うと覚えておけば間違いありません。

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