【生粋】と【純粋】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「生粋」(読み方:きっすい)と「純粋」(読み方:じゅんすい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「生粋」と「純粋」という言葉は、どちらも混じりけがないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




生粋と純粋の違い

生粋と純粋の意味の違い

生粋と純粋の違いを分かりやすく言うと、生粋は出身や育ちについて使い、純粋は物質や人柄について使うという違いです。

生粋と純粋の使い方の違い

一つ目の生粋を使った分かりやすい例としては、「私は生粋の東北人です」「生粋の京都人である友人」「彼女は生粋のセレブ一家出身だ」「生粋の鹿児島人が好きな薩摩揚げ」「生粋のロンドンっ子たちが集まる公園」などがあります。

二つ目の純粋を使った分かりやすい例としては、「100%純粋な北海道産の馬油」「混合物と純粋な物質を見分ける」「この商品はほぼ純粋なエタノールです」「純粋でピュアな女性などいない」「彼は純粋で一途な男だ」「純粋で私心のない心の持ち主」などがあります。

生粋と純粋という言葉は、混じりけがないことを意味する言葉なのですが、生粋は出身や育ちについて使い、純粋は物質や人柄について使うという違いがあります。また、純粋には邪念がないことや一途なことの意味もあります。

上記の「私は生粋の東北人です」とは、東北に生まれてずっと住んでいることを表します。出身や育ちについて混じりけがないことを表しており、生粋を純粋に置き換えることはできません。

逆に「純粋な馬油」は、馬油のほかに物質が混じってないことを表し、純粋を生粋に置き換えることはできません。

さらには、純粋には「純粋でピュアな女性」など、邪念がないことや一途なことなど人柄を表す意味もあります。これが生粋との明確な違いになります。

生粋と純粋の英語表記の違い

生粋も純粋も英語にすると「genuine」「pure」となり、例えば上記の「純粋な心」を英語にすると「pure heart」となります。

生粋の意味

生粋とは

生粋とは、まじりけが全くないことを意味しています。

表現方法は「生粋の日本人」「生粋のフランス人」「生粋の関西人」

「生粋の日本人」「生粋のフランス人」「生粋の関西人」などが、生粋を使った一般的な言い回しです。

生粋の使い方

生粋を使った分かりやすい例としては、「彼は生粋の東京都民です」「おじいちゃんは生粋の江戸っ子だ」「彼女は生粋のお嬢様である」「彼は北海道生まれで生粋の道産子だ」「生粋の京都人が勧める宇治抹茶」などがあります。

その他にも、「自分は生粋の九州男児です」「ハーフではなく生粋の日本人です」「生粋の灘酒を造りつづけ酒蔵」「生粋のパリジェンヌが転入してきた」「彼は生粋の天才ではなく努力の人だ」「生粋の音楽好きが集まるバー」などがあります。

生粋という言葉は、混じりけがないことを意味しており、出身や育ちについて使われることが多い言葉です。生まれてからずっとそこに住んでいることを表す時に使われます。

生粋の読み方

「生粋」は「きっすい」と読みます。「なまいき」ではないので注意しましょう。

「生粋の東京都民」の意味

上記の「生粋の東京都民」とは、生まれも育ちも東京で、ずっと東京都民であることを表しています。

「生粋の江戸っ子」の意味

「生粋の江戸っ子」とは、東京の下町で生まれ育った人のことを表します。本来は徳川時代の江戸で生まれ育った住民を指した言葉ですが、現代では東京の下町を指すようになりました。

生粋は、出身や育ちについて使われることが多い言葉ですが、「生粋の天才」や「生粋の音楽好き」のように、最初からそういう性質であることを表す時に使われることもあります。

生粋の対義語

生粋の対義語・反対語としては、そっくりまねをすることを意味する「疑似」、第一流の人に追随する独創性のない人を意味する「亜流」などがあります。

生粋の類語

生粋の類語・類義語としては、他の要素などが混入していないことを意味する「単純」、まじりけのないことを意味する「無雑」、純粋でまじりけのないことを意味する「生一本」(読み方:きいっぽん)などがあります。

生粋の生の字を使った別の言葉としては、家蚕の繭糸数本をそろえ繰り糸にしたままで練らないものを意味する「生糸」(読み方:きいと)、肉や野菜などの食料品が新しくていきのよいことを意味する「生鮮」、生まれつきを意味する「生来」(読み方:せいらい)などがあります。

純粋の意味

純粋とは

純粋とは、まじりけのないことを意味しています。

他にも、邪念がないことや一途なことの意味も持っています。

表現方法は「純粋な人」「純粋な心」「純粋に見える」

「純粋な人」「純粋な心」「純粋に見える」などが、純粋を使った一般的な言い回しです。

純粋の使い方

「こだわりの純粋ハチミツ」「純粋な蒸留水でございます」「細菌の純粋培養に成功した」「純粋犬種の血統証明書を確認する」「純粋な血統の漢族を調査する」「純粋な結晶を取り出す実験」などの文中で使われている純粋は「まじりけのないこと」の意味で使われています。

「純粋そうな女性を好きになる」「子どもの純粋さに胸を打たれる」「純粋に想い続けることが大切だ」「純粋に打ち込む姿勢はかっこいい」「純粋な気持ちを大事にする」「カントの純粋理性批判を読み解く」などの文中で使われている純粋は「邪念がないことや一途なこと」の意味で使われています。

純粋という言葉は、日常生活で使われることが多く、とても馴染みのある言葉なはずです。純粋は物質について混じりけのないことや、人柄について邪念がないことや一途なことを意味しています。

「純粋ハチミツ」の意味

上記の「純粋ハチミツ」とは、人工的に糖を加えておらず添加物も含まれていないハチミツのことを表します。「純粋な蒸留水」とは、蒸留器によって精製された水で不純物が混じっていない水を表します。

「純粋そうな女性」と「純粋に打ち込む」の意味

純粋は、物質について混じりけがないことを意味しますが、人柄について邪念がないことや一途なことも意味しています。「純粋そうな女性」とは、邪念や私欲がなさそうにみえる女性を表しています。「純粋に打ち込む」とは、一途に全精力を注ぐこと表しています。

純粋の対義語

純粋の対義語・反対語としては、まじりけのあることを意味する「不純」、けがれていることを意味する「不浄」などがあります。

純粋の類語

純粋の類語・類義語としては、けがれがなく心が清らかなことを意味する「純潔」、煩悩のけがれを離れて清浄であることを意味する「無垢」(読み方:むく)、世の中のけがれにそまっていないことを意味する「清純」などがあります。

純粋の純の字を使った別の言葉としては、邪心がなく清らかなことを意味する「純真」、同種の動物の雌雄間に生まれたものを意味する「純血」、本来のものであること「純正」などがあります。

生粋の例文

1.生粋の沖縄県民である友人が、本当のゴーヤーチャンプルーをご馳走してくれるそうだ。
2.生粋の道産子である彼女は、鶏のから揚げとザンギは違うと言っている。
3.暇すぎてネットで性格診断をしてみたら「生粋のヤンキー」という結果だった。
4.彼女は生粋のオタクなので、アニメキャラの名前はほぼ即答で言える。
5.私は生粋の肉好きなので、味の違いで肉の部位を言い当てることができる。
6.生粋の江戸っ子である彼は、普段はそんな事を微塵も感じさせないが、運転し始めると途端に気が短くなるし、夏は花火に異様に興奮する。
7.私は生まれは東京だがずっと北海道で育ったので、生粋とはいえないものの道産子だと自負している。
8.彼は幼い頃から地元クラブのシーズンチケットを保有する生粋のファンであった。
9.私は生粋の関東人なので、関西のうどんをみると色が薄いのではないかと思ってしまう。
10.友人は相変わらず生粋のギャンブラーだと息巻いているが、どうせまた負けるのだろうな。

この言葉がよく使われる場面としては、混じりけがないことを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2のように、生粋は混じりけがないことを意味しており、出身や育ちについて使われることが多い言葉です。例文3から例文5のように、生粋は最初からそういう性質であることを表す時に使われることもあります。

純粋の例文

1.免疫力を高めるという100%国産純粋はちみつを定期購入して毎日食べている。
2.結婚相手は絶対に純粋な子が良いと言っている彼は、なかなか相手が見つからない。
3.世の中のかけひきなど関係なく純粋に生きることは難しいと思う。
4.彼女の言動は天然だと思うが、純粋な人と思ったことはない。
5.純粋な人は他人に共感しやすく好印象を持たれるが、純粋な人ほど傷つきやすい。
6.彼女はあまりにも家柄のいい家のお嬢様として純粋に育ってきたので、いい人すぎてだまされるのではないかと心配になる。
7.あいつは純粋培養のエリートだから、叩き上げの社員に敵うはずがないだろう。
8.私は彼女のことを純粋な女性だと思っていたが、猫を被っていたのだと気づいた。
9.私は子どもの純粋さに胸を打たれて、己の心の汚さを反省しました。
10.彼女は誰とでも仲良くなれる天真爛漫な性格で、純粋な心の持ち主であった。

この言葉がよく使われる場面としては、混じりけのないことや邪念がないことなどを表現したい時などが挙げられます。

例文1で使われている純粋は、物質について混じりけがないことを意味しています。例文2から例文5で使われている純粋は、人柄について邪念がないことや一途なことを意味しています。

生粋と純粋という言葉は、どちらも混じりけがないことを意味していますが、生粋は出身や育ちについて使い、純粋は物質や人柄について使うという違いがあります。さらに純粋には、邪念がないことや一途なことも意味することも覚えておくと良いでしょう。

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