【ごった返す】と【溢れかえる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ごった返す」(読み方:ごったかえす)と「溢れかえる」(読み方:あふれかえる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ごった返す」と「溢れかえる」という言葉は、どちらも人や物が多すぎて混み合っていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ごった返す」と「溢れかえる」の違い

「ごった返す」と「溢れかえる」の違いを分かりやすく言うと、「ごった返す」は混乱している様子に使う、「溢れかえる」は物理的に収まりきらない様子に使うという違いです。

一つ目の「ごった返す」を使った分かりやすい例としては、「事故現場は野次馬でごった返していた」「人気ラーメン店の前はいつも人でごった返している」「雨の日のバス停は傘をさした人でごった返していた」「駅の構内は観光客でごった返していた」などがあります。

二つ目の「溢れかえる」を使った分かりやすい例としては、「ゴミ箱が紙くずで溢れかえっている」「彼の部屋は本で溢れかえっていた」「人気イベントの会場は人で溢れかえっていた」「レストランは客で溢れかえっていた」などがあります。

「ごった返す」と「溢れかえる」はどちらも人や物が多すぎて混み合っていることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ごった返す」は、「駅前は帰宅ラッシュでごった返していた」のように、人や物が雑然と入り乱れて混乱している様子を表す言葉です。秩序がなく混沌としている雰囲気に重点があります。

一方、「溢れかえる」は、「ショッピングモールは買い物客で溢れかえっていた」のように、一定の容積や場所に入りきらずに外にまで出るほどの量がある様子を指します。混雑そのものよりも、「容量オーバー」な状態に焦点が当たっています。

つまり、混乱している様子に使うのが「ごった返す」、物理的に収まりきらない様子に使うのが「溢れかえる」と覚えておきましょう。

「ごった返す」を英語にすると 「be in chaos」「be crowded」「be jam-packed」となり、例えば上記の「駅の構内は観光客でごった返していた」を英語にすると「The station was jam-packed with tourists」となります。

一方、「溢れかえる」を英語にすると 「overflow」「be overflowing with」「be filled to capacity」となり、例えば上記の「レストランは客で溢れかえっていた」を英語にすると「The restaurant was overflowing with customers」となります。

「ごった返す」の意味

「ごった返す」とは、ひどく混雑することを意味しています。

「ごった返す」を使った分かりやすい例としては、「新年の神社は参拝客でごった返していた」「終電間際の駅構内が人でごった返している」「学園祭の屋台前は生徒と来客でごった返していた」「バーゲンセールで店内がごった返すのは毎年のことだ」などがあります。

「ごった返す」は、人や物が一か所に集中し、混雑して秩序を失った状態を表す言葉です。日常生活でもよく使われる表現で、駅やイベント会場、店内などで目にするあのごちゃごちゃした感じにぴったりと当てはまります。

例えば、「バーゲン初日の百貨店」「お盆の帰省ラッシュ時の駅構内」「ライブ会場の物販コーナー」などが典型的です。

単に人が多いだけではなく、混乱や雑然とした空気感があるのが特徴で、どこに誰がいるのかもわからないような整理されていない賑わいや、騒然とした雰囲気が含まれていると覚えておきましょう。

「ごった返す」の類語・類義語としては、単に人や物が多く詰まっている状態のことを意味する「混み合う」、人が大勢集まっているにぎやかな場所のことを意味する「雑踏」などがあります。

「溢れかえる」の意味

「溢れかえる」とは、人や物が入りきらないほど多くなることを意味しています。

「溢れかえる」を漢字にすると、「溢れ返る」と表記することができます。

「溢れかえる」を使った分かりやすい例としては、「文化祭のホールは歓声と拍手で溢れかえっていた」「コメント欄が応援メッセージで溢れかえっていた」「イベントの会場は熱気と活気で溢れかえっていた」「彼の目は涙で溢れかえっていた」などがあります。

「溢れかえる」はある空間や器に入りきらないほど中身が多くなってあふれている様子を示す言葉です。

「溢れかえる」は人が集まりすぎたイベント会場や、感情が高まりすぎて涙があふれる場面などにも使われます。

また、物理的なものに対しても、抽象的なものに対しても使えるというのが特徴です。

「溢れかえる」の類語・類義語としては、大量にどっと集まる様子のことを意味する「押し寄せる」があります。

「ごった返す」の例文

1.駅の改札付近は通勤ラッシュの影響で、ごった返しておりました。
2.セール初日の店内は、開店直後から多くの客でごった返していました。
3.彼のライブの会場は開始前からファンでごった返していましたよ。
4.年末の市場は買い物客でごった返し、足の踏み場もありませんでした。
5.祭りの会場は大勢の人でごった返していて、移動するのも大変でした。

この言葉がよく使われる場面としては、ひどく混雑することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ごった返す」は混乱している様子に使う言葉です。

「溢れかえる」の例文

1.そのカフェは評判が良く、休日にはお客さまで溢れかえっていました。
2.バレンタインの売り場は、女性客で朝から溢れかえっておりました。
3.会場は熱気と興奮に満ちあふれ、観客で溢れかえっておりました。
4.クリスマスイブの夜は、レストランがカップルで溢れかえっていました。
5.空港の到着ロビーは出迎えの人たちで溢れかえっておりました。

この言葉がよく使われる場面としては、人や物が入りきらないほど多くなることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「溢れかえる」は物理的に収まりきらない様子に使う言葉です。

「ごった返す」と「溢れかえる」はどちらも人や物が多すぎて混み合っていることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、混乱している様子に使うのが「ごった返す」、物理的に収まりきらない様子に使うのが「溢れかえる」と覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター