似た意味を持つ「エッセンシャルワーカー」と「ソーシャルワーカー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「エッセンシャルワーカー」と「ソーシャルワーカー」という言葉は、「社会生活に関する職に従事する人」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
エッセンシャルワーカーとソーシャルワーカーの違い
エッセンシャルワーカーとソーシャルワーカーの意味の違い
エッセンシャルワーカーとソーシャルワーカーの違いを分かりやすく言うと、エッセンシャルワーカーは社会生活に不可欠な労働者を表現する時に使い、ソーシャルワーカーはより良い社会生活にするための労働者を表現する時に使うという違いです。
エッセンシャルワーカーとソーシャルワーカーの使い方の違い
一つ目のエッセンシャルワーカーを使った分かりやすい例としては、「エッセンシャルワーカーたちのおかげで私たちは日常生活を送ることができている」「友人にエッセンシャルワーカーとは何かを尋ねてもどんな人たちか知らないようだった」などがあります。
二つ目のソーシャルワーカーを使った分かりやすい例としては、「医療ソーシャルワーカーは看護師と異なるようだ」「ソーシャルワーカーの援助によってより質の高い生活を送れるようになった」などがあります。
エッセンシャルワーカーとソーシャルワーカーの使い分け方
エッセンシャルワーカーとソーシャルワーカーはどちらも、社会生活に関する仕事に従事する人を指す言葉ですが、方向性や指し示す職業が異なります。
エッセンシャルワーカーは、医療従事者はもちろん、生活必需品を提供するスーパーやコンビニ店員、公共交通機関であるバスや電車の運転手など、社会生活を維持するために必要不可欠な仕事に従事する人を指す言葉です。
一方のソーシャルワーカーは、心身に問題を抱えて日常生活を送る上で支障がある人の生活に関する相談役となったり、環境の調整役となる人を指す言葉です。
つまり、エッセンシャルワーカーは存在しなければ社会生活が維持できなくなるような仕事に従事する人を指し、ソーシャルワーカーは存在することでより良い社会生活を送ることができるような仕事に従事する人を指すという違いがあります。
エッセンシャルワーカーとソーシャルワーカーの英語表記の違い
エッセンシャルワーカーを英語にすると「essential worker」となり、例えば上記の「エッセンシャルワーカーたちのおかげで」を英語にすると「thanks to essential workers」となります。
一方、ソーシャルワーカーを英語にすると「social worker」となり、例えば上記の「医療ソーシャルワーカー」を英語にすると「medical social workers」となります。
エッセンシャルワーカーの意味
エッセンシャルワーカーとは
エッセンシャルワーカーとは、社会生活を維持する上で必要不可欠な仕事に従事する人を意味しています。
エッセンシャルワーカーの使い方
エッセンシャルワーカーを使った分かりやすい例としては、「エッセンシャルワーカーは2020年頃に注目を浴び始めた言葉だ」「コロナ禍であろうとエッセンシャルワーカーたちは現場へと赴いてくれた」などがあります。
その他にも、「エッセンシャルワーカーたちの賃金はもう少し上げてもいいのではと思う」「医療従事者などのエッセンシャルワーカーがいなければ更なる犠牲者が出ていただろう」「エッセンシャルワーカーになるには責任が重い」などがあります。
エッセンシャルワーカーは英語で「essential worker」と表記されますが、「キーワーカー」「クリティカルワーカー」とも呼ばれており、最低限の社会を維持するために必要不可欠な労働者を表す言葉として使われています。
アメリカではリスト化されていましたが、2019年、世界的に新型コロナウイルスが蔓延したことによって、社会インフラを維持するために必要な職と不要不急な職を二分化したことがきっかけで広く使われるようになった言葉で、日本でも同じように使われています。
具体的には、医療従事者、教員や保育士、公共サービスや公共および通信インフラ業務に携わる人、食品やその他日用品の業務に携わる人、そして政府職員などがエッセンシャルワーカーに該当します。
コロナ禍で多くの企業でリモートワークへと移行されるようになりましたが、エッセンシャルワーカーは、リモートワークができない仕事も多く、社会の機能維持のための重要な存在として扱われるようになりました。
エッセンシャルワーカーの類語
エッセンシャルワーカーの類語・類義語としては、現場作業員や肉体労働者を意味する「ブルーワーカー」、技術的労働者、事務員や販売員を意味する「ホワイトカラー」などがあります。
ソーシャルワーカーの意味
ソーシャルワーカーとは
ソーシャルワーカーとは、社会福祉事業に従事する人を意味しています。
表現方法は「医療ソーシャルワーカー」「ソーシャルワーカーになる」
「医療ソーシャルワーカー」「ソーシャルワーカーになる」などが、ソーシャルワーカーを使った一般的な言い回しです。
ソーシャルワーカーの使い方
ソーシャルワーカーを使った分かりやすい例としては、「スクールソーシャルワーカーがこの学校にもいると聞いて安心した」「病気などによって精神的に苦しい場合はソーシャルワーカーではなくカウンセラーに聞いた方がいい」などがあります。
その他にも、「ファミリーソーシャルワーカーに相談する事態にならないのが一番だ」「ソーシャルワーカーにどんな質問をすればいいのかと考えてしまう」「ソーシャルワーカーの存在によって誰に相談すればいいのかと悩むことはなくなる」などがあります。
ソーシャルワーカーは英語で「social worker」と表記され、社会事業家や社会福祉に関する仕事をする人を意味する言葉です。日本でも同じように国家資格を必要とすることもあります。
日常生活を送ることに支障がある人の指導やサービスを提供する社会福祉士や、精神的な問題を抱えてしまった人が生活を営むために環境調整やその他支援を行う精神保健福祉士など、生活に関する相談役となる人の総称としてソーシャルワーカーが用いられます。
「スクールソーシャルワーカー」「ファミリーソーシャルワーカー」の意味
上記の資格を必要とする職種だけでなく、教育機関にて児童や生徒らの環境に関する問題に対応する「スクールソーシャルワーカー」や、児童と家庭の関係調整を行う「ファミリーソーシャルワーカー」なども存在し、医療や福祉、教育分野で使われる言葉です。
ソーシャルワーカーの類語
ソーシャルワーカーの類語・類義語としては、地域住民のために助言や援助などの活動を行う奉仕者を意味する「民生委員」、介護に関する一定の知識や技術を習得している人を意味する「介護福祉士」などがあります。
エッセンシャルワーカーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、社会生活を維持する上で必要不可欠な仕事に従事する人を意味する時などが挙げられます。
例文2のように、コロナウイルスが流行したことによって注目され始めた言葉であるため、例文4の「リモートワークができない」などの表現が多く見られます。
ソーシャルワーカーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、社会福祉事業に従事する人を意味する時などが挙げられます。
例文5の「ケースワーカー」も相談を受けてそれに対応する手助けを行う人たちを指しますが、ケースワーカーは公務員であるため、様々な場所で働くソーシャルワーカーとは異なります。
エッセンシャルワーカーとソーシャルワーカーは、どちらも「社会生活に関する職に従事する人」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、社会生活に不可欠な労働者を表す場合は「エッセンシャルワーカー」を、より良い社会生活にするための労働者を表す場合は「ソーシャルワーカー」を使うと覚えておけば間違いありません。