【喜ぶ】と【悦ぶ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「よろこぶ」という読み方の「喜ぶ」と「悦ぶ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「喜ぶ」と「悦ぶ」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「喜ぶ」と「悦ぶ」の違い

「喜ぶ」と「悦ぶ」の意味の違い

「喜ぶ」と「悦ぶ」の違いを分かりやすく言うと、「喜ぶ」は公用文で使える、「悦ぶ」は公用文で使えないという違いです。

「喜ぶ」と「悦ぶ」の使い方の違い

一つ目の「喜ぶ」を使った分かりやすい例としては、「志望校に合格したので飛び跳ねて喜ぶ」「コンサケートのチケットが当たったので喜ぶ」「この人事異動を喜ぶことはできませんでした」「ご回復と伺って一同大いに喜びました」などがあります。

二つ目の「悦ぶ」を使った分かりやすい例としては、「これは悦ぶべきことです」「彼女が悦ぶ気配はありません」「そうなったら彼はとても悦ぶだろう」「彼は自分の身体の美しさに悦ぶ」「この歳になって新たな趣味を見つけたことに悦ぶ」などがあります。

「喜ぶ」と「悦ぶ」の使い分け方

「喜ぶ」と「悦ぶ」はどちらも楽しく快い気持ちになることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

結論から言ってしまうと、「喜ぶ」は公用文で使えるのに対して、「悦ぶ」は公用文で使えないというのが違いです。

ではなぜ「悦ぶ」が公用文で使えないのかというと、常用漢字表に載っていない読み方だからです。

常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。

常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。

あくまで公用文だけなので、カジュアルな場面などにおいてはどちらを使用しても問題ありません。

また、カジュアルな場面では使い分けることもあり、「喜ぶ」は外的な要因で嬉しくなる時に使い、「悦ぶ」は内的な要因で嬉しくなる場合に使うと覚えておきましょう。

「喜ぶ」や「悦ぶ」の他に、「歓ぶ」や「慶ぶ」を使用することもあります。

「喜ぶ」と「悦ぶ」の英語表記の違い

「喜ぶ」も「悦ぶ」も英語にすると「glad」「pleased」「congratulate」となり、例えば上記の「ご回復と伺って一同大いに喜びました」を英語にすると「We were all very glad to hear that you had recovered」となります。

「喜ぶ」の意味

「喜ぶ」とは

「喜ぶ」とは、楽しく快い気持ちになることを意味しています。その他にも、ありがたく受け入れること、めでたいと思うことの意味も持っています。

表現方法は「喜ぶこと」「喜ぶ人」

「喜ぶこと」「喜ぶ人」などが、「喜ぶ」を使った一般的な言い回しになります。

「喜ぶ」の使い方

「彼の就職が決まったことを喜ぶ」「握手会に当選したことを喜ぶ」などの文中で使われている「喜ぶ」は、「楽しく快い気持ちになること」の意味で使われています。

一方、「彼は他人の忠告を喜ばない」「友人の結婚を心から喜ぶ」などの文中で使われている「喜ぶ」は、「ありがたく受け入れることやめでたいと思うこと」の意味で使われています。

「喜ぶ」はは複数の意味を持つ動詞です。基本的に嬉しく思ったり、快く思った場合に使用する言葉なので、プラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「喜ぶ」は公用文で使える

「喜ぶ」は常用漢字表に載っている言葉なので、公用文や新聞などの公的な場面でも使うことができます。したがって、どの「よろこぶ」を使うか迷った場合は、「喜ぶ」を使用すれば問題ありません。

「喜ぶ」は日常生活やビジネスシーンなどの、様々な場面において使うことができる言葉です。

「喜ぶ」の対義語

「喜ぶ」の対義語・反対語としては、心が痛む思いのことを意味する「悲しむ」、心を痛めることを意味する「憂える」があります。

「喜ぶ」の類語

「喜ぶ」の類語・類義語としては、物事が自分の望みどおりになって満足であり喜ばしいことを意味する「嬉しい」、非常に喜ぶことを意味する「歓喜」、満ち足りていることを実感して愉快な気持ちになることを意味する「楽しむ」などがあります。

「悦ぶ」の意味

「悦ぶ」とは

「悦ぶ」とは、楽しく快い気持ちになることを意味しています。その他にも、ありがたく受け入れること、めでたいと思うことの意味も持っています。

「悦ぶ」の使い方

「自分の計画通りにことが運んだので悦ぶ」「メイクがとても上手にいったので悦ぶ」などの文中で使われている「悦ぶ」は、「楽しく快い気持ちになること」の意味で使われています。

一方、「彼は配置転換を悦ぶ」「友人が付き合ったことを心から悦ぶ」などの文中で使われている「悦ぶ」は、「ありがたく受け入れることやめでたいと思うこと」の意味で使われています。

「悦ぶ」は複数の意味を持つ動詞です。基本的に嬉しく思ったり、快く思った場合に使用する言葉なので、プラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「悦ぶ」は自分が嬉しい時だけではなく、他人を楽しませたりする場合にも使うことができます。

「悦ぶ」のは公用文で使えない

「悦ぶ」を使う上で注意しなければならないのは、公用文で使えないという点です。なぜなら、「悦ぶ」という漢字が常用漢字表に載っていないからです。

したがって、公用文で使用したいのであれば、常用漢字表に載っている、「喜ぶ」の方を使うのがいいでしょう。ただし、公用文以外においては好きな方を使っても問題ありません。

「悦ぶ」の対義語

「悦ぶ」の対義語・反対語としては、心が痛む思いのことを意味する「哀しむ」があります。

「悦ぶ」の類語

「悦ぶ」の類語・類義語としては、めでたいこととして祝うことを意味する「祝賀」、楽しく気持ちのよいことを意味する「愉快」などがあります。

「喜ぶ」の例文

1.子供たちが喜ぶ顔が見たかったので、クリスマスケーキを買って帰ることにしました。
2.大好きなバンドのコンサートのS席が当選し、心から喜ぶことができました。
3.地元のサッカーチームが遂に日本一になったので、商店街のみんなで喜ぶ。
4.トイレでしたら喜んでお貸ししますので、ゆっくりして行ってください。
5.学生時代の友人が来月結婚すると聞いて、心から喜ぶ。

この言葉がよく使われる場面としては、楽しく快い気持ちになることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ありがたく受け入れること、めでたいと思うことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「喜ぶ」は楽しく快い気持ちになること、例文4はありがたく受け入れること、例文5はめでたいと思うことの意味で使っています。

「悦ぶ」の例文

1.祖父の手術が無事成功し来月には退院できると聞いて、家族みんなで悦びました。
2.彼は自分の筋肉を見て悦ぶので、相当なナルシストと言えるだろう。
3.弟子たちを悦ばせるために、何をすればいいか一日考えました。
4.彼は私の忠告を悦んで受け入れてくれたので、この件はきっと解決するだろう。
5.消費税の減税が決まったのは、大変悦ぶべきことだと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、楽しく快い気持ちになることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ありがたく受け入れること、めでたいと思うことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「悦ぶ」は楽しく快い気持ちになること、例文4はありがたく受け入れること、例文5はめでたいと思うことの意味で使っています。

「喜ぶ」と「悦ぶ」はどちらも楽しく快い気持ちになることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、公用文で使えるのが「喜ぶ」、公用文で使えないのが「悦ぶ」と覚えておきましょう。

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