【危うい】と【危ない】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「危うい」(読み方:あやうい)と「危ない」(読み方:あぶない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「危うい」と「危ない」という言葉は、どちらも危険が迫っていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「危うい」と「危ない」の違い

「危うい」と「危ない」の意味の違い

「危うい」と「危ない」の違いを分かりやすく言うと、「危うい」は文語的な表現、「危ない」は口語的な表現という違いです。

「危うい」と「危ない」の使い方の違い

一つ目の「危うい」を使った分かりやすい例としては、「危ういところだったがギリギリで事故を回避できました」「彼の学力では進学は危ういとみています」「橋の老朽化が進んでいて通行は非常に危うい」「彼の命は危うい状態だった」などがあります。

二つ目の「危ない」を使った分かりやすい例としては、「車が急に飛び出してきたのでとても危ないところでした」「危ない遊びはやめてください」「彼が危ないことをするので注意をしました」などがあります。

「危うい」と「危ない」はどちらも危険が迫っていることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「危うい」と「危ない」の使い分け方

「危うい」は、「彼女の命は危うい状態だった」「合格は危うい状況だ」などのように、文語的や硬い表現として、客観的や深刻な場面に使われることが一般的になります。また、「失いそう」「成立しなさそう」といった可能性の危機を表す場合にも使う言葉です。

一方、「危ない」は、「車が急に飛び出してきて危なかった」「あの道は夜歩くには危ないよ」などのように、日常会話でよく使われるくだけた表現で、身近な危険や危険な行動に対して使います。また、主観的な驚きや恐怖を伴う場面で用いられることが多いのが特徴です。

つまり、文語的な表現として使うのが「危うい」、口語的な表現で使うのが「危ない」と覚えておきましょう。

「危うい」と「危ない」の英語表記の違い

「危うい」を英語にすると「in jeopardy」「at risk」「precarious」となり、例えば上記の「彼の命は危うい状態だった」を英語にすると「His life was in serious jeopardy.」となります。

一方、「危ない」を英語にすると「dangerous」「risky」「unsafe」となり、例えば上記の「車が急に飛び出してきて危なかった」を英語にすると「That car suddenly jumped out, That was dangerous」となります。

「危うい」の意味

「危うい」とは

「危うい」とは、危険が迫っていることを意味しています。

「危うい」の使い方

「危うい」を使った分かりやすい例としては、「チームの勝利は最後まで危うい状態が続いていました」「資金繰りが危うい会社はどこも経営に必死です」「状況が危ういと判断しすぐに避難を決めました」「あの発言は彼の立場を危うくする可能性がある」などがあります。

「危うい」は物事が今にも失敗したり崩れたりしそうなぎりぎりの不安定な状態を表す言葉です。簡単に言うならば、もう少しで悪い結果になりそう場合、このままでは危険かもしれないといったきわどい状況を指す場合に使います。

「危うい」の特徴

「危うい」は、物理的な場面に限らず、人間関係や社会情勢、精神的な状態など、さまざまな場面で使われる言葉です。主なきっかけを挙げると、支えとなるものが弱くなっているとき、判断や行動が遅れているとき、または周囲の状況が急変しているときなどがあります。

分かりやすい例を挙げると、倒産寸前の会社の経営状態や、試験の合格ラインに届くかどうか微妙な成績、命の危機に瀕している重篤な病状などがあります。

「危うい」は文語的や硬い表現として使うというのが特徴です。

「危うい」の類語

「危うい」の類語・類義語としては、今にも崩れそうな状態を表す「不安定」、差し迫った危機を表す「危機的」などがあります。

「危ない」の意味

「危ない」とは

「危ない」とは、災いが起こりそうであることを意味しています。その他にも、破産や死などの状態が近いこと、見通しが暗いこと、信頼の度が薄いこと、不安定なことの意味も持っています。

「危ない」の使い方

「先程危ない目に遭いました」「経営が危ないので何とかしなければなりません」などの文中で使われている「危ない」は、「災いが起こりそうであることや破産や死などの状態が近いこと」の意味で使われています。

一方、「明日の天気は危ないようです」「その話を信用するのは危ないと思うよ」などの文中で使われている「危ない」は、「見通しが暗いことや信頼の度が薄いこと」の意味で使われています。

目の前に差し迫った危険や、将来的に悪い結果が起きそうな不安定な状態を表す言葉です。簡単に言うならば、何か悪いことが起こる予兆があり、それに対して注意や警戒が必要な状況を指します。

「危ない」の特徴

「危ない」は日常生活のあらゆる場面で使われる言葉です。災害や事故のように物理的な危険を意味することもあれば、経済的な破綻、信用の喪失、精神的な不安定さなど、抽象的な危機を表すこともあります。

例えば、壊れかけた橋を渡るときの「危ない」、経営不振の企業に対しての「このままでは危ない」、人間関係のトラブルが起きそうな状況に対する「発言の仕方が危ない」など、文脈に応じて多様な意味合いで使われます。

「危ない」という感覚は、経験や直感にもとづいて瞬時に働くことが多く、身を守るための重要なサインでもあります。そのため、「危ない」と感じたときには、その感覚を無視せず、立ち止まったり、距離を取ったり、第三者の助けを求めたりすることが大切です。

また、基本的には口語的な表現で使うことが多いと覚えておきましょう。

「危ない」の類語

「危ない」の類語・類義語としては、安定しないことを意味する「不安定」、悪い結果を招く可能性があることを意味する「危険」などがあります。

「危うい」の例文

1.彼の手術は成功しましたが、当初は命が危うい状況だったと聞きました。
2.合格発表の直前まで、正直なところ自分の結果は危ういと思っていました。
3.彼女の発言は信頼関係を崩しかねない、非常に危ういものでしたね。
4.経営状態が危ういという噂が広まり、取引先が次々と離れていきました。
5.議案はなんとか通ったものの、最後まで可決は危うい情勢でした。

この言葉がよく使われる場面としては、危険が迫っていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「危うい」は文語的な表現で使うことが多い言葉です。

「危ない」の例文

1.子どもが道路に飛び出しそうになり、危ないと思って急いで止めました。
2.祖父の容体が急変したため、医師から危ない状態だと説明を受けました。
3.今年の売上の傾向を見ると、来期の業績も危ないと感じています。
4.彼は表では笑顔でも裏で何を考えているか分からず、危ない印象を受けます。
5.彼女は気持ちの浮き沈みが激しく、精神的に危ない状態が続いています。

この言葉がよく使われる場面としては、災いが起こりそうであることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、破産や死などの状態が近いこと、見通しが暗いこと、信頼の度が薄いこと、不安定なことを表現したい時にも使います。

例文1は災いが起こりそうであること、例文2は破産や死などの状態が近いこと、例文3は見通しが暗いこと、例文4は信頼の度が薄いこと、例文5は不安定なことの意味で使っています。

「危うい」と「危ない」はどちらも危険が迫っていることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、文語的な表現で使うのが「危うい」、口語的な表現で使うのが「危ない」と覚えておきましょう。

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