【附属】と【付属】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「ふぞく」という読み方の「附属」と「付属」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「附属」と「付属」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




附属と付属の違い

附属と付属の違いを分かりやすく言うと、附属とは法令や公用文で使用され、付属とは一般的に使用されているという違いです。

一つ目の附属を使った分かりやすい例としては、「娘は大学の附属高校に通っています」「子どもに国立大学の附属幼稚園を受験させる」「区分所有法の附属施設について調べています」「条約の附属書改正案を提出する」などがあります。

二つ目の付属を使った分かりやすい例としては、「息子は大学の付属高校に進学しました」「文教大学付属中学校の過去問にチャレンジする」「パソコンの付属品を紛失してしまった」「製品にはアダプターが付属しています」などがあります。

附属と付属という言葉は、どちらも「ふぞく」と読み、「主になるものに付き従っていること」「付属の学校を呼ぶ略称」を表します。

二つの言葉は同音同義語であるため、附属と付属は互いに置き換えて使うことができます。上記例文にある「大学の附属高校」は「大学の付属高校」に、「パソコンの付属品」は「パソコンの附属品」に書き換えることが可能です。

ただし、使われる傾向には違いがあります。公用文や法令では「附属」が使われており、その他一般には「付属」が使われることが多くなっています。また、固有名詞として用いられる学校名の「附属」と「付属」は、学校によってどちらが採用されているか違うので注意してください。

附属も付属も英語にすると「attachment」「addition」「affiliated」となり、例えば上記の「大学の附属高校」を英語にすると「a university‐affiliated high school」となります。

附属の意味

附属とは、主になるものに付き従っていること、また、そのものを意味しています。

その他にも、「付属学校の略」「仏語、師が弟子に教えを授けさらに後世に伝えるよう託すること、付法」の意味も持っています。

「条例に基づき附属機関を設置する」「公職選挙法は憲法附属法の一つです」「計算書類に係る附属明細書のひな型をダウンロードする」などの文中で使われている附属は、「主になるものに付き従っているもの」の意味で使われています。

一方、「鹿児島にある附属小学校の英語教育活動を紹介します」の文中で使われている附属は「付属学校の略」の意味で、「弟子に経典の教えを附属する」の文中で使われている附属は「師が弟子に教えを授け後世に伝えるよう託すこと」の意味で使われています。

附属の読み方は「ふぞく」です。誤って「ぶぞく」「ふしょく」などと読まないようにしましょう。

附属とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。附属の「附」は訓読みで「つく」「つける」と読み、離れないように付着させるさせること、「属」は付き従うことや範囲に入ることを表す漢字です。

附属を用いた日本語には「附属建物」があります。附属建物とは、不動産登記法において用いられる言葉であり、家や店舗などの主たる建物に対して、物置や納屋など補助的に使う建物を指します。附属建物は、建物の従物であるので、建物が売買されれば附属建物も同時に売買されることになります。

附属の対義語・反対語としては、他のものから離れて別になっていることを意味する「独立」などがあります。

附属の類語・類義語としては、個人や事物などが組織にその一員として加わっていることを意味する「所属」、特定の組織体などに所属し従うことを意味する「帰属」、ある物事が他の物事につき従っていることを意味する「付随」などがあります。

付属の意味

付属とは、主になるものに付き従っていること、また、そのものを意味しています。

その他にも、「付属学校の略」「仏語、師が弟子に教えを授けさらに後世に伝えるよう託すること、付法」の意味も持っています。

「自立語と付属語の見分け方を教えてもらった」「段ボールに付属のケーブルが入っています」「助詞は活用しない付属語です」などの文中で使われている付属は、「主になるものに付き従っているもの」の意味で使われています。

一方、「東京都にある大学付属高校を調べています」の文中で使われている付属は「付属学校の略」の意味で、「住職が後継者に仏法を付属する」の文中で使われている付属は「師が弟子に教えを授け後世に伝えるよう託すこと」の意味で使われています。

付属の読み方は「ふぞく」です。誤って「つぞく」「ふしょく」などと読まないようにしましょう。

付属とは、上記の例文にあるように三つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。付属の「付」は「つく」「つける」と読み、あるものと他のものが離れない状態になることを表します。

付属を用いた日本語には「付属語」があります。付属語とは、日本語の文法用語であり、単語の二大分類の一つです。単独では文節を構成することができず、常に自立語のあとに付いて意味を添えたり、自立語相互の関係を表したりする働きをする語を指します。

付属の対義語・反対語としては、他への従属から離れてひとりだちすることを意味する「自立」などがあります。

付属の類語・類義語としては、主となる物事に付け加えることを意味する「付帯」、特定のものだけに属していることを意味する「専属」、権力や威力のあるものに依存してつき従うことを意味する「従属」などがあります。

附属の例文

1.母屋と同じ敷地内の車庫などは、附属建物として登記することができます。
2.県の令和6年度決算に関する附属資料は、ホームページからダウンロードできます。
3.教育熱心なママ友は、子どもを国立大学の附属小学校に入れたいと言っています。
4.私の妻は、埼玉大学教育学部附属中学校で英語の非常勤講師をしています。
5.うちの子は勉強が得意ではないので、中堅私立大学の附属に入れれば十分だと考えています。

この言葉がよく使われる場面としては、主になるものや本体となるものに付き従っていること、付属学校の略を表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2にある附属は、主になるものに付き従っているさまを表しています。例文3から例文5の附属は、大学に付設されている学校を意味しています。

付属の例文

1.商品の付属品につきましては、お届け時に同梱している確認票をご覧ください。
2.家電の取扱説明書と付属書類は、一つのクリアファイルに入れて棚に並べています。
3.寝室のテレビは、付属するアタッチメントを利用して壁掛けにすることに決めました。
4.どうしても大学受験を回避したくて、偏差値の低い大学付属高校を選びました。
5.付属の生徒は内部進学で大学に行けるので、部活動や課外活動に時間を費やすことができます。

この言葉がよく使われる場面としては、主になるものや本体となるものに付き従っていること、付属学校の略を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3にある付属は、主になるものや本体に付き従っているさまを表しています。例文4や例文5の付属は、大学に付設されている学校を意味しています。

附属と付属という言葉は、どちらも「ふぞく」と読む同音同義語です。を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に使われている「付属」を使用すれば間違いないでしょう。ただし、学校名にある「附属」と「付属」は、固有名詞なので学校ごとに確認する必要があります。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター