【秀才】と【天才】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「秀才」(読み方:しゅうさい)と「天才」(読み方:てんさい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「秀才」と「天才」という言葉は、どちらも「すぐれた才能」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




秀才と天才の違い

秀才と天才の違いを分かりやすく言うと、秀才とは後天的なすぐれた才能、天才とは先天的なすぐれた才能という違いです。

一つ目の秀才を使った分かりやすい例としては、「生徒会長はいわゆる秀才である」「弟は超難関の中学受験に成功した秀才です」「全国模試一位の秀才にも悩みはあります」「この世は天才と秀才と凡人で成り立っている」などがあります。

二つ目の天才を使った分かりやすい例としては、「彼女なら天才的なアイデアを出してくれるだろう」「彼は天才的にイラストを描くのが上手い」「うちの子は天才かもしれない」「天才と努力家どちらが上だと思いますか」などがあります。

秀才と天才という言葉は、どちらも非常にすぐれた才能や、そのような才能の持ち主を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

秀才とは、すぐれた才能を意味し、学識や才知にすぐれた人を指す言葉です。秀才は、自らの努力と行動によって得られるもので、主に学問や分析能力にすぐれる傾向があります。言い換えれば、秀才は後天的な努力の賜物なのです。

天才とは、天性の才能を意味し、生まれつき備わっている、凡人とはかけ離れたすぐれた才能を持っている人を指す言葉です。天才は先天的な能力であり、特に創造性や芸術分野で抜きんでた才能を発揮する傾向にあります。

つまり、秀才とは後天性のすぐれた才能であり、天才とは先天性のすぐれた才能を表します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

秀才を英語にすると「bright person」「talented student」「prodigy」となり、例えば上記の「いわゆる秀才」を英語にすると「what we call a bright person」となります。

一方、天才を英語にすると「genius」「a man of genius」となり、例えば上記の「天才的なアイデア」を英語にすると「genius idea」となります。

秀才の意味

秀才とは、非常にすぐれた学問的才能、また、その持ち主を意味しています。

その他にも、「中国で、科挙の試験科目の一つ、科挙に応じる者および合格者、府・州・県学の在学生」「律令制の官吏登用試験科目の一つ、また、その試験に合格した者」の意味も持っています。

「兄は俗にいう秀才型だと思う」「クラスの秀才がまた英語で満点を取った」「彼は秀才なのに漢字は苦手のようだ」などの文中で使われている秀才は、「非常にすぐれた学問的才能、その持ち主」の意味で使われています。

一方、「唐代における科挙の主要科目の一つに秀才科があった」などの文中で使われている秀才は「科挙の試験科目の一つ、府・州・県学の在学生」の意味で、「日本でも令制のもと秀才が制度化されました」などの文中で使われている秀才は「官吏登用試験科目の一つ」の意味で使われています。

秀才の読み方は「しゅうさい」です。誤って「しゅうざい」「ほさい」などと読まないようにしましょう。

秀才とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「非常にすぐれた学問的才能、その持ち主」の意味で用いられています。秀才の「秀」は訓読みで「ひいでる」と読み、他より抜きん出ることを表す漢字です。

秀才という言葉の語源は、古代中国の官吏登用試験である科挙の科目に由来します。科挙の一つに「秀才科」があり、科挙に合格した者を「秀才」と呼びました。このことから、学問に優れた才能を持つ人を「秀才」と呼ぶようになったのです。

秀才の対義語・反対語としては、才能のないことや才知のないことを意味する「無才」、知能が劣り愚かなことやその人を意味する「馬鹿」などがあります。

秀才の類語・類義語としては、すぐれている才能やそれをもつ人を意味する「英才」、すぐれた才能やその持ち主を意味する「偉才」、学問や才能などが人より秀でていることを意味する「俊英」、成績および品行の特にすぐれた学生を意味する「優等生」などがあります。

天才の意味

天才とは、生まれつき備わっている、並み外れてすぐれた才能、また、そういう才能をもった人を意味しています。

天才を使った分かりやすい例としては、「彼女は天才的に英語ができる」「ギフテッドと呼ばれる天才たちのルポを読む」「赤ちゃんなのに天才みたいな顔つきだ」「彼は幼少の頃から天才ピアニストと謳われてきた」などがあります。

その他にも、「彼女が本物の天才とは思えません」「息子が好きなテレビ番組は天才てれびくんです」「衝撃を受けた昭和アニメは天才バカボンです」「知られざる天才絵師を描いた小説を読んでいます」などがあります。

天才の「天」は自然に備わったことや生まれつきであるさまを表し、「才」は持ち前の能力を表す漢字です。天才とは、生まれつき備わっている、普通の人とはかけはなれたすぐれた才能を意味する言葉です。

天才を用いた有名な名言には、「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」があります。これは、発明王であったトーマス・エジソンの言葉であり、努力することの重要性を説いたものとして広く受け入れられています。

天才の対義語・反対語としては、平凡で特にすぐれたところのない才能やその人を意味する「凡才」などがあります。

天才の類語・類義語としては、世にまれな優れた才能やその才能の持ち主を意味する「奇才」、人間とは思えないほどの鋭い才能を意味する「鬼才」、才知のすぐれた女性を意味する「才女」、人よりすぐれた才能や一風変わった独特な能力を意味する「異能」などがあります。

秀才の例文

1.何事も理論的に物事を考えようとすることは、秀才の特徴の一つです。
2.秀才は天才に勝てないなんて言う人がいますが、私はそうは思いません。
3.秀才と天才はどっちが上なんて、一概に語れるものではないだろう。
4.学年一の秀才が英語の授業をサボるなんて、どうしても信じられません。
5.チャート式の秀才診断をしたところ、私は普通の凡人であるという結果になりました。

この言葉がよく使われる場面としては、すぐれた才能、すぐれた才能の持ち主、学識や才芸などのすぐれた人、官吏登用のための国家試験の科目の一つを表現したい時などが挙げられます。

例文2や例文3にあるように、秀才と天才という言葉は、比較や対比されやすい関係にあります。

天才の例文

1.本物の天才の特徴の一つに、特定の分野への深い興味と集中力が挙げられます。
2.彼は天才なので、耳で聞いた英語の長文を正確に発音したり書き取りしたりできます。
3.天才の顔つきは内面からつくられるものであり、簡単に真似できるものではありません。
4.天才と言われる有名人には、お笑い界で活躍している芸人が多いと感じます。
5.学校の帰り道に、歌詞が天才的だと思うアーティストは誰かという話で友達と盛り上がりました。

この言葉がよく使われる場面としては、天性の才能、その才能をもっている人を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「天才的」とは、天才というのにふさわしいさまを意味し、単に賢いだけでなく他者には及びもつかない資質を持っている様子を表す言葉です。

秀才と天才という言葉は、どちらも「すぐれた才能」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、後天的な才能を表現したい時は「秀才」を、先天的な才能を表現したい時は「天才」を使うようにしましょう。

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